第2話「電話しまっ・・差し上げました!」
ミーンミーンミーン
「全貌を暴いてやるぞ・・・ふざけた会社め」
-2日前-
「何だこのふざけた求人は・・・」
時間移動装置って普通に時間を移動する装置ってことか?
けどそれに補助が出るのはありがたいな・・・
そうではなく、タイムマシンのことだよな・・・?
こんなふざけた内容を無骨な文章で書かれると逆に気になってしまう
とにかく目が釘付けだった
一旦一本目のビールを飲み干した俺は少し酔っているんじゃないかと思いそのまま横になった
なんだか頭の中でずっとその求人が頭をグルグルしていた
気になったら止まらない性格なのだ俺は
すぐに起き上がりまたパソコンをひらいた
ポチッ
応募してしまった
「どんな業務内容か、どんな変な会社なのか見たらすぐに帰ろう・・・うん・・・」
今日は独り言が多い
そのままビールを3缶ほど開けて、夕方頃には気づいたら眠っていた。
「・・・」
「プルルル」
携帯電話の着信音で目が覚めた
「んお・・」
もう朝になっていたらしくとんでもない時間眠っていたことに気がついた。
知らない電話番号からの着信に戸惑ったが眠い声で電話に出た。
「・・・もしもし」
『お世話になっております!枕井の・・枕井様のお電話番号でお間違いないでしょうか!?』
たどたどしく、死ぬほど元気な女性の声だった
寝起きで聞くにはあまりにも対応に困ったがかすれそうな声で答えた
「はい・・・枕井ですが」
『私、すずまち製作所のともえと申します!アルバイトの応募の件で電話しまっ・・差し上げました!』
すずまち・・・あれか!ふざけた会社の!
「ああ、あのふざけた・・・あ、あのいや、お電話ありがとうございます」
少し声に出ていた
危なかった、寝起きの俺は何を口走るかわからない
『ふふっ』
笑い方かわいい・・・
『それでですね枕井様!』
『面接の日時なんですが、ご希望のお日にちあり・・ございますか!?』
「ああ、でしたら明日の10時はいかがでしょう?」
『かしこまりました!お待ちしてます!』
ガチャ
元気な子だったなぁ
なんだか面接なんてのは5年前からしていなかったから緊張しそうな気もするが
あの子のおかげで何となくそんな緊張も出なかった
ともえさんか、覚えておこう
とにかくあのふざけた会社の全貌を暴いてやる
-現在-
ミーンミーンミーン
「ここか」
かなり綺麗だが大きくはないTHE・中小企業って感じの建物に「SUZUMACHI」とかいてあった
入口はどこかと迷っていたところに後ろから女性の声が聞こえた
「弊社になにか御用でしょうか?」
そこにいたのは、眼鏡の似合う綺麗なお姉さんだった
艶のある黒髪を肩口で揺らし、細身のスーツを着こなしている
いかにも仕事のできる秘書って感じだ
すきだ
「あ、えっと・・・本日面接の枕井と申します」
彼女はあぁ!といった表情になった
「枕井様ですね!お待ちしておりました。こちらです」
彼女に案内されるがまま事務所の中に入った
「こちらの部屋で面接いたします、面接官をお呼びしますのでおかけになってお待ちくださいね」
そう言いながら可憐な容姿に似合わず無邪気に微笑んだ
彼女が立ち去る前にどうしても名前を聞いておきたい・・・
「あのすみません」
呼び止めると彼女は振り返った
「はい?どうかされました?」
「あの、オナマエオウカガイシテモヨロシイデスカ」
当然、女性に名前を聞いた試しなどなかったので少しカタコトになってしまった
「あぁ!申し遅れました私”ともえ”と申します!」
「あ、そうですかトモエさんですか・・・え、あ!ともえさん!?」
驚いた、彼女があのともえさんだというのか
「はい、私は巴 奏花ですが・・・?」
「あ、あのお電話、ではあの、ありがとうございました」
キョドりすぎだ俺
「電話・・・?ですか」
全然ピンときていないようだった、覚えていないのかこの人は
覚えているのは俺だけか、クソッ
「あ、いえその何でも、ありません!」
普通に焦りから、目をそらしてしまった
「ふふっ、まっててね!」
やはり笑い方が可愛い
だが、電話口で話した”ともえさん”と今話した巴さん、声が違った気がするな・・・
もう少し声に若さがあったような・・・
そんな事を考えていたら扉からコンコンとノックの音が聞こえた
「失礼します」
若い男性の声だった
扉を開いた瞬間俺は愕然とした
「まじ・・・?」




