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ようこそ、異世界のファッション・ショーへ!JK漫才師が恋に落ちたヤンキー君の正体は高級ブランド店の御曹司?ただし……  作者: ときじく こみち
第2章:異世界カンパネアのファッション・ショーにご招待
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生まれながらに引き受けているもの

「わたしたちはみんな、生まれながらにして、選ぶことのできないものを引き受けている」


 マイクを手にしたウォルフィの声が、大広間に響いた。


「身長や骨格(こっかく)

 肌や髪の毛や(ひとみ)の色。

 国や民族や性別」


 スポットライトを浴びてステージに立った、真っすぐに伸びたたウォルフィの背中。

 その迫力に、


(あいつ、やっぱりすごい)


 見ているだけで、なぜだか目がうるんでくることにハルミは気がついた。


「そのことに対して、ファッションはどうあるべきなのか」

 

 ウォルフィのことばが終わるとともに、ひとりの女性がステージにすがたを見せた。


(あれは……)


 そのからだを彼女に与えたのは、神だろうか、それとも悪魔だろうか。

 身長の半分以上を占める長い足と、果物(くだもの)みたいに小さな顔。

 生まれながらに(さず)かったバランスのとれた骨格と、絶え間ない訓練の()てにしかあらわれることのない緊張感(きんちょうかん)のあるたたずまい。


 ただし、背は高くはなかった。

 カンパネアで見かける、平均的なヒト型の種族の身長。

 それよりもずっと低かった。

 なぜなら、


「ゴブリン?」

 亜麻(あま)色とよばれる、夏の日ざしをたっぷりと吸いこんだ麦わらのような色の髪。

 緑がかったなめらかな肌と、するどい爪のはえた指。

 ランウェイに現れたのはゴブリン族と呼ばれる、カンパネアでも特に小がらな種族のモデルだった。


 モデルが身にまとっているのは、すその長いドレスだった。

 スカートのすそが床にふれるほどに長い、肩があらわになった黒色のドレス。

 イブニングドレスと呼ばれる、舞踏会(ぶとうかい)や晩さん会などに着ていくための服装である。


 ドレープとよばれる、肩からすそにかけて布地が流れ落ちていくようなひだ。

 それがモデルの動きに合わせて、さざ波のように()れうごく。

 生地そのものにもプリーツと呼ばれる、細かい折りひだが無数に入っているらしい。

 モデルが歩くたびに形を変えつづける、命を吹きこまれた彫刻(ちょうこく)のような、しなやかなシルエットのドレスである。


 その時だった。

 ランウェイを囲む客席から、ざわめく声が聞こえたのは。


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