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ボク、女の子になって過去にタイムリープしたみたいです。最推しアイドルのマネージャーになったので、彼女が売れるために何でもします!  作者: 奇蹟あい
第十二章 定期公演 ~ Monthly Party 2024-25 ~ #9編

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第14話 ウーミーが語る

「ボクってマネージャーとしてダメなのかなあ」


 まさかのウーミーから同行NGだったなんて……。

 悲しすぎるよ。

 だけど5人もアイドルがいたら、1人くらいボクのことを嫌っていても……そういうこともあるよね……。やっぱりめちゃくちゃ悲しいけど……。


「楓さん! 違いますわよ! 勘違いですのよ!」


 あいかわらず顔を真っ赤にしたまま、ウーミーが叫ぶ。


 ちょっと、ウーミーさん?

 わかったから、ね? 

 ほら、そんなに大声出したら、周りの参拝客の人たちがこっちに注目しちゃっているから!


「違いますの……」


「わかったわかった。目立っちゃっているから、とにかく場所を変えよう?」


 こんな時にルーナがいてくれたら、認識疎外で誰にも注目されずに済むんだけどな。



 ボクたちは朋月神社の鳥居を通り過ぎて、あえて人通りの少ない脇道に入る。

 地図アプリで調べたところ、ここから少し歩くと小さな公園があるらしい。そこなら参拝客が来ないだろうし、ゆっくり話せるかな。


 度々振り返って、遥か後方、ナギチと並んで歩くウーミーの顔を盗み見る。

 唇を真一文字に結んだまま、黙って歩いていた。

 でもまだ顔は赤いまま。

 そんなにボクのことがガマンならないのかな……。何かやらかしただろうか……。 最近ウーミーに嫌われるようなことをした覚えはないな……。でもわからない。何かをやらかしていると言えばやらかしているだろうし、やらかしていないと言えばやらかしていない。かもしれない……。


 ハルルがボクの横に並び、背中にそっと手を添えてくる。

 立ち止まって顔を見つめると、「行きましょう」とボクの背中を前に押し出してきた。


「ウミは……大丈夫よ」


 ハルルは、ボク以外の誰にも聞こえないように小声でつぶやいた。


 大丈夫、かあ。

 ハルルが言うんだからきっとそうなんだろうけれど……だったらNGって何なんだろう。


 ハルルとは反対側。ボクの横に並ぶウタの顔を見る。


「何よ?」


 ボクの視線に気づいたのか、ウタが横目でチラリとこちらを見てきた。


「別に……」


 ウタが急に、「ウーミーがボクのことを同行NGにしている」だなんて言い出すからこんなことになったんだけどな。ウーミー本人は否定しているし。でもなんか変な空気だし。どうしてくれるのさ。


「楓のそういうところよね」


 小さくため息を吐いた後に、鼻で笑ってくる。

 ボクのどういうところがどうなのさ?

 しかもこの状況で何笑っているのさ?


「本当に不思議ね」


 だから何がさー⁉


 結局それ以上ウタは何も語らず、たまに思い出したようにクスクスと笑うだけだった。



 そのままボクたち5人は目的地――小さな公園に到着する。

 ブランコと砂場と水飲み場があるだけの小さな公園だ。おそらく目の前のマンションの付属的な公園なのだろうね。


「みんな、着いたわ。ここなら周りの目を気にせず、思う存分語り合えるわよね?」


 ウタが少し煽るような口調で言う。

 いや……目の前がマンションだから大声とかはちょっと……。やっぱりちょっと気を使って小声でしゃべりましょう?


「どうしたのかしら? みんな珍しく静かね」


 どうしたもこうしたも、ウタさんがこういう空気にしたんですけど?

 まあ、ハルルとナギチは空気を読んで、傍観者として静かにしているだけだと思いますけどね。


 かと言って、ボクがグイグイ質問するのもちょっと違うなあって感じで……どうしたらいいのさ。


「わたくしは……」


 沈黙を破るかのように、ウーミーが口を開く。


「わたくしは……楓さんのことをNGだなんて言ったことはありませんわ……」


 絞り出すような声。

 けれど、無理やり言わされているという感じはなく、本音でそうなんだろうということはわかる。


 NGではない。

 それがわかっただけでも十分心の安寧が訪れるというものだ。

 結局ウタがおもしろおかしく伝えたに過ぎないということかな。


「でも海さんは、楓に仕事についてきてほしくはないんでしょう?」


「…………」


 ウタの問いかけに、ウーミーは沈黙したままで肯定も否定もしない。

 何度かエサをほしがる金魚のように口をパクパクさせるも、結局に何も言葉を発しなかった。


 あれー?

 NGじゃないけれど、仕事にはついてきてほしくない? 

 それってやっぱりNGってことなんじゃ……。


「このニブチンにははっきり言ってあげないとわからないわよ」


 ニブチンって……。


「ですが……」


 ウーミーがボク……以外のメンバーにチラチラと視線を送る。

 ハルルとナギチがいると話しにくい何かってこと?


「海さん。この2人はある意味当事者じゃないかしら? この場限りということで、話してしまったほうがすっきりすると思うわよ?」


「ですが……」


 今後はじっとボクの顔を見つめてくる。


 なんですか……。

 これから何が語られるんです? すごく怖い……。


「……わかりましたわ。お話します。ですが、この場にいる方の中だけに留めていただきたいんですの」


 ボク、ハルル、ナギチと順番に意思確認をするかのような視線を送ってくる。

 逆を返せば、この場にいない誰かには聞かれたくないこと、という意味にも捉えられるけれど。


「わたくしは……楓さんにグラビアの撮影にはついてきてほしくないと思っていますの……」


 ああ、やっぱりNGなんだ。つらい。


「ですがそれは、楓さんのことが……嫌いということではなく……」


 ウーミーの頬を一筋の涙が伝う。


 ええっ、何で今のタイミングで泣くのよ?


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