表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
ボク、女の子になって過去にタイムリープしたみたいです。最推しアイドルのマネージャーになったので、彼女が売れるために何でもします!  作者: 奇蹟あい
第十一章 定期公演 ~ Monthly Party 2024 ~ #8編

この作品ページにはなろうチアーズプログラム参加に伴う広告が設置されています。詳細はこちら

469/752

第3話 砂を食っているような味になるんじゃないか?

「うーん。幼女の姿になっても、ボクはボクなんですよ?」


 羞恥心はあるんです。

 

「ええやん。減るもんやないんやし」


 ところが擦り減るんですよ。心がね。


「楓はかわいいな~」


 やめてください。いろいろなところを撫でまわさないでください。体は子どもでも心は大人なんですってば!


「かえでくんが嫌がっています。師匠としおりさんは離れてください」


 レイさん、床が滑るので危ないです。

 ボクを抱きかかえてお風呂の周りを走らないでください。


「レイちゃんだけずるいやんか~。うちにも抱っこさせて~な」


「私が楓を作ったんだぞ。私が楓の産みの親だ!」


「ダメです。かえでくんは渡しません」


 やめてー。

 ボクを取り合って争わないでー(棒読み)


「くしゅん……くしゅん」


 あー、ちょっと寒くなってきたかも。

 まだ掛け湯しかしていなくて、温泉に入っていないもの。


「たいへんです。早くかえでくんを温泉に浸けないと」


 ボクは干からびたミイラか何かですか?

 単に冷えただけなので、普通に温泉に入りたいです。あと早く普通に体を洗いたいのでお願いしても良いですか?


「そうだな。だいぶ汗もかいたし先に体を洗うか。洗体プレイにはローションとマットが必要だな」


「いや、普通にタオルで……何の話してるんですか!」


 プレイって!

 大人って汚らわしいですね!


「師匠、マットなら持参していますから間に合っています」

 

 レイも対抗するんじゃない。

 そんなのどこに持ち歩いているのさ。一度も使ったことないでしょ。


「体のスポンジで洗うんやな。ええ身分やないか~」


 だから違うって言ってるでしょ。

 変なプレイの話はもういいです。自分で洗いますから……。



* * *


「まったく、えらい目にあったわ……。みんな酔っぱらっているわけじゃないよね?」


 脱衣所でレイに髪を乾かしてもらいながら愚痴る。


「みんなかえでくんのことがかわいくてしかたないんです」


 まあ初めての5歳状態だし? ちょっとテンションがあがっちゃう気持ちはわからないでもないけど?

 だけどさ……。


「それにしたって麻里さん! おしりをわしづかみにして、『蒙古斑』はもう一発ギャグでもなんでもないですよ? ただの幼児虐待ですからね?」


「すまんすまん。ちょっと楽しくなってしまってな」


 謝罪が軽い……。

 ボクのことをおもちゃか何かと思ってるでしょ……。


「あれは傑作やったわ~。今度ネタに使わせてもらうわ」


「また『メープル』シリーズが増えてしまう……。ボクのプライバシーはどこへ……」


「かえでくんよしよし。わたしが印刷された分だけ買い取ってあげますから大丈夫ですよ」


「それは……何も大丈夫ではない……」


 ただシオセンセの懐が温まるだけなんですが。

 そもそも印刷するのを止めてくれませんか?


「それだとわたしが読めないので困ります」


 うん、最初から味方じゃなかったね。知ってたけど。


「お前らいつまでしゃべってるんだ? 早く食事にしよう。あまり遅くなってから食べると体に良くないからな」


 と言っても、もう22時を回ってますけどね。

 定期公演の日はどうしても食事が不規則になっちゃうなあ。≪初夏≫のみんなも車の移動中にお弁当食べているだろうし。


「何とかならないんですか? アイドルって体が資本ですよね。つまり食事って大事じゃないですか。なんかこうー、完全栄養食的な? 1口食べたら3日働ける、みたいなのは開発してないんですか?」


 まあ、そんなのをしていたら普通に出してくれているよね。


「あるにはあるが……」


「あるんですか⁉」


「あるにはある……」


「あれかいな~。あれはな~」


 麻里さんもシオも途端に渋い顔になる。


「夜中に食事することと比べても問題があるんですか?」


「「すごくまずい」」


 まさかの味の問題!

 忍者の携帯食の兵糧丸じゃあるまいし……。


「味くらい何とかならないんですか?」


「ならなくはないな……」


「じゃあいいじゃないですか。ちゃんと改良していけばいいじゃないですか。大事なのは栄養バランスだし、それこそ実験していきましょうよ」


 夜中に食事するよりは良いですって。


「カエちんほんまか⁉」


 今そんなに驚くようなこと言った?


「そうか……。楓が実験に協力してくれるなら心強いな……。しかしここには手術用の設備がないから、帰ったら頼む」


 麻里さんが期待に満ちた目をしながら、ボクの肩を叩いてくる。


「ん? 味の調整の実験……? 手術? 何の話ですか?」


「せやから……」


「味覚のほうを携帯食の味がおいしく感じられるように調整する手術だ」


「それをするとどうなるんですか?」


「携帯食はおいしく感じられるようになるな」


「それ以外は?」


「砂を食っているような味になるんじゃないか? 細かくはわからんが」


「そんなのダメに決まってるでしょ! 何バカなこと言っているんですか!」


 普段の食事が砂になったら絶望しかないでしょ。

 どんな思考回路ならそれを提案できるんですか……。

 マッドサイエンティストってやっぱりマッド(常軌を逸している)なんですね!


「もう携帯食の話は良いです。食堂に行って、さっさとおいしい食事にしましょう!」

 


評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

↑ページトップへ