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第二話「見栄っ張りの暴君」

雨の中のAくんです。ついに推しが来るので舞い上がっています。

暗くなるのが早くなりましたね。

週2投稿にするか、不定期で気分乗ったときに投稿するかで迷ってます。

森から出て一日経った後、ようやく国らしきものが見えてきた。

なんでひと目見ただけで国と分かったのか。

それは…

「なんか古い城、というか、要塞みたいな見た目してるな…。しかも国境に沿ってぐるっと城壁で囲まれてるのか…!?」

「まるで誰かから攻められてるみたいだね。」


その国は周りと比べて圧倒的に異質だった。

城壁は全て石造りで作られており、物々しい雰囲気が漂う。

国全体が城となっているようだ。

普通の国なら国境を囲む必要などないはずなのだが。

入口は一つだけのようで落とし格子の前に門番が二人立っている。

門番は二人とも甲冑のようなものを着ており、手には槍を持っている。

入国するのすら難しそうだ。


「…あれ、そもそも入れるの?」

「わ、わかんないけど…とりあえず門番のやつらに話を聞いてみるか!」



私たちは門番に近づき話しかけた。


「あの〜俺達、ロジリアン国に入りたいんだけど、どうやったら入れるんだ?あ、あと王にも会いたいんだ!」


門番二人は互いに目配せをし、言った。


「王に会いたいとは、お前ら、このロジリアンに攻め込んできたものだな?」

「一度お二方の身柄を拘束させてもらう。」

「な、なななんでそうなるんだよお〜!」

「攻め込んできた判定にしては口調丁寧だな…」

「んなこと言ってる場合か〜!うわあ〜!やめろ!離せ!」


抵抗も虚しく組み伏せられてしまい、連行されていく。

一応入国するという条件は達成できた。

状況はかなりまずいが。

もし王が本当に暴君だった場合、最悪自分の命がお空の上に行くかもしれない。

それはもう王次第だ。

とりあえず周りを見渡してみよう。

今いるのは城の中庭のような場所だ。

人がわらわらとおり、各々仕事をしていた。

とても1人じゃできなさそうな仕事をしているが、奴隷か何かなのか?

だが、痩せてるわけでも、服がボロボロなわけでもない。

なんなら新品の服だ。

衣食は保証されているのだろうか。

ふとリアンの方を見ると、すっごい形相をしてこちらを睨んでいる。

いや、泣きかけている、のほうが正しいだろうか。

多分

(何ぼーっとしてるんだ!俺達捕まったんだぞ!)

とか考えているんだろうな。

そりゃそうだ。

門番に話しかけに行っただけなのにいきなり捕らえられるし。

そんなこと考えているうちに私たちは広場のような場所に投げ出された。

目の前には階段付きの高所から見下ろせる演壇があり、誰かが階段を登っている足音がした。

そこに現れたのは、


「やあ、謎の侵入者達。僕こそが!ロジリアン国の王、コベルドだ!僕の国に何か用かな?」


赤髪のウルフボブで中性的な顔立ちの青年。

全身黒色の服と、黒色のロングコートを着ているが、袖は通しておらず、肩に乗せているだけだ。

ところどころに赤色の宝石が散りばめられている。

差し色というやつなのか。

ただ一番目を引くのは、腰元にある剣の柄と、鞘。


「お、おおおおおい、お、俺達、あの剣で切られるんじゃないか…?」


リアンがぶるぶる震えながら、私の袖を引っ張ってくる。


「早く答えてくれないか?僕は忙しいんだ。」


なんだか周りに野次馬が増えている気がする。

リアンは答えられそうにないので、代わりに私が答えた。


「神能者を探す旅をしている。何か情報を知らない?」


すると、野次馬でざわついていたのが嘘のように静まり返った。


「…なるほど、君たちは神能者を探してるのか。っふはは!よかったじゃないか!僕こそが神能者なのだから。でも残念、君たちの旅はここで終わりだ。君たちはこれから僕の奴隷となるからね!」

「な、なんだって〜!絶対にそんなのい・や・だ!許さないぞ!」


リアンが暴れようとするが、すぐに先程の門番たちに抑えられる。

なんとなくこんなことになる気はしたが私も奴隷になるのは流石に嫌だ。


「くっそ〜こいつ!このやろう!離せ!離せ〜!」


その様子を見ていたコベルドが、何を思ったのか口を開いた。


「…そんなに嫌なら、僕と戦ってみてよ。それで僕に勝ったら君たちを解放してあげるし、僕の奴隷たちも解放してあげよう。君たちの旅にもついていってあげるよ。」

「ほ、ほんとか!?いやでも、嘘っぽいなあ…」

「僕のことが信じられないのかい?僕は愛する国民に一度だって嘘をついたことはない!…そうだろう?お前達。」


コベルドがぐるりと辺りを見回す。

と、国民らしき人たちは一斉に頭を下げる。


「余計信じられないな…。で、でもどうせなら、賭けてみないか?ルナ、剣練習しただろ!」

「あんな素人の剣で神能者に勝てるとでも…??」

「大丈夫!なんとかなる!きっと。」

「…。」


呆れてしまい言葉も出ないが、とりあえずやるしかない。

だが神能者だ。

しかも余裕たっぷりの笑みを浮かべている。

勝てるはずもないが、抗うしかない。

このまま一生奴隷生活なんてごめんだ。

私は剣を取った。


「…よし、戦おう。コベルド。」

「…へ、へえ。本当に戦うんだ。恐ろしさのあまり断るかと思ってたよ。ま、まあいい。僕が受けて立とう。」


そしてコベルドは壇上から降り、私たちの前に立った。

リアンには危ないから下がってもらう。


「僕に立ち向かったことを後悔させてあげよう!」


コベルドが右腕を上げる。

すると周りから弓やら剣やらが飛んでくる。

それをなんとか避け、コベルドの間合いへと入ろうと奮闘するが、それを防ぐように剣が目の前の床に突き刺さる。

中々近づけない。

無理に近づけば深手を負うだろう。

弓を弾けるときもあるが、あくまでまぐれ。

やはり、神能者には勝てるわけがない。

少しして飛んできた剣がまたもや床につきささり、思わず後ろへ下がる。

横目でリアンを見ると、キョロキョロと必死になって辺りを見回している。

そして後ろに下がった私を見て門番に押さえつけられていながらも私に声をかける。


「だ、大丈夫か!?」

「…なんとか。」


コベルドは勝ち誇ったかのように笑う。


「ははは!神能者である僕に勝てるわけないだろう!」

「じゃあ…お前の周りにいる国民、全員退けて戦ってくれ!」

「…え」

「俺はちゃんと見てたんだぞ!隣の建物の2階から剣とか弓とか投げてるやつをな!そいつらを全員退けた上で勝てたらお前の奴隷になってやる!どうだ?」

「そ…れは…」


明らかにコベルドの目が泳いでおり、たじろいでいる。


「よーしルナ。やっちゃえ!」


私は小さくうなずき、コベルドに斬りかかる。

コベルドは咄嗟に剣の柄に手をかけたが、なぜか抜かずにそのまま固まってしまう。


「…う、うわああ!」


その後コベルドは手のひらから小さな光の玉を出して攻撃しようとした。

が、とても弱々しいし、狙いも外れている。


「ほらな!やっぱりお前、神能者じゃないな!」


コベルドは、手を握りしめ、うつむいてしまった。


「よ〜し、これで俺達の勝ちだ!さっさと全員解放…」

「お前達!!!今すぐにこの不届き者を牢屋に放り込め!!!!」


私とリアンは門番の二人に押さえつけられ、連行されていく。


「や、約束と違うぞ〜!!」


その時見えたコベルドの目は、怒りでも、愉悦でもなく、哀愁の色を浮かべていた。

そんな気がした。

いつもギリギリを生きているので課題もギリギリになっていつも痛い目をみます。

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