第三話「神者」
雨の中のAくんです。
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私たちは牢屋に放り込まれた。
幸い、鎖で縛り付けられているわけではないので体の自由が利くのはよかったと言ったところか。
門番は私達を放り込んだ後、すぐに去っていってしまった。
「なんなんだあいつ!!約束と全然違うじゃないか!」
リアンはプンスカと怒っている。
怒っている間に私は考え込んだ。
私が剣でコベルドに斬りかかろうとした時なんで…
「…おおい!聞いてるのか!!」
「…なんで私が斬りかかろうとした時に、なんで剣を抜こうとしてたのに、結局剣を抜かなかったんだろうって思って。」
「う〜ん…脅しとかじゃないか?剣に手をあてて、『僕は剣使えるよ〜』アピールして怯ませようとしてたとか?」
「でも、あの構え方とか、反応速度は素人のものじゃないと思う。…多分」
「多分かよ!きっとカッコつけてるだけだ、きっと!」
やはりリアンの言う通り気のせいなのだろうか。
でもその前にここを抜け出す術を見つけ出さねば。
そして檻の中をを調べていると
「あんたたち、捕まったの?可哀想に」
檻の外の暗闇から女の子の声が聞こえてきた。
暗闇から姿を見せたのは、女の子以外にもあと二人いた。
メガネをかけた男の子と、気弱そうな男の子だ。
女の子はサイドテールで気が強そうだ。
「侵入者と聞いたが…まさかこんな身なりのやつ
だなんて驚きですね。」
「だ、大丈夫…?痛いこととかされてない…?」
そう言ったのはメガネをかけた男の子と気弱そうな男の子。
3人全員が首から勾玉のようなものをぶら下げている。
「お前達は誰なんだ…?まさか、俺達を嘲笑いに来たのか!?」
「んなわけないでしょ。私たちは『神者』。名前はユミル。で、こっちのメガネがスローズで、気弱そうなのがライル。あんた達の脱出の手助けに来たの。よろしく。」
「神者」この世界のほとんどの王が持つとされる、側近のようなもの。
王自身が持つ不思議な力を少し分け与え、神者も少しだけ不思議な力を使えるようになる代わりに、忠誠を誓うのだ。
「…いいの?あなた達はコベルドに忠誠を誓ってるんでしょ?」
「今は忠誠も何もあったものではないですよ。今、コベルドは国民を奴隷として扱っているのですから。」
「き、君たちが来てくれてよかったよ。そのおかげで、作戦の成功率が、少し、上がったから。」
「作戦?作戦って何の作戦なんだ?」
「そんなの決まってるじゃない。」
ユミルは少し間をおき、芯のある声でいいきった。
「暴君コベルドから国民全員を救い出すのよ。その過程であんたたちも救ってあげるわ。」
驚いてしまった。
見た目の年齢は私よりも年下に見えるが、国のためにそこまで動くとは。
「作戦を説明してあげたいところだけど、もう行かなくちゃいけないわね。ライル、残って説明できる?コベルドには適当に言い訳しておくから。」
「わ、わかった。任せて!」
そしてユミルとスローズは去っていった。
「えっと、さっきユミルが言ってくれてたと思うけど、僕の名前はライル。き、君たちの名前は?」
「俺はリアン!で、こっちはルナだ!」
「リアンに、ルナね。よ、よろしく!」
私たちは鉄格子越しに握手をする。
「さ、早速作戦の説明をするね。まず君たちには、数日は奴隷として働いてもらう。コベルドから多少の信頼を得るためにね。心配は…しなくてもいいよ。衣食住は保証されてるから。」
「ええ〜!?働くのか?」
「分かった。その次は?」
「数日後に集会ってのがあるんだ。全国民が集まるんだけど、その時に、コベルドを抑え込む。抑え込んでるうちに、国民を逃がす…簡単に言えばこんな感じかな。」
「う〜ん…なるほど?」
だがこの作戦だけではまだ穴がありそうだ。
「でも逃げないっていう人もいるんじゃない?」
「それは大丈夫…。何日もかけて全国民に話を通してあるから。ロジリアンは面積もとても狭いから、なんとかなったよ。」
「コベルドの周りにいる護衛人はどうするんだ?」
「言ったでしょ…?全国民に話は通してあるって。もちろん、護衛人にも通してあるよ。」
「えええ!?本当かよ!お前ら一体何歳なんだ!?」
「僕たちは…全員16歳だよ」
やはり私よりも年下だったか。
この年齢でこんな規模のことをやろうとしているとは。
それほど、この子たちも限界だったのだろうか。
「で、作戦に君たちも協力してほしいんだ。えっと…リアンはスローズと国民の避難誘導の手伝いをお願いするよ。ルナは…ユミルと一緒にコベルドを抑える手伝いをしてほしい。コベルドは自分が神能者だとか言ってるけど、本当は普通の王だから抑えるのは簡単だと思うよ。」
「わ、わかった。責任重大だな…!」
「うん…一緒にがんばろうね…!」
ライルはニコッと笑ったあと、手をふり、去っていった。
少しして、リアンが話しかけてくる。
「なあ、さっき言ってた作戦、成功すると思うか?俺、いきなり巻き込まれて少し…どころじゃないけど心配なんだ。それにお前、コベルドを取り押さえるんだろ?余計心配になるぞ!」
「あの子たちは時間をかけて準備していたみたいだし、きっと大丈夫だよ。リアンも人に押しつぶされないように気をつけてね。」
「俺の身長が低いって言いたいのか!?ま、お前に何かあっても俺が守ってやる!できる範囲で。」
「わーアリガトーゴザイマスー」
「も、もうちょっと感謝してくれてもいいんだぞ!?」
そんな会話をしながら私たちは夜を迎え、静かに寝た。
翌日、私たちは奴隷として働いた。
きつい。
想像していたよりはきつくはないが。
仕事量が多いわけではなく、内容を達成するのが大変という感じだ。
衣類はちゃんと洗ってるようで洗剤のいい匂いがするし、朝昼晩全部にバランスの取れた食事がある。
私達はまだ牢屋で寝たりしているが、敷布団もあるし、他の国民たちも寮みたいな感じで他の人と過ごしているという。
正直に言うと思ったより環境がいい。
奴隷と言うからもっと劣悪な環境だと思っていたのだが。
国民達の扱いを決めているのは、紛れもないコベルドだ。
あんな暴君が国民のためにこんなことを?
そんなことを考えながら、数日が経った。
遂に作戦決行の日だ。
集会開始5分前の鐘が重々しくなる。
私たちは牢屋から出され、集会場所の広場まで向かう。
この広場は数日前に私とコベルドが戦った場所だ。
作戦開始の合図はスローズが動き出したとき。
恐らく聞くのは最初で最後になるであろうコベルドの演説が始まった。
できれば神つか、見続けてくださると嬉しいです。
あと、新作も一応あるので気になったら見てください。
SFってやつを書いてみました。




