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ボク、女の子になって過去にタイムリープしたみたいです。最推しアイドルのマネージャーになったので、彼女が売れるために何でもします!  作者: 奇蹟あい
第十章 定期公演 ~ Monthly Party 2024 ~ #7編

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第19話 恐怖! 巨大ウォータースライダーに挑む!

「そろそろウォータースライダーにいきましょうか」


 足元以外まったく濡れていないレイが、涼しげな表情で言う。

 一方ボクと花子は、見事に全身びしょ濡れ状態。本気で逃げ回り、放水のパワーで吹き飛ばされ、体力もけっこう消耗している……。


「ウォータースライダーかあ。このプールってそんなものまであるの? いったいどこに?」


 見た感じ、それっぽい遊具は存在していない。

 深いオリンピック用の50mプールと、その脇に今ボクたちがいる幼児用の浅いプール、そして25mの普通の人用(?)のプールだけだ。


「この階は競泳用のプール施設です。ウォータースライダーは上の階にあります」


 まさかのプール2階建て!

 一般公開していないっていうのにその豪華さはどうなの? 維持費とかどうなってるのさ……。


「水着のまま上に行ける通路がありますから、ついてきてください」


 なんかすごいなあ。

 花子、上の階にウォータースライダーがあるんだってさ! じゃあ一緒に滑るか!



* * *


「えー、これ、ホントにプライベートプールなの? 大規模な商業施設じゃなくて?」


 上の階にあったのはウォータースライダーだけではなかった。

 ウォータースライダーのほかに、巨大な流れるプール、水上アスレチックもある!


「なんか普通に遊園地っぽい……」


 うぉ、流れるプールに突然大きな波が!

 すごい仕掛けがあるなあ。


「こちらの浮き輪をお持ちください。はなこさんには念のためライフジャケットを装着してもらいます」


 そうだね。花子は背が低いから、溺れたりしたら絶対足がつかないし、ライフジャケットをつけたほうがいい!


「がぅ?」


 突然着せられたライフジャケットを不思議そうに見つめている。


「窮屈かな? でもそれがあれば絶対水に浮かぶから安心だよ。ちょっと水に入ってみな」


 流れるプールの入り口のところに花子を下ろしてやる。


「がぅがぅがぅ!……がぅ?」


 手を離した瞬間、パニックになり暴れる花子。

 でも、自分の体が水に浮いていることに気づき、不思議そうにキョロキョロと視線を彷徨わせ始めた。


「かわいいな、もうー。そうだよ、それのおかげ。ライフジャケットのおかげで浮いてるの。便利でしょ」


「がぅ!」


 ようやくライフジャケットの意味がわかったらしい。

 足をバタバタさせて泳ぎ出した。


「最初は流れるプールで遊びましょうか」


「そうだね。ボクたちも浮き輪をつけて……あれ? レイは浮き輪使わないの?」


 レイだけ手に何も持っていない。


「その浮き輪は2人用ですよ」


「えっ? この浮き輪、穴は1つしか開いてないけど?」


 確かにサイズは大きいけど、大人1人用じゃない?


「かえでくんは子どもサイズですから、こうして2人で入れば……ちょうどいいです」


「お、おぅ……」


 水着のレイに後ろから抱えられるかっこうに。


「お風呂と同じです。力を抜いて体を預けてください」


 でもここはプールだし……。水着だし……。


「誰も見ていませんから大丈夫ですよぅ」


 ……そう?

 レイのささやきに誘われて、背中に当たるふくらみを感じながら、遠慮がちに体を預けていく。

 あとはプールの流れに身を任せ、レイの柔らかさと温かさに心奪われ、なんかもう夢見心地……。


 うーん、しあわせだなあ。


「がぅ!」


「うぉ、花子!」


 花子がボクたちの浮き輪に飛び乗ってきた。


「おっと、3人は狭いぞ⁉ なんだよー。プールの中でもボクの頭の上なの?」


「がぅがぅ!」


「はなこさんは甘えん坊ですね。誰に似たのでしょうか」


「だからボクが産んだわけじゃないからね⁉」


 そしてボクが育てたわけでもないのに……。


「波がきます。気をつけてください」


「えっ?」


 ゲホゲホ。

 まともに正面から波を……。水飲んじゃったじゃん……。って、レイさん! 今ちょっとボクを盾にしましたね⁉



* * *


「そろそろそこの通路から上がって、ウォータースライダーにいきましょう」


「はーい」


 やたらとウォータースライダーを推してくるな。

 レイ自身がやりたいのかな?


「小学生以下の方は、保護者同伴でないと滑れませんから、一緒に行きましょう」


 まあ、そうなるよね。

 花子も一緒に3人で大丈夫かな?

 あ、注意書きの絵的には大人1人子ども2人までなら良いみたい。



「この専用のゴムボートみたいなのに乗るの?」


「はい。シートベルトを締めて、左右の取っ手をしっかり握っていてください。わたしが後ろから抱えるように乗ります。はなこさんは一番小さいので真ん中に座ってくださいです」


 なんかすごいな……。

 ただの滑り台じゃないんだ?


「このプールで1番大きいウォータースライダーは、全長200mです。回転あり、約90度の急勾配ありと、迫力満点だそうです。楽しみですね」


「90度⁉ 直角じゃん! ボクたちゴムボートから投げ出されたりしない⁉ 花子、そんなシートベルトで大丈夫か⁉ しっかり締めないと!」


「がぅ……がぅ⁉」


 このウォータースライダーって、マジで子どもが乗って良いやつ⁉

 

「さあ、出発します」


 レイがゴムボートを蹴りだして……ウォータースライダーの旅が始まってしまった!

 まだ覚悟が決まってないのにー!


「ぎゃあぁぁぁぁぁぁぁぁ!」


「が、がぅぅぅぅぅぅぅぅ!」



 はっ。

 道がない!

 崖から落ちて、内臓が浮く感覚。

 


 ボクの意識はそこで途絶えた。


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