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青春の死亡。  作者: 三島瑞
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第九話:情け無さ

3人で軽音学部の部室にノックする。


トントンっと葛城がドアをたたくと女性の声で「ハーイ」っと返事が聞こえた。


「怒田さん!?ちょっと、まずいですよ!」


俺が淫夢ネタを入れながら小声言うと怒田は親指を立てて歯を光らせる。

元ネタには気づいてないけど秘策があるのだろう。

流石だぜ!俺の出来ないことを平然とやってのけるッそこにシビれる あこがれるゥ!


葛城は平然と見学に来ましたと言って入っていった。

俺は怒田をまじまじ見つめていると怒田は急に俺のホッペにキスをした。


ズキュウウウンって俺がやられてんじゃねえか!?

これは泥水で洗えばいいのか?そういう流れなのか?


俺は茫然と立ち尽くしていると怒田は俺の手を引っ張り部室へと入って行った。

怒田はうまい具合に自己紹介に俺の情報を載せて俺は頭を下げるだけで済んだ。

そしてさっきの衝撃的出来事にあっけを取られていて女性への恐怖心はどこかへ行ってしまっていた。


怒田、なんて恐ろしい子!


俺は下らない事を考えていると部長の先輩が俺に喋りかける。


「アコギ弾けるんだぁ!是非きかせてよ。」


どうやら俺が唖然としている間に先輩の自己紹介などが終わって雑談タイムになっていたらしい。

俺は名前すら知らない先輩のリクエストに答えることにした。

入部するかわからないけどここで断ったら空気が悪くなるしな・・。


「いいですけど聞かすほどの物じゃないですよ。」


部長は大丈夫、大丈夫と言いながら古びたアコギを手渡した。

俺は一弦一弦音を確認し調節し終わると最初のコード弾く。


俺は渋い感じの曲をチョイスし低めに声をだす。

喉を震わせ感情を歌に込めた。

歌い終わるとギャラリーの数が異常な量になっていた。

半分は怒田目的できた女子だろう。


俺がギターから手を離すと大量の拍手を浴びる。


正直に言おう。

めっちゃ気持ちよかった。

だが、ここからが地獄だった。


大勢の生徒からLINE交換やこの後カラオケ行こうだの誘いを受けたのだ。


女子からもなかなかの支持も獲たのだろうが嬉しさよりも恐怖心が俺を揺さぶる。


そのあと部員からの超絶しつこい入部への誘いを受けたり男子生徒に絡まれたり女子生徒に声を掛けられたりした。


ヤバイです、もう無理です。

意識がもうろうとしてきた。

意識が遠くなっていく中で俺の異変に気付き葛城が手を伸ばしているが人混みで届かない。


もう失神寸前の俺を助けたのは怒田だった。


俺を人ゴミから救いだし学校の外へと運んでくれたのだ。

俺は船酔いのような気分だったが、ある程度離れて落ち着いてきた。


「ありがとうな。」


俺がお礼を言うと怒田は首を振って何でもないというように笑ってくれた。

俺は一瞬涙腺が緩んだ。


一滴涙がこぼれる。

なさけない、そんな言葉が頭をよぎったのだ。


俺はッギュっと拳を握ると、怒田は涙を指先ですくい取りながら言った。


「座って休もうか。」


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