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ボク、女の子になって過去にタイムリープしたみたいです。最推しアイドルのマネージャーになったので、彼女が売れるために何でもします!  作者: 奇蹟あい
第十章 定期公演 ~ Monthly Party 2024 ~ #7編

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第18話 プライベートプール銃撃戦

「え、深い! このプール深くない⁉ 足がぜんぜん届かないし怖い……」


 小学生サイズ(たぶん130cmくらい?)に縮んだ身長を舐めていたよ。いや、別に17歳の時だって146cmしかないんだけどさ……。いや、それにしてもだよ……大人用のプールってこんなに深かったっけ?


「かえでくん、そこはオリンピック用のプールで水深3mあります」


「3m! ぜんぜん足がつかないし、おかしいと思ったんだよね。いやいや、オリンピック用って何さ……。ここ、プライベートプールでしょ……」


 バカらしい! もっと浅いプールに行こう。

 もう割り切って子ども用のプールでいいや……。



「これはさすがに浅いな……。今のボクでも膝までしかない」


「がぅがぅがぅ!」


 花子はめっちゃ楽しそうだけど。

 いや、レイさんもね。


 え、ちょっと待って。その機関銃みたいな水鉄砲はどこから持ってきたの?


「かえでくん、はなこさん、かくご!」


 レイ狙撃手による放水だ!


「きゃー、やめてー、殺されるー」


「がぅ!」


 ボクと花子はプールの中を逃げ回る。

 レイの容赦ない攻撃がボクたちに降り注ぐ。


「冷たくて気持ちいい! やっぱり夏はプールだなあ」


 山も良いけど、プールも楽しい!


「とどめです」


 そう言って、レイが機関銃を変形させて……ボクに向かって必殺の一撃を放つ。


「ぐぇー。ちょちょちょっと、痛いっ! マジで痛いって! タイムタイム!」


 何その威力!

 水圧がエグイ!

 攻撃が長いし、めっちゃ痛いって!

 

「『誰でも消防士体験~ホントの火事も消化できちゃう優れもの~』です」


 水鉄砲じゃないじゃん!

 消火栓じゃん!

 そんなの人に向けて撃っちゃいけませんって!


「レイだけ一方的に攻撃するのはずるいって! ボクと花子にも武器をちょうだいよ!」


 必死の懇願に、レイが手を止めて、後ろのカバンをゴソゴソと漁り始めた。

 少ししてから、レイが何かをこちらに向けて放り投げてくる。


「武器をどうぞ」


「いや、小っちゃ! 1mも飛ばない子ども用の水鉄砲じゃん!」


 100均クオリティのハンドガンだ。

 穴から水をくむタイプの。レイのは自動給水がついているのに⁉


「今のかえでくんは子どもサイズですからちょうどいいです。はなこさんもそれなら扱えるでしょう」


「戦力差がえぐいんですけど……」


「2対1なので、戦略でカバーしてください」


「無茶言わないでよ……」


「がぅ……」


 10歳児と子グマでどう戦略的に戦えと……。



「第2回戦。スタートします」


 レイがそう宣言して、ボクたちに向かって放水を始める。


「ヤバい! 花子、まずは2手に分かれてリスク分散だ!」


「がぅ!」


 ボクが右、花子が左に分かれてレイを狙っていく。


「2人とも甘いです。トランスフォーム! 全方位殲滅モード!」


 いやいやいや、おかしいおかしい!

 消防要素一切なくなってるじゃん!

 ミサイルみたいな水の塊が乱射されてくるんですけど⁉


「花子! 一時撤退!」


「がぅがぅ!」


 これはレイに近づくのは簡単なことじゃないぞ……。

 ボクたちの射程は最大で1mくらい。確実に当てるなら20cmくらいまで接近しないといけないのに……。


「どうする……。何か良い手はないか……」


 どうにかして片方がレイの気を引いて、その隙にもう片方が接近するしかないよねえ。でも、2手に分かれたところで、さっきの全方位殲滅モードとやらの餌食になってしまう……。


「くっ、ボクがステルスモードとか、そういう気の利いた機能を備えていれば……」


 役立たずだ。すまない……。


「がぅがぅ! がぅがぅ!」


 突然、花子が大きな声で吠えながら立ち上がる。

 どうした? 狩人という名の野性に目覚めたのか⁉


「がぅ!」


 花子が大きく一歩前へ足を踏み出す。

 ――両手を上に高く掲げ……水鉄砲を放り投げた。


「がぅ……」


 チラリとボクのほうに視線を送ってから、両手を上げたまま、花子がゆっくりとレイのほうに向かって歩き出す。


「花子……投降する、のか……」


 でもさっきのあの目は、戦意喪失なんてしていなかった。

 だったらなぜ、ここで投降という選択を?


 はっ、まさか!

 自分を囮にして、レイが捕虜を受け入れている間にボクに攻撃をしろってことか⁉


「がぅ……」


 そうなんだな⁉

 花子……体を張りやがって……なんて大胆な作戦を……。

 

 わかった!

 お前の気持ちは受け取ったぞ!


 待ってろ、レイ!


「はなこさん、それは何のまねですか? 負けを認めたということですか?」


「がぅ……」


 花子は歩みを止めない。

 ゆっくりと一歩ずつレイに近づいていく。


 もう少しだ……。もう少しでレイの目の前に……。レイが機関銃を下ろして受け入れ態勢に入ったら、全力ダッシュするぞ!


「はなこさん、止まりなさい。それ以上近づいたら撃ちます」


「がぅ……」


 大丈夫。

 あと少しだ。


「警告はしました。残念です」


 機関銃を構え直したレイによる集中砲水。

 全弾花子に命中。


「が……ぅ……」


 花子(0)、凶弾に倒れる――。


「花子ーーーーーーー! 捕虜に向かって発砲するなんて! ジュネーブ条約はどうしたーーーーー!」


「はなこさんは人間ではないので、ジュネーブ条約は適用されません」


 鬼! 悪魔!

 花子ー! くそぅー! お前の死は無駄にしないぞー!


 ボクは花子の形見のハンドガンも装備。二丁拳銃でレイに向かって猛ダッシュする。


 バンザイ特攻じゃー!



 七瀬楓(10)、幼児用プールにて散る。

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