第35話「そ、それが良いと思う!」
「久しぶりってお前…まだ夏休み入って4日しか経ってないぞ…」
確かに…ここ数日いろんな出来事がありすぎて時間感覚おかしくなってるんだよな…
「まあ、そんなことはどうでもいい!今日はお前に協力してもらうぞ!」
「協力って、なんの?」
「恋の!」
「恋!?お、お前恋してんのか…?」
「何いってんだよ、お前気づいてたって言ってたじゃん…氷花とデートするにはどうしたら良い!?」
「ちょ、ちょっと待て…やっぱりお前、氷花のこと好きだったんだ…じゃなくて俺そんな話してねぇよ!」
『おまえ、学生時代・・・氷花のこと好きだったんじゃないのか?』
あ、この話をしたのは未来の浩貴だった
「そそそそうだぞ!俺は…!氷花が好きだ…!」
「お前、なんで急に照れてんだよ…」
「もう、この際それもどうでもいい!とにかく、俺は夏休み中に氷花と付き合いたいんだ!協力してくれ!」
「わ、分かった…」
浩貴は大量の情報を処理しきれないといった表情をしていたが、最後の一言だけ理解したようだった
———
浩貴はキョロキョロしながら言った
「それで…まずなんでお前は明英の科学部なんかにいるんだ…?」
「この人たちも協力者だからだ!」
俺が二人を指さして言うと社長は自己紹介を始めた
「この科学部の部長をしている!ドクター鈴間だ!」
「よ、よろしくお願いします…」
そう言うと、流れ的に茉莉花の番だ、という顔でみんなが茉莉花を見た…が
「……」
何も言わない茉莉花を見て社長が口を開いた
「ハハハッ!彼女は茉莉花くんだ!」
「よろしくお願いします…」
浩貴はそう言いながら「なんでこんな変な奴らとつるんでる…?っていうか俺等以外にも友達いたんだ?」という顔で俺を見ていた
失礼なやつだ
浩貴が少し不服そうな顔をして席に座りやっと本題に入った
「それにしても、そんなに難しいことじゃないだろ…遊びに行こうって連絡すればいいじゃねえか…」
簡単そうに言う浩貴の言葉を聞いてカチンと来た
「無理なんだよ!お前みたいに陽キャじゃないし!今まで二人きりで遊んだことないのに、変に思われるかもしれないだろ!」
それを聞いた浩貴は少し考えて言った
「お前なら大丈夫じゃないか…?氷花はお前となら一緒に行くと思うけどな」
「なっ、なんでそう言い切れる…?」
不安になっていた俺は少し詰め寄って聞いた
「氷花も結構お前のこと気になってると思うぞ?」
「そ、そんなわけねえだろ!めんどくさいからって適当なこと言うな」
「適当じゃねえよ…!はぁ…まあそこまで言うなら、考えてやるよ…」
やっとやる気になってくれたか…
浩貴は覚悟を決めたのか椅子ごと俺の方を向いて説明を始めた
「まずはだな…女子に告白するってのは段階、順序が必要だ!」
「ほうほう…」
真面目な話になり俺は前のめりになった
「まずは、男友達から脱却することだ!」
「それはどうすれば良い…?」
「うーん…まあ一番てっとり早いのは危ない目に合いそうなところを救ってあげるとか!」
「おう…」
「相手の見た目何かを褒めてあげるとか!」
「お、おう…」
「手を繋いでみるとか!」
「…おう」
「それを全部できそうなプランは…」
俺はその話を聞きながら紅子ちゃんのことを思い浮かべていた…彼女には全部やっているな…
そういえば、俺は氷花が好きなはずなのに、結構紅子ちゃんに思わせぶりなことをしてしまっていたんじゃないか…
上の空になっていた俺を見て浩貴は言った
「…とかじゃないか。ん?お前真剣に聞いてんのか?」
「き、聞いてるぞ!」
「どう思った?」
「そ、それが良いと思う!」
「決まりだな!じゃあ、明後日10時に涼戸プール集合だな!遅れるなよ」
「へ?」




