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ボク、女の子になって過去にタイムリープしたみたいです。最推しアイドルのマネージャーになったので、彼女が売れるために何でもします!  作者: 奇蹟あい
第十章 定期公演 ~ Monthly Party 2024 ~ #7編

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第35話 定期公演#7 その8~海と詩のドキドキ♡ファッションショー(5)

「かえでくん、サプライズゲストの時間です。早く舞台袖までお越しください」


 あのターバンとコブラの後に出て行くのは絶対に嫌だって……。何やっても微妙な空気になって絶対滑るじゃん……。MINAさんにもう一度ウォーキングしてもらいなって。そのほうがコーナーがきれいに締まるよ。なんなら別のブロマイドもあげれば?


 って、あれ⁉ レイ、モニター見て!

 誰かが舞台袖から出てきたよ⁉


『ここでサプライズゲストの登場です……今、手元にメッセージが届きました。代読します。「みなさんこんばんは。サプライズゲストの黒ちゃんです。先日は“親子で楽しむ演劇~雨の雫と妖精と”で≪The Beginning of Summer≫のみなさまと共演できて大変光栄でした。本日は演劇のお礼もかねてサプライズゲストの大役を精一杯全うさせていただきたいと存じます」とのことです……』


 淡々とメッセージを読み上げていくレイ。

 いつにも増して感情を消し、平板な……まるで機械音声のような声で。


 ボクたちの目の前にいるのは、マッドブラックのフルフェイスヘルメットの男――ボンバー仮面V3だ。全身レザーのライダースーツを身に纏い、優雅に手を振りながらのウォーキングしている……。


“マ?”

“サプライズゲストがボンバー仮面V3やんけ”

“共演って何?”

“舞台で一緒にしりとりをしたらしい”

“どういうこと?”

“理解できないw”

“犯罪者じゃなかったのか?”

“もしかして良好な関係?”

“爆弾テロはなかった?”

“脅されている線が濃厚”

“レイちゃんの声が氷のように冷たい……”

“ボンバーやりたい放題やんけ”

“ドーム爆破される?”

“みんな逃げて~!”

“こんなに美しいドームを爆破するわけないじゃないですか”



 アイツ……。

 直接攻撃の可能性80%以上か……。


 でも、未だ何も警告のアナウンスが流れてこないのはなぜ? 麻里さんはいったいどうしたんだろう。

 ボクたちはまたアイツに出し抜かれて負けたのか……?


【私にもわからない……。だが、そこには誰もいないんだ】


 脳内のチャンネルを通じて、麻里さんの声が聞こえてくる。

 余裕のない声だ。

 こんな麻里さんの声は初めて聞く。


 いないってどういうことなんですか?


【何者も存在しない。生体反応はおろか、無機物の反応さえないんだ。何も観測できていない以上、そこには誰もいないとしか言えない】


 そんな……。

 でもボクたちの目にははっきり見えているんですよ?

 モニターにも映っている。

 配信にも乗っていますよ……。


「読み上げていないメッセージの中に、『ノリノリで楽しい解説をお願いいたしますね。決して配信を止めないでください。そうなれば私も強硬手段に出るしかなくなってしまいます』と明確に脅迫文も添えらえていました」


 くそっ。

 アイツ、いったいどういうつもりで……。


『舞台中央で黒ちゃんが歩みを止めました。アピールタイムです。これは……突然ライダースーツを脱ぎ始めました。ダメです、そんな、これは全世界配信です。そんなことをしたら性的表現のポリシーに引っ掛かってしまいます』


 ライダースーツを脱ぎ捨てた下から出てきたのは――女性の体?

 いったいどういうことだ⁉

 アイツの声は男だったはず……。それすらも騙されていたってことなのか⁉


『女性です。ライダースーツの下から現れたのは、スレンダーで美しい体形の女性でした。ノースリーブの真っ白なシルクワンピースに身を包んでいます。この姿ならなんとか配信を続行できそうです。ですがこれ以上は脱がないでください。アカウントが凍結されてしまいます』


“風向きが変わったな”

“早くヘルメットも脱いでくれ”

“これが爆弾魔?”

“ボンバー仮面V3って女だったのか?”

“声は変声している?”

“メンバーの誰かが扮装しているのかもな”

“それはさすがに不謹慎すぎるだろ”

“まだネタにして良い話題ではないな” 

“とりあえずヘルメットを取ってからだ”

“顔を見ないことには判断できない”

“何の判断だよw”



 麻里さん、とにかく避難誘導を。全員舞台袖から離れさせないと!


【零、誘導を頼む。しかし……爆弾等の危険物の反応もないんだ。存在もしていないし危険性も認められない……】


 アイツが来た目的はドーム破壊ではないってこと?

 いったい何なんだ……。


 アイツはホントにボンバー仮面V3なのか?


『今、ボンバー仮面V3がヘルメットに手をかけました。まさかヘルメットを取るのでしょうか?』


 ここで正体を明かす⁉

 誰なんだ⁉

 ボクたちの知っている人物なのか⁉


『ヘルメットを……あなたは誰なんですか? 今、脱ぎ去りました!』


 ヘルメットを脱いだ……でも素顔、じゃない。


『仮面です。蝶の仮面をつけています。素顔を晒す気がないのでしょうか。腰まで届きそうな長い黒髪をかき上げながら、口元は笑っています。仮面の美女がにこやかに手を振っています』


 でもあの顔はどこかで……?


【いかん! 配信中止。……くそっ、なぜだ! コントロールを受けつけない! まさか私のほうが遅れを取ったというのか⁉】


 麻里さんが叫ぶ。

 異常事態が起きているということだ。


 みんなはどこだ。

 直接避難誘導をしなきゃ……あ。思い出した。


 あの人は――。



『18年の時を経て、私は戻ってきた。迎えに来たよ、ユエユエ』


 ボクの脳内にあの言葉が響いてくる。


 ボンバー仮面V3は、蝶の仮面をつけたままカメラに向かって笑っていた。


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