憧れはラッキースケベの主人公
「やったぁー!猫さんだぁ!パパありがとう!カバンにつけるね!」
帰宅するとすでに棗が彩愛を迎えに行っていたらしく家には彩愛と棗がいた。
早速お土産を彩愛に渡すと喜び早速保育園カバンにキーホルダーを装着する。
「こいつはコップ置きかい?ありがとさん」
「なつばばのは蛇さんだね!」
「コップ置きって……今時はコースターって言うんだよ」
棗は「意味は一緒だよ。どっちでも良いだろ」と言いながらも気に入った様子で早速飲んでいた湯飲みをコースターに置く。
「銀狐は今日から仕事だっけ?」
「そうだよ。初出勤だから朝から気合いが入っていたよ。あの店は中休憩がないからそろそろ帰ってくるんじゃないかい?」
「そっか、まだ5時だしな。時間もあるし智之にお土産を届けてくるよ」
康成はそういうと家を出て煙草に火をつけ智之宅へ向かう。
智之の家は康成の家から歩いて5分程の場所にあり、煙草を一本吸い終わるとちょうど着く距離だ。
田舎にはなかなか馴染めていない洋風の智之宅に到着すると、家の前に備え付けられている灰皿で煙草を消す。
子供が産まれ、康成も智之も一時期は禁煙に挑戦したチャレンジャーだったがなかなか止める事ができず家族の許可をもらいなんとか庭や玄関に喫煙所を設置することができた。
「まったく……世知辛い世の中になったもんだぜ……さて、車もあるし智之はいるよな?」
車と家の電気がついていることを確認しインターホンを押す。
少しするとバタバタと足音が聞こえ玄関ドアが開く。
「あっ康成だ!」
「康成だね!パパー!康成だよー!」
「咲希、真希、康成さんか、康成おじさんと呼べと言ったろう?」
「パパー!彩愛ちゃんのパパの康成が来たよー?」
コイツら……
智之と真由美さんには双子の娘がいる。
咲希
真希
彩愛と同じ年で別の保育園に通う女の子達だ。
智之が保育園に働いていることもあり、二人はそちらの保育園に通っている。
しかし俺と智之の関係もあり、家族同然の付き合いになっている。
彩ちゃんとも姉妹みたいな関係だ。
二人は「パパー?」と呼ぶがなかなか智之は出てこない。代わりにリビングから真由美さんが出てきた。
「康成さん、すみません。智之さんにご要でしたか?今お手洗いに籠ってまして、少し待っててもらって良いですか?」
「あー、智之にも用事はあるんですけどね。今日は真由美さんにも用事がありまして」
「私にもですか?玄関で話すのも何ですからリビングへどうぞ」
リビングへ通されソファーに座ると双子は遠慮なく康成の両膝に乗ってくる。
「こらっ、康成さんに迷惑でしょ?」
「ここが良い!」
「パパより良い!」
何か優越感……
「すみません、それで私に話って?」
「実は3日後の昼以降だと思いますけど、服四人分を3日分用意してもらいたくて……もちろんお金も払いますから」
柳澤真由美
智之嫁
有名服飾関係の会社を経営されている社長の娘さんだ。
真由美さんも当然そこの会社で働いており将来的には継ぐことになるだろう。
みんなの服を選ぶのはこの人以外選択肢が思い付かない。
「それは構いませんが……どんな方々ですか?」
多分甚平さんもこっちに来たら少し縮むだろうし……
「えーと、男性が一人で身長は190位でガッチリ系です。レスラーみたいな?」
「なるほど猪木未満、武藤以上ね」
「えっ?」
「なんでもないわ。他三人は女性かしら?」
「そうですね。一人は170位で、あと二人は……多分160はないと思います」
「わかったわ。それじゃあ対応できるように予備も持っていくとして、どこまで必要かしら?下着も?」
「下着もですかね」
「普通で良い?」
「……………………………普通で……」
「康成さん……えらく溜めたわね……」
「サイズは……すみませんが、わからないです。荷物多くなりそうですね。すみません」
「そこは大丈夫よ。荷物係はいるから」
真由美はそういうとトイレをチラ見する。
「そうっすね。荷物持ちはいますもんね」
「「パパ荷物もちー」」
……………
トイレ
「むっちゃ腹痛い……それに変な汗をかいてきたぞ?何か嫌な予感がするな……」
……………
「それじゃあこれを智之に渡してください。あと約束通り連れてくるから家族で飯を食いに来いよって伝えてください。言えばわかるはずですから」
康成は真由美へお土産のシャツを渡す。
「???わかったわ。それじゃあ3日後ね?家族でお邪魔しますね」
「彩ちゃんとあそぶー」
「あそぶー」
「咲希、真希じゃあな、智之によろしくな?」
「「康成ばいばーい!」」
双子と真由美に見送られ康成は柳澤家を後にする。
智之はまだトイレだ。
……………
家に帰ると家の前には康成の旧愛車フルバーニアンが停まっていた。
「おっ銀狐帰って来たな」
康成は「ただいまー」とリビングへ入るが銀狐の姿はない。
「あれ?チャリあったし銀狐帰って来たよな?」
「稲荷さんならさっき帰ってきて彩愛と風呂だよ。1日働いて汗かいたみたいだからね。ついでに彩音も頼んだよ」
「えぇー、俺も一緒に入りたかったなぁ」
もちろん娘と
いや……できれば三人で
「何考えてるか顔でわかるよ。馬鹿エロ息子」
「違うし!?彩ちゃんと入りたかっただけだし!?」
「あんたは昔から嘘をつくと鼻穴がヒクヒクするんだよ」
「まじで!?」
「嘘だよ」
このクソババァ……
「ふんっ!トイレ行ってウンコしてビール飲むし!」
「良い年した大人がウンコとか言うんじゃないよ!」
康成はリビングを抜けトイレへ向かう。
トイレの隣の脱衣場からはちょうどあがったのか二人の声が聞こえる。
「二人共、ちょうどあがったみたいだな。俺もちゃちゃっとトイレ済ませるか」
康成がトイレに入りズボンを下ろし便座に座ると「ほれっこれでおっけーじゃ!先に棗殿の所へ行くがよい」と銀狐の声が聞こえた。
「うん!銀ちゃんありがとう!」
ガラガラ!
「これ!彩愛よ待つのじゃ!我はまだ服を着ておらん!戸を開けっ放しにするでない!」
トテトテと彩愛が戻り「銀ちゃんごめんね」と戸を閉める音だけが聞こえた。
またタイミングを間違えた……
神は俺を見捨てたのか……
「くしゅん!お?誰か我の噂をしておるな?信者かの?」
お前だけどお前じゃない………
悔しい……




