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すずまち製作所  作者: 鶏皮:塩
第二章
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34/37

第34話「小1時間、スマホとにらめっこ」


「い、言いたいことが…」


「何…かな?」


もしかしてこの空気は…告白!?


「わ、私のこと…」


「???」


「私のことは…紅子って呼んでください!」


「ん…?」


考えていた方向とは違う発言で少し戸惑っていた


「その…名前で…呼んでほしいです」


「わ、わかったよ…”紅子ちゃん”」


「……」


紅子ちゃんはまたうつむいて静かになった


———


その後俺達は祭りをひとしきり楽しんで、家に帰るところだった


それにしても、名前で読んだあとの紅子ちゃん可愛かったなぁ


そんな事を考えていた時だった、紅子ちゃんが口を開いた


「あの…枕井さん…」


「どうしたの?」


「さっきみたいに…手を…」


「手?」


「手を繋いでもいいですか!?」


「!?」


俺の驚いた表情に紅子ちゃんも一気に顔を赤らめて言った


「ややややっぱりなんでもないです!」


流石に俺も気がついた、彼女が本当にゆっくりと俺との距離を縮めようとしていることを


「家の前まで、繋いでいこうか。手」


そう言ってゆっくり差し出した俺の手を紅子ちゃんは控えめに握った


俺達はあと数十メートルをゆっくり歩いた


———


「着いたね」


「はい…今日は本当にありがとうございました!」


「全然!無事で良かった!」


「……それじゃあ」


「うん!今日はゆっくり休んで!」


俺が振り返って家に帰ろうとしたところだった


「来年も!一緒に行けますか!?お祭り!」


紅子ちゃんは大きな声で言った


「うーん…どうだろう?来年はちょっと分からないな」


「そ、そうですか…」


紅子ちゃんは明らかに落ち込んだ表情に変わった


「…そ、それじゃあ、連絡先!連絡先を教えてください!」


「う、うん…いいよ!」


俺はすこし戸惑った、そして謎の罪悪感が生まれていた。でも断る理由なんてない


ピコン


「それじゃあ、また!」


紅子ちゃんは満足した表情で家に入っていった


ガチャン


「ふう…俺も帰るか」


今日は色々ありすぎたからか、一気に眠気が襲ってきた


「帰ったら、すぐに寝るか…」


———翌日の朝


「じいちゃん、また来るよ!」


「おう!マー坊!来年は彼女を連れてくるか、紅子ちゃんを彼女にするかどっちか出来てないとうちに入れんと思え!」


「何いってんだじじい…」


「「じゃあな!」」



俺は車に乗り込んで両親に言った


「来年もお祭りに合わせて連れてきてよ」


父が満面の笑みで言った


「おう!もちろんだ」


———


その日、祖父の家から鈴豊町に帰ってきた俺は、社長たちの部室に行っていた


「ぐぬぬう…送れない…」


俺は氷花の連絡先の画面を眺めて苦い顔をしていた


「彼はずっと何をやっているんだ…」


「小1時間、スマホとにらめっこ」



「社長!どうやったら女子をデートに誘えるんですかぁ!茉莉花も!なんて言われたらデートに行きたくなる!?」


二人は、ぽかんとした虚ろな目で言った


「知らん」


「アジ…」


何なんだこいつらは…科学以外は全く頼りにならん…


こんな時頼れそうなやつは…


「そうだ!」


俺はそう言ってすぐに連絡先をさがした


「あいつなら、絶対協力してくれる!」


そう言いながらスマホを耳に当てた


プルルル


ガチャ


『もしもし…?』


———


「おう!正門から入って問題ない、三階の科学部の部室に…そう!じゃあよろしく」


二人は電話していた俺をまた虚ろな目で見ていた


「誰が来るのだ?」


「あんたたちも知ってる…いや、”未来の”あんたたちがよく知ってる男ですよ!」


「「???」」



ガラガラッ


「失礼しまーす…」


そう話していると待っていた人物が入ってきた




「やっときた!久しぶりだな、浩貴!」









タイムリミットまで残り36日———







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