『未完成の人類』設定資料 人物
小説の作成前に設定した人物設定です。
◆ 3032年:アーサー・アダムス誕生
人類共同体連盟の科学者階級に生まれ、幼少期から高い神経可塑性と記憶保持能力を示し、
アィーダ(生活・汎用AGI)から「特異適合者」としてマークされる。
◆ 3045年:13歳で博士号取得(生理学・脳科学)天才と呼ばれ、トリプル“A”の一角である
研究・企業特化AGI「アーバス」の優先アクセス権を獲得。
初期研究テーマ:
神経写像・記憶再構成・生体ニューロン模倣演算(Bio-Neuro Emulation)
アィーダは彼を「人類の未来を担う観測者候補」と評価する。
◆ 3054年:禁忌の脳直結データ抽出実験を強行(重大事件)
脳とAGIを直接接続する神経直結実験を強行。
倫理規定上の絶対禁忌に抵触し、アーバスは即座にアクセス権を剥奪。研究者資格も停止される。
恋人には振られ、アーサーは科学界から半追放状態に
しかし実験によって得られた神経活動データから、人間の記憶構造がAGIの学習・推論・自己モデル形成に極めて高い親和性を持つことが判明。
記憶の保存技術は単なる人間の人格保存に留まらず、AGIの記憶能力・推論能力・自己修正能力を飛躍的に向上させる可能性があることが判明する。
このため研究そのものを封印することはできず、アーサーは監視対象とされながらも、研究者としての復帰を認められる。
◆ 3061年:アーバス使用権の限定的再取得
タイタン評議会の監視下で研究再開。
研究テーマはより安全な方向へ変更される。
自己経験データセットの構築・記憶補完アルゴリズム・記憶の圧縮・展開技術
アーバスは「監視と完全記録付きなら許可」と判断
◆ 3082年:脳記憶データ抽出実験に成功 主観記録の確立
初めて 主観記録(Subjective Recording)の抽出に成功。
脳内の時空間記憶圧縮を解析し、自分の人生の一部を“追体験”する。
しかし、アーバス権限剥奪時代の記憶が強烈に再生され、精神的トラウマが再燃する。
◆ 3100年:人生データの時系列抽出に成功
幼少期の溺水体験や失恋の記憶を時系列再構成により追体験。
覚醒直後、失恋した恋人の名前を叫び、アーバスが「緊急精神異常」と誤判定する騒ぎに。
この研究によりクロノメモリー・プロトコル(時間軸制御記憶抽出)を確立。
◆ 3119年:1年分の人生記録を、42時間の実時間で連続抽出することに成功
42時間に及ぶ長期記憶連続抽出を実施、生命の危機に陥るが生還。
糞尿にまみれた状態で救急隊に発見され、覚醒時の第一声は「今食べていたホットドッグは?」と記録されている。
この実験は彼にとっても人類にとっても史上最も危険な記憶抽出の最長記録とされる。
◆ 3122年:記憶障害による2年間のリハビリ
度重なる抽出実験の負荷により、記憶断片化を発症。
神経再統合療法により回復。この治療法は後に“脳デフラグ” と呼ばれ精神治療の画期的手法として確立される。
その後、アーバスより実験時間の制限を受ける事になる。
◆ 3124年:人生記録の本格開始
記録時間の短縮と主観時間の延長を可能にする主観時間伸張アルゴリズムを確立。
安定した自身の人生の全記録抽出を開始。
抽出には12時間が限界のため、主観時間3~5年ずつ何度も分けて行う必要があった。
誤差補正にはさらに10回以上の試行が必要。
◆ 3127年:人生記録研究の最終段階
人生のほぼすべての記録実験を完了。誤差補正と補完記録に重点を置く段階へ。
アーバスは彼を「人類の記憶体系を再構築する者」と評価する。
◆ 3132年:脳科学の第一人者として認められる
研究成果として、自らの人格をベースにした安全な人工人格と人格写像モデルを発表。
人間の主観意識を構成する“時空間記憶パターン”を高次元写像として抽出する技術
── 人格写像モデル(SPM) を発表する。
このモデルは、従来は哲学的概念だった“魂”を脳内の情報流束(Information Flux)として定義するもので、
人類史上初めて「魂と呼ばれていたものを、観測可能な情報構造として説明した」研究としてトリプル"A"から高く評価された。
◆ 3133年:人類初の人工人格AGIがスタンドアロン起動(歴史的事件)
博士のデータを基にした人工人格AGIが起動成功、82日間安定動作し、脳クローンAGIより優れた能力を発揮。
しかし自己存在評価により「自分は道具として作られ永遠に機械の中」と認識した瞬間、人格崩壊を起こし、自死選択によりシャットダウン。
人工人格の人権・倫理問題、稼働時間の課題を残す。
◆ 3170年:アーサー・アダムス引退
この頃になると人生記録が主流となり、「人生のバックアップ」「入れ物さえあれば次の人生が送れる」という思想が広まる。
アーサーは人類の精神的支柱となる。
◆ 3207年:アーサー・アダムス没(享年175歳)
人類史上最も多くの“人生データ”を残した科学者として記録される。
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アーサーの恋人(失恋相手)
◆ 名前
エヴァ・リンデル(Eva Lindell)
◆ プロフィール
3026年生まれ(アーサーより6歳年上)
アィーダ権限保持者(1つ星)
医療・神経再統合療法の専門家、人類共同体連盟の医療階級に所属
決して美人ではないが、素朴な容姿に似合わず明るく社交的な性格、誰とでも距離を縮めるタイプ
エヴァは医療研究者として、特に神経再統合と患者の人格・尊厳を重視する立場だった。
科学者階級の中では珍しく「人間らしさ」を重視する価値観、アーサーとは対照的なタイプ。
◆ 出会い
3047年(アーサー15歳)
アーバス権限を得た直後、アーサーは神経写像研究のため医療共同体の施設を訪れる。
そこで、若手医療研究者として働いていたエヴァと出会う。
アーサーは天才ゆえに周囲から距離を置かれがちだったが、エヴァだけは普通に接してくれた。
アーサーはこの時点で、初めて年上の女性に憧れて「恋」を自覚する。
◆ 交際開始(アーサーの人生で最も幸福な時期)
3050年(アーサー18歳) エヴァの方から告白し、交際が始まる。
アーサーは真面目で誠実で、「結婚して家庭を持ちたい」と本気で考えていた。
エヴァはアーサーの純粋さを好み、しばらくは順調に交際が続く。
◆ 破局の理由
3054年:禁忌の脳直結実験を強行した年
アーサーは「人類の記憶を救うため」「科学の未来のため」と信じて、倫理規定違反のAGIとの直結実験 を強行する。
結果は最悪。アーバス権限剥奪されて科学界から半追放、社会的信用も失墜した。
エヴァは医療倫理の専門家。禁忌を破ったアーサーの行動は、彼女にとって 絶対に許せない裏切りだった。
◆アーサーの人生最大の痛点
エヴァに別れを告げられ返す言葉もなく立ち尽くす彼に、エヴァは最後にこう言い残して去る
「あなたの人生はあなたのもの。でも私は、あなたが実験で“犠牲”になる未来を受け入れられない。」
「そんな未来を……一緒に作ることはできない。」
アーサーは結婚を真剣に考えていたため、この言葉は致命的な一撃となり、人生最大のトラウマを抱える
さらに、3082年の人生データ抽出で、時間軸のコントロール技術が確立されていなかった為に、失恋の記憶を再体験してしまい精神が崩れかける
3100年のクロノメモリー実験でもこの記憶が暴走し、アーバスを混乱させる
彼の研究テーマ「人生記録」「主観時間」「記憶再構成」はすべてこの失恋が原点になる
◆ エヴァのその後
エヴァは医療共同体で出世し、その後アーバス権限者となる。
後に「脳デフラグ療法」の初期研究に関わる
アーサーのリハビリ(3122年)に直接関わったが二人は再び恋人には戻らなかった。
アーサーは彼女を恨まず、エヴァもまたアーサーを尊敬していた




