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ようこそ、異世界のファッション・ショーへ!JK漫才師が恋に落ちたヤンキー君の正体は高級ブランド店の御曹司?ただし……  作者: ときじく こみち
第2章:異世界カンパネアのファッション・ショーにご招待
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伯狼館(はくろうかん)のファッション・ショー

「お、王宮じゃないの、これって?」


 から外に出たハルミの口が、あんぐりと開いた。

 先ほどまで自分が中にいた建物が、まさかこれほど巨大なものだったとは。


伯狼館(はくろうかん)

 タブレットの画面に、建物の名前が浮かびあがった。

 手入れの行き届いた芝生(しばふ)の広がる、ひろびろとした敷地(しきち)

 その中にそびえ立つ、壮大(そうだい)な石づくりの建築。


 正面から見て右手にはとがった屋根をもつ塔が、左手には大広間のある別館が、それぞれ屋根つきの渡り廊下で繋がっている。

 

 今をさかのぼること三百年。

 この地に移り住んだマクシム・カンパネロ・デュエマ公爵によって建てられた館。

 つまり、デュエマの本家。


「昔はここに、ジイちゃんとバアちゃんが住んでいたんだ」

 色とりどりの花が植え込まれた、芝生の中に浮かんだ島のような生垣(いけがき)

 渡り廊下をならんで歩きながら、建物の由来をハルミに説明するウォルフィ。


「お祝いごとがあるたびに、親戚(しんせき)たちがここに集まってワイワイやってたんだけどさ。

 築三百年を超えた時に文化財(ぶんかざい)の指定を受けてから(さわ)ぎづらくなっちゃって。

 いまは本社の展示会とかパーティー以外では使ってない」


 何なの、実家が文化財指定って。


 ドアマンが開いてくれた扉から大広間(おおひろま)に足を踏み入れたハルミは、

「は、(はな)やかすぎる……」

と、思わず後ずさりをしてしまった。


 大広間の奥に組みあげられた、まばゆい照明の放たれたステージ。

 そこから客席に向かって真っすぐに伸びた、ランウェイと呼ばれる通路。


 その上を歩くのは、優雅(ゆうが)な足どりとは裏腹(うらはら)に、どこか挑発的(ちょうはつてき)な眼ざしをたたえたモデルたち。

 百八十センチちかい長身と、「手のひらに収まっちゃうのでは?」と思えるぐらいに小さな顔。

 そして努力だけでは絶対に手に入れることができない、生まれもった長い足。


 モデルたちが身にまとっているのは、まるで素裸(すはだか)の体に炎を吐き出す竜が巻きついているように見える、()けたシフォン生地でできたジャンプスーツ。


 あるいは(かた)から()れさがったドレープと呼ばれる(ひだ)が、(すそ)のあたりで花びらのように開いたパーティ・ドレス。


 スカートの(すそ)が丸く折りこまれた可愛らしいスカートに、あちこちから金属のトゲが突き出した黒革のハイヒールを合わせてランウェイを歩く者や、

 むき出しの肩と背中で孔雀(くじゃく)の羽のようなドレスを(うるわ)しげに着こなす者。

 あるいは、(おごそ)かなまでに引きしまった腰のくびれで、月夜の浜辺に打ち寄せるさざ波をイメージしたイブニング・ドレスを着こなす者。


「これは何?なんかのお祭り?」

 大音量のダンス・ミュージックの中、怒鳴るような大声で尋ねるハルミに、


「デュエマのファッション・ショーだ」

 と、ハルミの耳もとにむかってやはり大声で答えるウォルフィ。

「今年の新作を見せるための発表会だよ」


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