第5話「いや、柳って呼ぶ」
朝9時ごろーーーー
プルルルッ
「んお・・・」
ガチャ
「はい・・もしもs」
『おはようございます枕井っ・・・枕井さん!巴です!』
巴妹だった
「あ、おはようございます」
『昨日は面接お疲れ様でした!それで結果の報告で電話・・・お電話しました!』
相変わらずのテンションだ、そのまますくすく育ちなさい
『結果は・・・』
ゴクリ
『採用です!おめでとうございます!』
なぜ俺は少し緊張しているのだ?採用されてもタイムマシンなんか作れる気がしないが
「ありがとうございます」
『それでですね!渡した・・・お渡ししたい資料がありますので事務所にきていただきたいのです!』
『都合の良い・・・ご都合の良いお日にちはありますか?』
「あー、本日の12時頃でしたら・・・」
『わかりました!まってます!』ガチャ
何だこいつ
持ち物なんかも聞いてないけど良いのか巴妹
まあ大体想像はつくし良いんだけど・・・
プルルル
また電話か?
ガチャ
『持ち物は筆記用具と書類が入るカバンなどお持ちください!服装は自由ですそれでは!』
ツーツーツー
「・・・」
「採用、か」
また、あの二人と同じ場所で同じ時間を過ごすことにとても胸が躍った
「今日は絶対タイムマシンのことを聞いてやろう」
ーーー
「服装自由って言ったってやっぱりスーツだよなぁ」
面接の日はアルバイトの面接だし私服で行ってしまったがみんなスーツだったし
仕事中はどんな格好なのかわからないけど一応スーツを着ていくことにした
「11時30分か」
すずまち製作所までは歩いて2分ほどの距離だった
コンビニにいこうか・・・な
ーーー
ウィン
「「いらっしゃいませ~」」
今日は二人ともレジにいた
「あ、お客さん!やっぱり来てくれたんですねぇ!」
おつかさんが結構嬉しそうな顔で言ったのが印象的だった
「そうそう、会いに来てくれたんですよね~」
やなぎ、殴らせろ
「おや、今日はスーツなんですね」
やなぎが普通の顔に戻って言った
「そうなんですよ、実は昨日までは休職中だったんですが・・・今日は新しい会社の顔合わせなんです」
「なるほど、そうでしたか・・・スーツ似合いますね!」
そういう褒め言葉をスラっと言えてしまうところが、お前の良いところでもあり嫌いなところだよやなぎ
「そうですよぉ、スーツ似合うんですよね!」
おつかさんが同意を求めるように言った
そうか、会社員時代は仕事帰りによく来ていたっけ
「あ、嬉しい、です・・・」
少し顔が赤くなった
「そういえばお客さん、今おいくつなんですか?」
唐突にやなぎが聞いてきた
「たしか、にじゅうろ・・・」
「26です」
ん?いまおつかさんなにか言った?
おれもやなぎも「?」という表情でおつかさんだけは下を向いて顔が真っ赤になっていた
「・・・」
やなぎが少し疑問を残しながら口を開いた
「そ、そうだったんですね!僕たちより2歳も先輩ですね!」
「ということは、二人とも24歳か・・・」
「先輩なんだから、ぜひタメ口でお願いします!」
急にタメ口って、リア充たちのコミュニケーションはこんなもんなのか?
おつかさんも小さく頷いている、かわいい
「そういうことなら・・・わかった!」
「そういえば、名前言ってなかったよね。俺の名前は枕井 纏」
「あ、じゃあ、自分も!柳 太陽です!」
太陽・・・見た目通りの名は体を表すとはよく言ったものだ
ご両親の希望通りのリア充に育ちましたよ~
「あ、私は・・・乙花 紅子甲乙の乙に花、紅に子です」
紅の花・・・この店は素敵な名前だ、イメージ通りのきれいな名前、すきだ!
「俺のこと太陽って呼んでくださいね!」
今感傷に浸っているんだ邪魔するな柳
「いや、柳って呼ぶ」
「なんでっすか・・・」
「っぷ・・・ふふっ」
「「「ハハハッ」」」
ーーー
「それで、顔合わせは何時なんですか」
「12時だけど・・・やばっ!」
スマホの画面を見ると11時58分だった
「ごめん何も買ってないけど行くわ!また来る!」
「「いってらっしゃい」」




