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ボク、女の子になって過去にタイムリープしたみたいです。最推しアイドルのマネージャーになったので、彼女が売れるために何でもします!  作者: 奇蹟あい
第十章 定期公演 ~ Monthly Party 2024 ~ #7編

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第16話 レイの機嫌が悪い……そうだ、デートしよう!

 合宿から帰ってきて3日が経った。

 もう3日も。


「お、おはようございます……」


「つ~ん」


 ボクが合宿から帰ってきてから、レイの機嫌はずっと悪いままだ。

 朝も起こしてくれないし、コーヒーも淹れてくれない……。お風呂は一緒に入るけど、頭しか洗ってくれないし、まともに口も聞いてくれない……。


「レイがいてくれないとボクは生きていけないなあ。髪の毛ボサボサで困ったなあ。結わいてくれないかなあ」


「つ~ん」


 ダメだ……。

 

「がぅぅ?」


 花子が一生懸命ボクの髪を梳かそうとして、爪の櫛で撫でつけてくれる。

 気を遣ってくれてありがとね。でもこんなん雰囲気じゃ、花子も楽しくないよね……。新しい環境に慣れなきゃいけない時なのに、ボクたちに気を遣ってばかりでごめんね……。


「合宿中のかえでくんはとても楽しそうでした。わたしがいないほうが楽しそうでした。まきさんと一生添い遂げたらいいんじゃないでしょうか」


 言葉にめちゃくちゃ棘がある……。


「それはマキが勝手に言っているだけだから……」


「≪REJU_b≫を飲んで、はるさんとデートでもしてきたらどうですか」


「そ、それは……」


 たしかにそういう約束はしたけど……。でもそれとこれとは話が別で……。

 レイが大事なのと、ハルルが大事なのはぜんぜん別のことだから。って言ってもわかってもらえないんだろうね。ボクの中でそれは比べるものじゃないんだよ。


「よし、じゃあわかった。薬飲むよ」


 ピルケースからカプセルを1つ取り出し、水とともに嚥下する。

 ボクにできることはこれくらいだ。


「かえでくん……」


 レイの声掛けをあえて無視。パジャマを脱いで下着姿になってからリビングのソファに横になる。


「がぅ……」


 大丈夫だよ、花子。

 でもちょっとの間だけ頭から降りて、そこでおとなしく待っていてね。



* * *


「がぅがぅ! がぅがぅ!」


 耳元で花子の鳴く声がする。


「ああ、花子、おはよう。もう大丈夫だよ……」


 手足は動くし、問題ない。

 今日は朝から10歳の姿になってみたよ。花子はボクのこの姿を見るのは初めてだっけ? 大丈夫だよー、ちょっと縮んだだけでボクだよー。


 かわいいクマのプリントがされたTシャツにシンプルなキュロット。寝ている間にレイが着替えさせてくれたみたい。


「着替え、ありがとね」


「……どういたしまして」


 まだ機嫌が悪い……こともなさそう?

 そっぽを向くレイの顔が赤い。ちょっと照れているだけかな。


「今日はオフだし、デートしよう」


「がぅ!」


 レイよりも先に花子が元気に答える。


「ね、レーイ?」


「……わかりました。かえでくんのことを抱っこしてお出かけしてもいいですか?」


「もちろんいいけど。あ、でも花子は……」


 花子を置いていくわけにはいかないよね。どうしよう……。


「大丈夫です。はなこさんには抱っこ紐を使います」


「2人とも抱っこを⁉ さすがに重くない⁉」


 ボク1人だけでも30㎏以上はあるんだよ?


「きたえていますから大丈夫です」


 力強いお言葉だ。

 ボクは自分で歩けるから、疲れたらすぐに言ってね?



 さっそくお出かけの準備に取り掛かる。

 といっても、ボクと花子はソファに座っておとなしく待つことしかできないけど。外は暑いかなー? どこ行こうかな。公園? 花子が一緒だから、レストランとかは入りづらいよね。お弁当用意していく?


「はなこさん、こちらの首輪をつけてください。これがあれば街中でも安全です」


 そう言って、レイはちょっと細めの赤い革製の首輪を花子につけていく。


「さくらさんに用意していただきました。『誰でもチワワ~子グマ用~』です」


 わかりやすい……。誰でもって言いながら、子グマ用……?

 花子は首回りが気になるのか、爪でカリカリと首輪を弾いている。


「えーと、ネーミングから察するに、周りの人から花子がチワワに見える、みたいな認識で良いのかな?」


「そうらしいです。すでにはなこさんのことをクマだと認識しているわたしたちには効果がないそうです」


 なるほど。

 それだとホントにチワワに見えているかわからないな……。外へ出て大混乱になるよりは、ちょっとその辺を歩いている会社の人で反応を見てみようかな。


「がぅ!」


 鳴き声も「ワン」になるのかな?

 まあ、サクにゃんの発明品なら大丈夫だと思うけど。



* * *


「なんてこった……。えらい目にあった……」


 会社の人で反応を見ようとしたのが間違いだったのかもしれない。

「本社ビルにチワワがいる」ということで、みんな撫でたくて、ちょっとした人だかりができてしまったのだ。この会社の人たち、犬大好きすぎるでしょ……。


「花子、人いっぱいだったけど、大丈夫だった?」


「がぅ!」


 花子が元気に手を上げる。

 ちやほやされてうれしかったらしい。タフな子だよ。


「はなこさんは八方美人ですね。誰に似たのでしょうか」


 いやいや、ボクを睨まないでくださいよ……。

 ボクが産んだわけではないので……。


「つーん」


 あ、また機嫌が悪く。


「ねえー。レイお姉ちゃん大好き♡」


 首にからみついてギュー♡


「……かえでくん♡」


 ふっ、チョロい。


「つーん」


 あ、ウソですウソです。ホント好きー。

 ねえねえ、レイさん。早くビルを出ないと、薬の効果の2時間経ってしまいますよ?


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