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第3話 禁忌と新たな敵そして決着


 翌日


 目が覚める……しかし、空は赤黒いまま……この世界に光が射すことはあるのだろうか……。


 「……アイリさん、俺達は天界に行くために大都を目指しているんです。

 多分、道なりはきついと思うけど…ついてきてくれます?」


 「ええ…私はあの仮面の男を絶対に許さない……私が終わらせる……。

 ……それよりもさんなんかつけなくていいよ、アイリで」


 「そ、そうか?分かったこれからはアイリって呼ぶよ」


 「うん、そうして」


 そして俺達は荷物をまとめ、大都へと向かった。


 ・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・



 ???


 コツコツ。


 「……やられて帰ってくるとは……愚かだな」

 白の前に現れたのは黄色い仮面を付けた者。


 「あ?これは戦略的撤退だ、未知の力に迂闊に抗えば死ぬだろ?」


 「まぁそれはある……だが…あの程度の力など大したことない」


 「目の前で出されたらそんな事言えんぞ?」


 「私はお前とは違う……最初から全力で潰す……人間ごときに負けるはずがない」


 「まぁ、奴らの足掻きってのも観るのも案外楽しいんだぜ?

 力なく、アホみたいに抗う……本当に滑稽だよな」


 「ククク、それは同感だ。

 だが…次は無いぞ?他の者もお前の行動と結果に呆れているからな」


 「でも、奴らの足掻きが楽しみでもあるんだろ?」


 「それはそうだ……なら、一つ頼めるか?」


 「何?」


 「剣士……ミツルをここに連れてこい。

 奴とは色々とあるからな」


 「アイツも人間離れしている人間だからな。

 そいつ連れてきてどうするんだ?」


 「勿論、奴を始末すること……だが…お前達は絶対に手を出すなよ……これは私とミツルの一対一の勝負だからな」


 「はいはい……分かりましたよ〜」

 そうして白は転移した。


 (ミツルよ……私はお前を許さない)


 そして、俺達は新たな街へとたどり着いた。


 「ここがププッピ街……ここもひどい有様だな」


 「この街では、出店が多くあってかなり賑やかだったらしいよ」

 アイリが言う。



 「へぇ~、見たかったな〜」


 「その前に……招かれざる客を倒さねばならんぞ」


 ギギギ。


 それは人型の魔物。


 「はああ!!!」


 ぎ!


 「ワシの一撃!!はああ!!」


 「浄化の光よ!」


 3人は次々と倒していく。


 それを見つめるミリア。


 (……私も…みんなに加勢しないと…………………でも……私が仲間を?人を?殺められるの?……)


 ミリアは自分の手を見ると震えていた。


 (怖い……私は……)


 「ミリア、この街案内できるか?」

 俺はミリアに向かって言う。


 「へ?!あ~いいよ」

 ミリアは言う。


 「ワシとアイリで物資を探す…そっちは頼むぞ」


 「はい」


 そうしてババンとアイリは行ってしまった。


 「……」


 「……ねぇ、案内するよ」

 ミリアが言う。


 「なぁ、ミリアはあの人型の魔物を倒している所を見て………どう思った?」


 !


 「え?い、いや~……強そうなのに倒せてすごいねって思った」

 ミリアはそう答えた。


 しかし言葉が震えていた。



 「そうか……俺が最初に思ったこと…それは人殺しと思ったんだ」


 !


 「魔物になったとは言え、元は人間…俺達のようにな。

 そして何事もなく暮らしていたのにあの、白によってその人達の人生はそこで終了した……そして魔物となり……何を求めることもなくひたすらうろついて、敵を見つけたら襲いかかる……それだけ」


 「……」


 「もしもミリアの同僚が目の前に現れたら……ミリアは戦える?」


 「……無理……私には人を殺めるなんて……アイリさんだって……無理って言っておきながら倒していたし」


 「……アイリも震えているよ」


 !?


 「俺がチラッとアイリの方を見たら凄く辛そうな顔をしていた、申し訳ないと言う顔で……そしてその目には必ず元凶を潰すと言う強い思いがこもっていた……」


 「人を殺るのは覚悟がいる……ババンさんもアイリも俺もそしてミリアも……本当は人なんか殺したくない……でも……それをしなければこちらが死ぬ……殺したくない気持ちは分からなくもない……でも!!!

 俺は、その罪なき人達が人を殺め食う……そんな所を見たくないんだよ」


 「……何で……人なのよ、……あなたのように楽しいそうな顔をしたり、私みたいに泣いたり!

 そんな人達を殺れるわけないじゃん!!!」


 「……ミリア、ならその人達がババンやアイリ……そして俺を殺そうとしていたらどうする?」


 「そ、それは……」


 「助けずに見捨てる?」


 「そんなわけないじゃん!助けるよ」


 「なら、その人たちに刃を向けるということだね」


 「そ、それは……」


 「死こそ救済……これ以上、自分の大切な人が人としての尊厳を失わないように……生きている者がしなくちゃいけない……それが俺達だ……人殺しをしているわけじゃない……彼らがまた新たな道を進んでもらうためでもある」


 「……私は……怖いの……人を殺るのが……魔物だけど……それでも……楽しかった日々が思い出されて……」


 「……ミリア」

 俺はミリアを抱きかかえる。


 「ちょ……何?」

 ミリアは少し照れる。


 「大丈夫だ……俺も居るババンさんもアイリも居る……お前は一人じゃない」


 !


 (一人じゃない……)



 「もしも処刑されるのなら俺はミリアは生かしてもらうようにお願いするよ。

 彼女はとても良い人だからって言うし」


 「うっ……うっ……瑠璃……」


 「大丈夫……ミリアならきっと出来る……仲間がミリアを応援してくれているよ。

 だから、怖がらなくていい……自分がなすべきことをする……それだけ」



 「……分かった…、私も参加する……怖いけど……辛いけど」


 「そうだ……でもまずは街を案内してほしい。

 この街の事を知りたいからね」


 「うん……いいよ」


 そうして俺とミリアは街の探検をした。・


 そして、俺達は街の様子を観ながら…物資や使えそうなものを回収して最後にと図書館に入った。


 中もとても酷い有様で、本はボロボロになっており、本棚もぐしゃぐしゃ、破られた紙が落ちていたりしている。


 そして俺は一つの本を手に取る。


 サッサッ。


 俺は埃がついている表紙を手で綺麗にした。


 それは、料理の本だった。


 「ミリア、これ…、料理の本だって。

 貰っていったら?」


 「え……でも、もらっていいのかな?」


 「はぁ〜ミリアは心配性だな」


 俺は受付がある所にお金を置いた。


 「これで問題ないか?」


 「うん!」

 ミリアは頷いた。



 そうして、俺とミリアは沢山の本を取り出し…使えそうな本を回収した。


 その時


 「うん?」


 本棚の奥に扉が見えた。


 「ミリア、この倒れている本棚の奥に扉があるみたいだ。

 来てくれないか?」


 「うん!」


 「よいしょよいしょ」

 俺達は本棚を退かし、扉が現れる。


 「なんの部屋なんだろう……」


 俺達は扉の取っ手に手を伸ばし、回した。


 ギ〜と言う音と共に扉がゆっくり開く。


 そして中に入ると、電気が勝手に付きそこには黒い本が本棚に収まっていた。

 

 「何だ……この黒い本は……」


 「あ……あ……」

 

 「どうしたミリア!?」

 ミリアは本を見るなり驚いている。


 「こ、これは禁忌と呼ばれる本なの!迂闊に手に取ったらダメ……」


 「へぇ~何が危険なんだ?」


 「へぇ~って……その本に触れた瞬間体に呪いのような魔力が流れるの。

 そしてそれは本によって様々で血を求めるようになったり、永遠に快的になってしまったり、感情が無くなったり……まぁ…大体の人達は死ぬ……」


 「死ぬ!?」


 「ええ、魔力が極悪過ぎて体が受け付けられない。

 体から放出しようと本能で動くが呪いは体から出ようとしない。

 そして身体がおかしくなって…、そして呼吸が……止まるの」


 「やばすぎだろ!何でそんな危険な本が存在しているんだよ」


 「黒魔法……昔ね、そう言う魔法を使っていた者達が居たの。

 その人達が使っていたのがこの本……禁忌の本なの。

 その本の中には今の魔法とは違う、相手を絶望させ苦しめながら、命をおとさせるような魔法が沢山あるの、とても悪い魔法それと、体にとてつもない影響がある魔法も。

 だから、この本が禁忌の本と呼ばれ…黒魔法を使う者達は全員葬られた。

 そしてこの禁忌の本は隠されたような場所に保管されている」


 「それがここってことか……」


 「そう…だからここには用はないから早く出ましょ?」

 ミリアは言う。


 「いや、少し待ってくれ。

 少し試したいことがある」


そうして俺はおもむろに本を取った。


 !


 「る、瑠璃!!!何してるのよ!!!」


 ミリアが叫ぶ。


 「………」


 「あ、あれ?る、瑠璃?大丈夫?」


 「……ああ、大丈夫だ」


 そうして俺は本を開き中の書かれている文字を見る。


 ……。


 ………。


 「中々だな…ミリア…本の内容は」


 「でしょ?まぁそれよりも何で禁忌の本なのに無事なの?」


 「それは俺の能力だ。

 ありとあらゆる武器が使用可能……つまり、ここにある魔法も武器の一つと認識されている……だから影響がないんだ。

 多分だけど」


 「な、何よそれ……そんな能力を持っていたなんて……それでどうするの?禁忌の本、貰う?」


 「まぁ……全部悪い魔法ばかりじゃないし、貰っておくよ。

 えっと………アイテムボックスは〜」


 俺は空間に穴を開けてそこに手を突っ込みアイテムボックスを探した。


 「ねぇ」


 「うん?」


 「そこに入れたら?」


 「…………確かに……いれるわ……」

 俺はサッサッと禁忌の本を入れる。


 

 そうして全ての禁忌の本を入れて図書館を出た。



 外ではババンとアイリが待っていた。


 「やっぱここに居たか……魔法使いなら本は命の次に大切だからな」

 ババンは言う。


 「何していたんですか?」

 アイリが言う。


 「本を見ていただけ、それと彼のすごい所が分かった事」


 「凄いこと?」

 アイリは首をかしげる。


 「禁忌の本を全部回収した。

 それに触れた」


 !


 アイリとババンは目を丸くさせた。


 「え、あ……き、禁忌の本!?」


 「瑠璃よ!!お前、体は大丈夫なのか!?」


 「はい、問題ありません……俺の能力のお陰なので」


 「そ、そうか……」


 「それよりもそちらも何か収穫はありましたか?」


 「ああ、ほれ」


 ババンはミリアに金色に輝く実を渡した。


 「こ、これって!?」


 「何ですかババンさん、これ……実?」


 「瑠璃!これは、魔法使いとか魔法を得意とする人達が貴重としている……黄金の実なの。

 これを食べ物と混ぜ、それを食べると魔力量がかなり増えるの。

 と〜っても貴重なアイテムなの」


 「へぇ~凄い実なんだな、良かったじゃんミリア」


 「うん!ありがと、ババン」


 「私もポーションを何個か発見しました、それと生き残りの魔物がちらほらと居ましたので倒しました」


 「それじゃあ、今日はここで休むとしよう。

 大都までまだまだだが急ぎすぎても、かえって危険じゃからな」


 「そうですね」


 俺達はようやく少し一息つけると思った瞬間



 コツコツ。


 こちらに向かって来る仮面を付けた者。



 !


 (あやつは!?)


 (あれは仮面のやつ!!!だが白くない!黒だと!?)


 「……生き残りが居たとは……しかも、大賢者のババンに巫女のアイリ、そして呪いに落ちた魔法使いまで……そして異例の者……」


 「お前は何者だ!!」

 俺は声を荒げる。



 すると仮面の男は黒い仮面に手を伸ばし地面に投げ捨てた。


 !


 「お主は!?」


 ババンが驚く。


 「そうだ……俺は、リュウセイ・セイだ。

 久しいな……ババン…」


 (ババンさんの知り合い!?いや、だがこんな危険な人物がババンさんの知り合いのはずがない!!)


 「ババンさん!あんな危険な人、知らないですよね!」

 俺は言う。


 「……」


 「ババンさん?」


 「異例の者…ババンは俺の仲間の一人だった。

 そして俺を見捨てた者だ」


 !?


 (見捨てた!?)


 「ババンさん……嘘ですよね?」


 「瑠璃よ、リュウセイの言う事は嘘ではない。

 じゃが見捨てたわけじゃない……」


 「嘘をつけ!!ジジイ!!!あの時、助けられたはずの仲間のリリも見捨てやがった!!!俺の手のなかで死んだんだぞ!!!」


 「!」


 「それはすまなかった…」


 「すまなかったですむかよ!!!俺はリリを失ってからお前を憎むようになった……そして俺は出会った……俺の復讐の手を貸してくれる者に!

 そして俺は、黒い仮面をつけ……お前が暮らしていた街や村を破壊した!!!

 お前を殺さないようにな!!!」


 「そうか……ワシが悪かったのか……じゃが……なぜお主らを助けられなかったか分かるか?」


 「分かるかよ!!!このクソ野郎が!!!」


 「あの時、手を貸してやりたいが呪いの息吹が周りを囲んでいておぬしらの所に駆けつけられなかったんじゃ……」


 それは数年前の事



 呪いの空間



 「行くぞリリ!ババン!」


 「はい!」


 「分かった!後ろで後方支援するぞ!!」


 相手はゆらゆらと揺れる布の魔物。


 3人は攻撃を受けながらもなんとか追い詰めるが


 !


 ゴゴゴ!!


 呪いの息吹が吐かれリュウセイ達とババンが離れ離れに。


 「こいつ!!!」


 「ぐわあああ!!!ババン!!助けてくれ!!リリが!!」


 (クソ!助けに行きたいがこの息吹の中を進む訳には……)


 「誰か!!!頼む!!!ババン!!!」

 リュウセイの叫ぶ声。


 (すまない……リュウセイ……必ず助けを呼ぶ!!)

 ババンは走り去り、空間から出る。


 (ババン……なぜ……何で俺達を……)


 「リリ……ババンが行ってしまった……俺はやられるのか……見捨てられたのか……ジジイ……許さん!!!許さん!!!!!うがああ!!!!」


 リュウセイは怒り狂い布の魔物を倒した。


 「……殺す!!ババン!!仲間なら見捨てずに来るのが当たり前のはず!!リリを失ったのはババンのせいだ!!!ヤツだけは!!!この手で!!」



 ・・・・・・・・・・・・・・・・・・



 「許さん!!!絶対に許さない!!!」

 リュウセイはババンを睨む。


 「その首飾りはリリがつけていたものじゃな……」


 「そうだ!!オレにはリリが付いている!!お前が俺達を見捨てなければ!!リリは生きていた!!なのにあの時俺達に背を向け逃げた!!!

 見捨てたんだろうが!!!」


 「違う!!!」


 「違わん!!!」



 !?


 「ごふっ!!!!」


 リュウセイの膝蹴りがババンの腹を直撃ババンは吹き飛ぶ。


 「ババンさん!!!貴様!!!」


 ガキン!!!



 俺は剣でリュウセイに斬りかかる。


 「お前に用はない!!」


 「俺は用がある!!!仲間がピンチなのに見捨てるわけないだろ!!!」

 俺は言う。


 「そいつは!オレを見捨てたんだぞ!!お前も見捨てられる!!

 そして泣き叫んだ所で奴は帰ってこない!」


 「そんな事ない!!!!お前は勘違いしている!!!ババンさんは逃げた訳ない!!!助けを呼ぶためにお前に背を向けたんじゃないのか!!!

 その事実が認められないからって!!!事実をねじ曲げてそれが本当の仲間のやり方かよ!!!!」


 「それでも!!!俺は!!!奴が許せねぇんだよ!!!」


 ガキン!!!


 ミチミチ。


 剣がぶつかりあい音を立てる。


 ……。



 ……。


 (ワシは……アヤツを見捨ててしまったのか……そしてお主の幼馴染のリリまでもお主の手のなかで亡くならせてしまった……ワシは愚かじゃ……)


 「ババンさん!!大丈夫ですか!!」

 アイリが声をかける。


 「だ、大丈夫じゃ……奴の狙いはワシじゃ…、ワシが奴にやられれば収まるじゃろ……」


 「それはあり得ません……多分、この先多くの命を奪う者になります!!

 ここで止めないといけないんです!貴方が死んだ所で意味はないです!!」


 「ワシは、奴に勘違いをさせてしまった……その罪は受けなければならない……」


 「罪ではありません!!貴方は間違った事をしたわけではありません……リリさんが亡くなったのは辛いですが…それをババンさんに向けるのは違うんです。

 ババンさん……彼を止めましょう……私も手伝います……彼は勘違いしているんです……話し合えば伝わることがあるはずです!」


 「無理じゃ!!!」


 「無理じゃない!!!!」

 声を荒げたのはミリアだった。


 「私も手を貸す……貴方に魔力を流すから!言葉は必ず彼の心に刺さるはず!!逃げないで!!!ババン!!!」

 ミリアは言う。


 ……。


 「分かった……ミリア、アイリよ。

 ありがとな……ワシのこんな事につきあってのぅ」


 立ち上がるババン。


 「いいんです!私達仲間でしょ?」

 ミリアは言う。


 「ふっほっほほ……そうじゃのぅ。

 では行くぞ……ミリア、アイリよ。

 はあああ!!!!」


 ババンは体に力を込め拳に力を流し込む。


 ミリアとアイリはババンさんの背中に触れ、魔力を流し込む。


 (2人の熱い魔力が流れ込んでくる……これが仲間じゃ……リュウセイよ……受け止めてくれ)



 ガキン!!!



 「クソ!!!相手の方が上か!!!」

 俺の剣が吹き飛ばされる。


 「雑魚が!!!出しゃばってんじゃねぇ!!!」

 リュウセイが斬りかかる。



 「させるか!!!!この拳に!!!ワシの思いを伝えるぞ!!!リュウセイ!!!!」


 !


 「しまっ!?……ごはあああ!!!!」

 リュウセイはもろにババンの拳を腹に受け思いっきり吹き飛び建物の壁にぶつかりズリズリと地面に落ちる。



 「はぁはぁ……」

 ババンは息を整える。


 「ババンさん……駆けつけましょう」


 「そうじゃのぅ」


 4人で駆け寄ると倒れているリュウセイが。


 「うっ……クソ……が……ジジイ……」


 「話を聞くのじゃ……リュウセイよ。

 ワシはお主をリリを助けたかった、じゃがあの魔物の呪いの息吹をもろに受けたらワシもお前達に辿りたく頃には死んでしまう。

 じゃから、ワシはつよい仲間を連れて対処してもらおうとお主達に背を向けたのじゃ。

 なにも…リュウセイとリリを見捨てたんじゃないんじゃ」


 「黙れ!!!例え、死ぬかも知れないかも知れないけど助けに行くのが仲間だろうが!!」


 「……それはそうじゃのぅ……」


 「……おい、クソ野郎……お前はババンさんがこれだけ後悔しているのにお前は何も思わないのかよ」

 俺はリュウセイに向かって言う。


 「は?お前は関係ないだろ!!!」


 「だから!!!関係あるだろ!!!」


 バチン!!!!!


 俺は思いっきりリュウセイの頬を叩く。


 「貴様ー!!!!………!?」


 俺は何も言わずリュウセイを睨みつけた。

 物凄い憎悪を抱く目で。


 「お前とその仲間を助けたいという気持ちがあったからババンさんは助けを呼んだんだ!

 お前達が嫌いなら、そのまま逃げていた!!

 だが、ババンさんは帰ってきた……そうですよね?」


 「ああ、そうじゃ……仲間を連れて戻ったが……お前の姿は無かった……やられたのかと思い…辺りを探し回ったがお前の姿は無かった……。

 だから、お主はあの魔物に勝ち…、何処かに行ったのではないかと思い……探したのだが一切の情報もなく……」


 「……」


 「リリの亡き骸もお主が持っているのじゃろ?そろそろあちら側に行かせてはならんのか?」


 「リリを行かせないのはテメェが死なないからだ!!!

 テメェを始末したら俺も死にそして3人で行くんだよ!!!」


 !


 「貴様ー!!!それでも仲間かよ!!」


 「仲間なら最後まで行くだろ普通!!」


 「そんな普通あり得ない!!リリさんもそんな事望んでない!!!」


 「お前に何が分かる!!!巫女ごときに!!」


 「私には分かる!!!!」


 !


 アイリの声はまるで体を貫くような声で言う。

 そして小川おがわが流れるように穏やかな顔をして


 「神の声を聞くのも巫女のつとめ……そして屍となり魂となった人を送るのも私のつとめ……。

 だから、リリさんも私の元に来たんです……」


 !


 「何!?」



 「リリさんは、いずれぶつかり合う2人を止めてほしいと言われました。

 ババンさんとリュウセイさんを。

 後悔と絶望に堕ちた2人を救ってほしいとお願いされましたので」


 「そうか……」


 「……リュウセイよ、お主の体は……もう崩壊している……お主……絶望と怒りで体を創造し……生きていたのじゃな……。

 じゃが……今を見るに……」


 「……うるせぇ……俺は負けた……ババン……殺るなら殺れ」


 「……いいや、ワシはお主に手をくださん……ゆっくりとお主が消えていくまで……思い出話をしようじゃないか……リリとお主、そしてワシ達の旅をな」


 「へっ……まぁ……それも悪くないか……」


 リュウセイの顔は怒りも消え穏やかな顔に戻っていった。


 2人は他愛ない話をして、笑い…思い出話を続け


 「そろそろ消えちまうな……」


 「そうじゃのぅ……リュウセイ」


 「最後に一言いいか?」


 「ああ、構わん……何かな?」


 「ありがとな……」


 「ふっ……ワシもお主達を救えなくて済まんかったのぅ……ワシがお主達の近くに居たらお主達と共に戦えたはずなのに」


 「それは気にするな……ババンは自分が正しいと思う行動をしたんだろ?

 それに俺も思うんだ……ババンの行動は間違ってないって……だから、後悔とかしなくていい」


 「そう言ってもらえて……嬉しい限りじゃ」

 ババンは涙を流す。


 「おいおいジジイのくせに泣くのかよ」


 「ワシだって泣くわ。

 ガキのくせに生意気な口じゃのぅ」


 「何だとジジイ」


 「何度も言うぞガキ」


 「へっ」


 「ふっ…」


 「……それじゃあまたな……先にリリの元に行ってるぜ」


 「ああ、ワシもお主達をあまり待たせんようにするのじゃ」


 「いいや、俺もリリと少し話をしたいからもう少し長くこっちに居てもらいたいな。

 それに仮面の奴らはまだまだ居る……俺は下っ端だ。  

 気をつけろ……そして巫女と魔法使い……そして転移者……お前達にも必ず刃を振るうのに手を緩めてしまう者も現れると思う……」


 「……分かったお前の言葉受け取った。

 俺達は天界に向かうんだ……」


 「天界か……あそこも堕ちたと思われる……気をつけろ」


 「ああ分かった」


 そうしてリュウセイは光の粒になり天へと昇っていった。


 ……。


 (リュウセイよ、ありがとう…)






 


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