第4話「皆勤賞ですよね!」
完っっっ全に「時間移動装置」のこと聞き忘れた…
なんか今思えば色々不思議なこと多くないか?
タイムマシン製造の求人出してる会社に俺の学生時代の唯一の二人の友人が働いてるだと!?
それに面接中はそんな話一切なかったし…
いい感じにまとまったようで全然考えがまとまらない
今日も酒飲んで一旦忘れよう
———
ウィーン
またこのコンビニに来てしまった
しかも1日あけてまた昼から酒買いに来てるし
「いらっしゃいませ」
男の声だった、前を見るとやなぎ店員だ
今日はおつかさんいないのかな
少し顔が曇った
まあいいむしろまた平日に酒を買っている姿なんて見られたくないしな
俺はいつもどおりのルートで
スナック菓子コーナー→ドリンクコーナ-→チルドコーナー
の順でぐるっと回った
当然、ビールはやなぎ店員おすすめ198円のオリジナルブランド
一通りの商品をかごに入れやなぎ店員の前においた
「この間はどうも、まだ有給休暇中ですか?」
やなぎは爽やかな笑顔でこちらに話しかけてきた
「あ、どうも。そうですね、特に予定もなくこの通り昼飲みです」
これは完全に嘘だった
ブラック企業がこんなに有給を取らせてくれるわけはないので3日で消化しきっている
今日からは正真正銘のニートだ
「いいですね~」
よくねえよ
「あ、そういえばこれ、気に入っていただけました?」
ビールをかごから出してやなぎは言った
「値段の割にかなり美味しかったです」
「よかったです!友人にすすめても全然飲んでくれなくてお客さんが初めて飲んでくれたんですよ」
どんだけ好きなんだこのビール
「それは良かったです」
苦笑いしながら俺は言った
「…」
「そういえば、あの女性の方は今日はいらっしゃらないんですね」
なんとなく気兼ねなく話せそうなやなぎにおつかさんの話題を振ってしまった
「女性の…?ああ、おつかちゃんですか?」
おつか”ちゃん”!?
ちゃんだと!?
貴様ぁ!
ちゃん呼びするほど仲いいのか?まあ普通にこいつイケメンだしな…
同じバイト先で付き合うなんてよくあることだがしかし…
なんだかわからんがとりあえず殺したい…
「今日いますよ!」
「え」
「呼びましょうか?おつかちゃーん!」
やなぎはバックヤードに向かって言った
え、いやいや何してんのこいつ?っていうか居たの?っていうか呼ぶの!?
「なんですかぁやなぎさん…私休憩中なんですけど…あ、どうも!」
おつかさん、もといおつかちゃんは俺に気づいてくれた。かわいい。
「あ、ど、どうも…」
俺は少しうつむいた
「このお客さん、今日はおつかちゃんいないんですかって言ってたんだよねぇ」
こいつ、何だその察したような顔は
「そうなんですね、わたし結構いつもいますよぉ」
「あ、あそうなんですね…」
死にたい
「お客さんもほとんど毎日皆勤賞ですよね!」
「え?」
「あ、でも昨日は来てなかったですね」
覚えてくれていたのか!?おつかさん!
「そうなの?よく覚えてるねおつかちゃん」
「私結構記憶力いいんですよ!それに…」
ウィーン
「「いらっしゃいませ!」」
なにやら言いかけたタイミングで店が忙しくなってきた
それにしても、おつかさんと話せたぞ!とんでもない進歩だ!
今日のビールは絶対にうまいことが確定したので帰ろうとしたときだった
「お客さん!明日も私はいますよ!ずっといます」
おつかさんが言った
俺は、少し笑って「じゃあ明日も来ます」
と言って店を出た
ミィーンミィーンミィーン
その日、俺はこれから何かが動き出しそうな予感に胸が踊った
コンビニに行く予定ができただけだった




