第15話「バケツはありますか?と聞いています!」
「なんでこの時間にアジを買いに行くんだ?」
浩貴が不思議そうに聞いた
「開発してもらうんだよ!目覚まし時計を、茉莉花本人にな!」
「???」
俺は続けて社長に言った
「社長!海水を循環させる水槽って作れますか?」
社長は少し戸惑いながらも言った
「あ、ああ・・・可能だが」
次に茉莉花を指さして言った
「茉莉花!設定した時間に開く、しかも水を逃がさず魚だけを外に出す装置って作れるか?」
茉莉花は即答した
「簡単」
話を聞いていた、浩貴が口を開いた
「おいおい、まさか・・・」
俺は大きな声で言った
「この会社に養殖場を作るぞ!」
「ははは!面白い!」
社長が大きな声で言った
「『悩んだら創れ』って言葉のおかげです!新鮮な魚を買いに行く時間に悩んでいたんですよ!」
「悩んだら創れ・・・いい言葉だな!誰の言葉だ?」
お前だ
「ぶはははは!おまえすごいよ!」
浩貴が腹を抱えて言った
「私は思いつきませんでした・・・枕井すごいです!」
巴ちゃんは感心したように言った
「纏、社長の博士号を贈呈する」
茉莉花が社長の押し入れから額縁に入った社長の博士号を渡してきた
「待て!それがないと助成金が降りん!」
社長が焦って取り返した
「「「「「ハハハッ」」」」」
ーーー
「とにかく社長は、水槽の設計をお願いします!茉莉花は俺と養殖用のアジを探しに行く!巴ちゃんと浩貴は社長のアシストを!」
ガチャ
「おはようございま・・・」
氷花が社長室に入ってきた
「氷花!ちょうどよかった、俺達と一緒に来てくれ!」
「!?」
氷花は驚いていた、当然だ。急についてこいなんて言われてもわからないだろう
「それじゃあみんなお願いしますよ!」
「任せろ!」
「はいさ!」
「アジ・・・」
「面白い!」
気づけばチームが一丸となっていた
氷花は少し戸惑っていたが俺達の言葉を聞いて察したのだろう、何も聞かずに一言だけ言った
「任せてよ、纏」
「おう!」
ーーー漁港にて
「車で20分か・・・飛ばせば意外と早いな」
「纏って意外と運転荒いんだね・・・」
少し青ざめた顔で氷花が言った
「ペ、ペーパードライバーなんだよ!悪かったよ」
「アジ・・・!」
待ちきれないような顔で茉莉花が言った
「今日買うアジは食っちゃだめだからな!」
「分かってる・・・1匹だけ」
「食うのかよ・・・」
ーーーその頃コンビニ「コスモス」では
コンビニ店員、柳太陽と乙花 紅子が今日も出勤していた
「ねえ、柳くん」
「なにー?乙花ちゃん」
「っさ、最近枕井さん来ないね」
「もしかしてさみしいのー?」
「ち、違う!少し心配なだけ!」
「ふーん?まあ、けど転職したって言ってたし忙しいのかもね」
ウィン
「「いらっしゃいま・・・!?」」
平和な店内に「すずまち製作所」社長、鈴間 野良と巴 彩花が大声を出しながら入店
「「うおおおおおお!」」
「はぁ・・・このっ・・・みせっ・・・バケ・・あり、か?」
鈴間 野良、息切れ
巴 彩花が口を開く
「社長はこの店に、バケツはありますか?と聞いています!」
柳 太陽、瞬時の判断で対応
「バケツって・・・うちはコンビニですのでそういったものは、ってどこかで見たことあるなと思ったら『すずまち』の!」
「はい!すずまち製作所です!ないのですか・・・ありがとうございました!」
巴 彩花、深くお辞儀をする
ウィン
遅れて、神崎 浩貴入店
「何やってるんですか二人とも!店員さん困ってるじゃないですか!すみません!」
「いえいえ、バケツは売ってないのですが。掃除用のやつを貸しましょうか?」
「いえ、悪いですし今回は新品が必要なのでお構いなく」
「そうでしたか!でしたらここから西に10分歩くとホームセンターがありますよ!」
「ありがとうございました、あとご迷惑もおかけして・・・騒いでしまったので、何かありましたらこちらにご連絡ください!これ名刺です」
「問題ないですよ!皆さんお仕事頑張ってください!」
ウィン
すずまち製作所三名、退店
「・・・」
「何だったんだろうね、乙花ちゃん」
「なんか名刺もらってたよね」
「ああ、えっと・・・すずまち製作所「神埼 浩貴」さんだって」
「すごいイケメンだったよね、女の子も可愛かった。もう一人も社長って言ってたし・・・」
「前からたまにみんな来てたから顔は知ってたけど、ここまで会話したのは初めてだよ」
「すずまち、面白い会社だね」
ーーーすずまち製作所とコンビニコスモスが出会った瞬間であった




