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ボク、女の子になって過去にタイムリープしたみたいです。最推しアイドルのマネージャーになったので、彼女が売れるために何でもします!  作者: 奇蹟あい
第十章 定期公演 ~ Monthly Party 2024 ~ #7編

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第12話 今日の朝食ビュッフェは北海道フェアだ!

 麻里さんと2人、温泉施設に到着。

 すると女湯の前には『清掃中』の看板が置かれていた。


「あれ? お風呂はこの時間、清掃中かあ。まあ早朝ですもんね」


「そんなわけがない……。24時間年中無休で稼働しているはずなんだが……」


 麻里さんが首をひねる。

 まあ、オートメーションで管理していたら、そういうこともあるのかも? 残念だけど、今はガマンしましょう。


「念のためコントロールルームを確認してくるか」


 渋い顔をしたまま、麻里さんが行ってしまった。


 え、ここで待っていろってこと?

 さすがになー。一度部屋に帰ろうかな。花子が起きていたら困るし。まあ、レッスンの時に謝ればいいよね!


 というわけで、急いで部屋へGO!



「ただいま……」


 静かに部屋の扉を開けて中に入ってみる。

 花子、起きちゃってるかな?

 あー、まだ寝てた。お腹丸出しでのん気なやつだなあ。心配して損したわー。


 んー、麻里さんから連絡もないし、レッスン用のジャージに着替えて、食堂に行って朝ご飯でも食べようかな。


 顔洗って、歯を磨いて、髪を整えて……ボクだってちゃんと1人で準備できるのさ。これなら1人暮らしもできるかも。でもやっぱりレイがいてくれたらなあ。髪の毛の編み込みとかできるのに、ボク1人だと無理だなあ。ま、それも今日までか。夜には寮に戻るし!


 ってー、花子、ぜんぜん起きないし……。

 でも連れていかないと起きた時泣くしなあ。抱っこ紐して連れていくか……。よいっしょ……ちっちゃいのにけっこう重たい……。起きて頭にしがみついている時はそうでもないのに、寝ているとずっしりくるなあ。まあ仕方ない……。



* * *


「ハルル、おはようー」


 食堂に着くと、すでにハルルは席に着いていた。

 

「カエデちゃん、おはよう。花子はまだ寝てるの? かわいい」


 ハルルが抱っこ紐の中を覗いてくすりと笑う。


「何しても起きなくて困ってるよ。今日の朝食は何にしたの?」


 ハルルのプレートを見る。

 パン、サラダ、オムレツ、ソーセージ……それとみそ汁? あと納豆?


「コンセプト何よ?」


「……健康食?」


 しばらく考え込んでから、首を傾げる。


「健康? それだとソーセージは違くない? 加工肉だから医者は食べないとか聞いたことあるよ」


「カエデちゃん細かいこと気にしすぎ! おいしいからいいじゃない!」


「いや、ボクもソーセージ好きだから良いですけど……」


 理不尽だなあ。ハルルが健康食って言ったんだよ?

 しかし、ご飯なしで納豆どうやって食べるのかな……。


「んじゃ、ボクもビュッフェとってこよう」


 何にしようかなあ。

 ここのビュッフェは何でもそろっているからすごいよ。今日泊まっている4人じゃ食べきれないくらいある。

 パンは焼きたて、野菜も新鮮だし、いったいどこから仕入れているんだろう。


 んー、今日は和食の気分かな。

 白米となめこのみそ汁ははずせないでしょー。うぉ! いくらかけ放題だ! ご飯が見えなくなるまでかけてやろ! うわーマジおいしそう♪ サーモンのお刺身もある! ザンギがある! そうか、北海道フェアだ! えー、握り寿司もある! でもサーモン・いくら丼作っちゃったしなあ。あ、じゃあこの肉寿司だけ……。あとはだし巻き卵とほうれん草のバター炒めを。こんなものかな……。


 コップに牛乳を注ぎ、ハルルの前の席にプレートを置いて座る。


「いっただきまーす」


 まずはどんぶりから!

 大玉のいくらがプチプチと口の中ではじける……。ああ、至福過ぎる……。サーモンも一緒に……しあわせ過ぎて死ぬ……。


「カエデちゃん、おいしそうに食べるわね……」


 ハルルがものほしそうな目でボクのどんぶりを見ていた。


「サーモン・いくら丼、めちゃんこおいしいよ。北海道フェアやってるみたいだし!」


「私も食べようかな~。でもこれにご飯追加したら、さすがに食べすぎかな~。ほんのちょっとだけが良いよね~」


 ハルルが呟きながらチラチラとこちらを見てくる。


「ハルルは痩せてるし、もっと食べても良いと思うよ! せっかくビュッフェなんだからいっぱい食べようよ!」


「……うん。そうね」


 ハルルが若干テンション低めな様子で席を立つ。


「ちょっとだけ……1口分だけ取ってくるね……」


「……いってらっしゃい?」


 なんだろう。

 なんでそんなにテンション低いのかな。これ、めっちゃおいしいのに。


「カエデ~。おは~」


「あ、マキ。遅かったね。おはようー」


 髪がボサボサのめがねっこが、アクビしながらお腹をポリポリ。

 完全オフのマキさんですなあ。ここまでオフなマキは、なかなか見られないね。


「寝坊?」


「昨日遅くまで次のドラマの台本チェックをね」


「売れっ子女優は大変だ。忙しいのにボクたちの合宿に付き合ってくれてありがとね」


「わたしも声優は初挑戦だし、麻里ちゃんのレッスンは、普通、外部の人間がいくらお金払っても受けられるものじゃないからね! むしろ感謝してるって!」


 そういうものかあ。

 ただの科学者というか、医学者というか、研究畑の人だと思っていたのに、ホントよくわからない人だなあ。事務所の運営にもがっつり関わっているみたいだし、今度は演技指導もやっていたって言われても……。

 あとはもう「総理大臣です」くらいのことを言われないと驚かないぞ!


「マキ、朝食は?」


「ん、今届く~」


 届く? ビュッフェだから自分で持ってこないと。


「うわ、なんか来た!」


 自走式のロボットがお盆を運んできた!


「ありがと♡」


 マキがロボットからお盆を受け取る。するとロボットはそのままどっかに走り去ってしまった。


「特別注文か何か? そんなのあったんだ?」


 マキの持つお盆に乗っていたのは、プロテインドリンクとプレーンヨーグルトだった。


「そ、朝はこれって決めてるの~」


 プロテインの入った容器を軽くシェイクしてから一気に飲み干していく。

 なるほどなあ。こうやってマキのプロポーションは作られているのかあ。


「ボクは……誘惑に負けてサーモン・いくら丼を……。こうやって差がついていくんだね……」


「カエデちゃ~ん。あっちに明太子もあったよ~! 見て見て~、魚卵スペシャル♡」


 はち切れんばかりの笑顔をしたハルルが戻ってくる。

 1口って言ってたのに、がっつりどんぶりを作ってきていた。

 ハルルはずっとそのままでいてね。その隙みたいなものがアイドルとしての魅力につながるんだってボクは信じてるからね! マキみたいに遊びのない人間になってはダメだよ……。


「がぅ!」


 お、花子おそよう。

 やっと起きたか。

 朝食用意してあげないとね。


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