第17話「マックス電機、アキバ本店・・・」
明らかに初対面の二人がバチバチだ・・・何だこの状況
それにしても、密着した氷花のせいで頭が働かない
氷花って華奢に見えるけど、触れるとこんなに柔らかいのか!?
と思っていた時だった
「よいしょ」
ぎゅー
いつの間にか、乙花さんもカウンターを出て俺の腕を掴んでいた
「!?」
俺は戸惑っていたが、二人はお構いなしに喧嘩をし始めた
「枕井さんに用があるんですよぉ、あなたには関係ないと思いますけど」
(※訳:邪魔なのよ、私と枕井さんの関係に割って入ってこないで!)
「纏はうちのチームリーダーよ、休憩中あなたと話して疲れが残ると困るの」
(※訳:なによこのコンビニ店員、私のほうがずっと前から纏のことを見てたんだからね!)
「その言い方だと、仕事に支障が出るからあなたのために休めって聞こえるんですけどぉ」
(※訳:枕井さんは誰にも渡さない!)
「それだけじゃない、私は友人として纏のことを心配しているの。あなたと纏は店員と客よ」
(※纏は私のものよ!)
「「男子うるさい!」」
そう、このキャットファイトの翻訳を務めたのは柳と浩貴だった
「まあまあ二人とも・・・バチバチに夢中で見えてないんだろうけど、もう枕井さんが限界だよ?」
俺は女子との密着が限界を超えて何も聞こえていなかった
バッ
二人とも顔を赤らめながら手を離した
「それにしても、枕井さんがすずまちに就職したなら毎日会えますね!ご利用お待ちしてますよ!」
柳が太陽のような笑顔で言った
「あ、ああ」
こうして、ここ鈴豊町で出会った全員がつながったのであった
ーーー
俺達は事務所に帰り、またミーティングをしていた
社長が大きな声で言った
「今回のリーダーのおかげで茉莉花くんのパフォーマンスの上昇もバッチリなので。本格的にタイムマシン作成を進めていこうと思う!」
「というわけで、リーダーすまないが今日から私はしばらくラボにこもるぞ!」
「ちゃんと寝てくださいよ・・・」
俺は仕方ないなという表情で言った
「もちろんだ!ハハハッ」
本当に分かってるかは怪しいが、この人細身だけどなんか丈夫そうだからなんとかなりそうだ
「そこでだ、5人は材料調達で秋葉原にいってもらう!私の社長仲間が材料を揃えてくれてるはずだからどんどん運んできてくれ!」
アキバか、もうずいぶん長いこと行ってないな。ちょっとフィギュア買って帰ろう
ーーー
秋葉原は会社から車で20分。俺達は大学生のドライブのような感覚で向かっていた
社内にて
「くーやーしー!もう一回やりましょう!」
「彩花、表情バレバレ」
巴妹、ババ抜き10連敗中
「巴ちゃんは、ババ抜きには向いてない性格だもんね」
氷花は少し笑いながら言った
「私には勝てない」
茉莉花が自慢げに言うが、助手席から見ていた俺はツッコんだ
「でも茉莉花も9回負けてるぞ~」
ムッとした顔で茉莉花が俺を睨んだ
「おいおい、お前ら・・・仕事中だって忘れてないか~?」
運転席の浩貴が苦笑いしている
こんなに大人数でワイワイしたのは初めてだった。高校時代も氷花と浩貴とこんな風に遊んでいたが俺達三人の世界は少し静かだった気がする
「着いたぞー」
「おお!アキバだ!」
「纏は昔からオタクだったもんなぁ」
「俺はオタクじゃねえ!本職の皆さんに失礼だろ、ここには俺の想像もつかないような猛者ばっかりなんだぞ!」
「そういうところがオタクっぽいんだけどなぁ・・・」
ーーー
「たしかここなんだけど・・・」
浩貴がスマホを見ながら首を傾げている
「と言っても、ここは中心街だぞ。会社の名前は?」
「マックス電機、アキバ本店・・・」
マックス電機ってあの大企業が機材を貸してくれるなんて・・・
「って、まてまて、あの人”社長仲間”って言ってたよな?」
「マックスは私よく行きますね!全国どこにでもありますし!でも、何か変なんですか?」
巴妹が首を傾げた
「その、大企業のマックス電機に”社長仲間”がいるんだぞ!どういうことかわかるか!?」
「まさか・・・”マックスの社長”が社長の友達」
「俺たち今からとんでもない人と顔合わせするハメになったな」
-マックス電機株式会社-
全国に1万店舗を構え、2位と圧倒的な差を開いて店舗数、規模、売上高すべてでトップを誇る日本最大の電機メーカーである。
纏たちは今その本社、そして社長のもとへ向かっていたのだったーーー




