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ボク、女の子になって過去にタイムリープしたみたいです。最推しアイドルのマネージャーになったので、彼女が売れるために何でもします!  作者: 奇蹟あい
第十二章 定期公演 ~ Monthly Party 2024-25 ~ #9編

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第11話 ライブツアーいきた~い! 全宇宙制覇ツアー☆

「カエデちゃん……うしろ……」


 うしろ?

 と、ハルルが指さすほうに振り返る。


「あけましてギャラクシー☆」


 ナギチ、何でいるの⁉

 しかもそのファンキーなロケット柄の振袖はいったい何⁉


「2人だけで初詣に行こうとしてるでしょ~! ず~る~い~」


 ロケットのように飛んできて、ボクの背中にのしかかってくるナギチ。

 ずるいって言われてもなあ。

 果たし状(?)をもらって、ハルルとは昨日のうちから約束していたし?


「私のギャラクシーな嗅覚はごまかせないんだからね☆」


 って、ボクの首に鼻をこすりつけてくるんじゃない!

 大事な着物にファンデーション付くから!


「そんな嗅覚があるなら、昨日嗅ぎつけてくれれば面倒なことにならなかったのに……」


 ハルルがわざわざ元日を外して今日誘ってきている意味を理解して、ちょっとは遠慮ギャラクシーになってほしかったなあ。


「……仕方ないわね。良いわよ。ナギサも一緒にいきましょう」


「やった~! ハルにゃん、あけましてギャラクシー☆」


「はいはい、ギャラクシー」


 ハルルが困り眉を作ってため息を吐いた。


「……連れて行っても大丈夫なの?」


 さすがに今日の今日は断ったって、罰は当たらないと思うよ。

 神様だって赦してくれるって。


「いいのよ。そんなに深い意味はなかったし」


 ホントに?

 

「カエデちゃんがなんでそんな顔するの? 私が大丈夫って言っているんだから大丈夫よ。さ、ナギサ、いつまでもカエデちゃんに抱き着いていないで、自分の足で歩きなさい」


 そう言って、ナギチをボクの背中から引き剥がしにかかる。


「ああん、もうちょっと! カエちゃんの背中あったか~い☆」


「ナギサ!……怒るわよ」


 ハルルの容赦ないゲンコツがナギチの頭に突き刺さり、ひどく鈍い音と衝撃が背中を通じてこっちまで……。

 もう怒ってるじゃん。


「いたたた……。それでどこの神社に行くの?」


 立ち直り早いな。

 頭蓋骨、陥没していない?


「もしかして、太宰府天満宮?」


「なんで⁉ 太宰府天満宮って九州? めっちゃ遠いし。それにたしか菅原道真……あそこって学業の神様じゃない?」


 ボクとハルルは学年的には受験生だけど、一応もう推薦入学は決まっているし、別に学業はそこまで……。


「だったら出雲大社☆」


「それも遠いなあ。まあ、有名ではあるけど……」


 恋愛成就の神社としてね。


「出雲大社はまた今度にしましょう。近くでライブツアーがあったら寄りたいわね」


「ライブツアーいきた~い! 全宇宙制覇ツアー☆」


「はいはい、ギャラクシー。まずは日本から制していこうね」


 宇宙はその後行こう。


「今日は近くにある朋月神社ほうづきじんじゃよ」


「ふ~ん? 聞いたことない神社ね。ハルにゃん、それ何の神社なの?」


 ナギチがハルルの袖を引っ張る。


「芸能の神様が祭られているらしいわよ。私も詳しくは知らないの。ミャコさんから聞いただけだから」


 そうなんだ?

 あそこ、芸能の神社だったんだ! それはラッキー!

 もう1回くらいお祈りをしても良さそう!


「やっぱり今年はお客さんを入れてライブ……できれば全国ツアーなんかもしたいね。みんなでお願いしようよ!」


「それ良い! カエちゃん冴えてる~☆」


 そうでしょうそうでしょう。

 もっと褒めてくれて良いんだよ♪


「私はまた映画か、ドラマに出てみたいかな」


 ハルルが照れ笑いを浮かべる。


「女優! ハルにゃん! それなら練習しなきゃ!」


 ナギチがハルルの周りをくるくると回り始める。


「練習? してるわよ。発声練習も演技の練習も」


「ノンノン」


 ハルルの正面でピタリと止まる。

 それが顔の目の前で人差し指を横に振りながら、「そうじゃないよ~」と呟く。


「女優と言えば!」


「「言えば?」」


「キ・ス♡」


 キス。


「演技の見せ場はキスシーンでしょ! 練習しなきゃ! ん~♡」


 って、ナギチとするのかいっ!


「ちょっとナギサ!」


 ハルルがナギチの胸を押して遠ざける。


「ドラマの演技でファーストキスって悲しくならない? 今のうちに練習しよ☆ ん~♡」


 それはわかるけど……グループのメンバーとの練習でファーストキスっていうのも悲しくならないの?


「そういう練習はいいの! マキさんも言っていたもの。そういうのは役をもらってからにしないと練習にならないって」


 たしかにそれっぽいことを言っていたね。

 演技の練習は、ボイトレや筋トレとは違うから、反復練習で何かが良くなるものでもない、ということらしい? なんだったらキスシーンは、役作りの中で溜めに溜めて、本番にすべての想いを解放するほうがうまくいったりする、らしいよ? 若手演技派女優によるとね。よくわからないけどそういうものらしい。


「だからナギサとキスの練習をしても意味ないから」


 そう言ってハルルは歩き出す。


「意味ないってそんなこと言わないでよ~。こんなに好きなのにぃ☆」


 ナギチが追いかける。


 キスの練習は意味ない、か。

 昨年末の『あさにし』の映像特典の撮影中に、人工呼吸でファーストキスを奪っちゃわなくてホント良かったよ……。やっぱりハルルはああいうのは絶対気にし続けるだろうから……。


 まあそれはボクもだけど。


 そっと自分の唇を指でなぞってみる。


 レイの塗ってくれたリップグロスが少し指についた。



 キス……かあ。


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