第4話 剣士の死と先輩と姉
???
!
(この感じ……やられたか……)
「お前も感じたか?……ビオラ」
緑の仮面を付けた者がビオラに向かって言う。
「ああ……黒……が死んだな……リュウセイめ……だが奴は我々にとって下っ端の存在……消えたところで問題などない。
それよりも天界の方はどうなっている?」
「殆ど攻め落としており……生き残りも残らず排除しています。
一部を除いてですが」
「一部?誰を残している?」
「天使の一人…ルーミュと言う者です。
奴を調教し、我々の仲間に引き入れます」
「そいつは強いのか?そもそも我々の目的は分かっているのか?」
「はい、勿論です……あの方が望む世界にするために必要な者以外は全て排除する。
そして残った者が新たな世界の者として君臨する。
あの方の部下として」
「よく分かってるじゃないか……ならなぜ天使を?奴らは我々を裏切る可能性がある……奴らは人に幸運を与える……悪には鉄槌が落ちる……よく言うだろ?」
「問題ありません……奴の頭に絶望的な記憶を流し込み、正義を振りかざす者に刃を向けるようにしています。
全て作られた記憶ですが」
「ふふっそれはいいわね、最高だわ。
人々の顔が絶望に落ちていく顔がとても心地良いの、また見たいわね」
「はい、全てはあの方の為……それよりも奴らの向き的に大都に向かっているようです。
どうされます?」
「……奴らも我々の仲間に引き入れさえすればかなりの戦力になる。
殺しなどするな、まぁ痛めつけて瀕死まで追い込むくらいなら問題ない」
「分かりました、他の仮面の者たちに伝えておきます」
・・・・・・・・・・・・・・・・・
その頃、
ユツツ村
……。
ひゅ〜。
一人の剣士が石に正座し目を閉じていた。
・・・・。
シュタ。
「……剣士ミツル……ここに居たか」
現れたのは白だった。
「……何用だ…悪しき者…」
ミツルは目を閉じたまま言う。
「あんたに用がある者がお前を連れてこいって言われててさ、面倒だから来てくれない?」
「悪しき者の言う事を聞くとでも?」
(だよね!なら!)
!?
白は攻撃を仕掛けようと考えたが……
白は目線だけをしたに向ける。
そこには剣を抜いたミツルの剣が自分の首元に止まっている事を。
(やべ〜ガチで動き見えなかったんだけど〜殺される?)
「これ以上何か喋るのなら、斬る!!!」
!
その斬ると言う言葉にはドズが効いており、これは冗談とかそういう事ではないと悟る白。
「い、いや……俺は別にお前に危害を加えない……それにそいつが手を出すなと言っているから……」
「誰だそれは?」
「剣士……チヨ」
!?
(チヨ?!)
「お前……油断させようとしている訳では無いな?」
「あ、ああ…、そうだよ。
奴は俺達の仲間になっている……そしてお前に復讐をしようと考えている」
「……復讐か……その感じ……嘘ではない様だな。
言葉に重みを感じる」
「じゃあ、この剣収めてくれないかな?鞘に」
「分かった」
ミツルは剣を鞘に収める。
「はぁ……死ぬかと思ったわ……」
「で?チヨは?」
「はいはいちょっと待っててよ……開け扉」
白は空間から扉を取り出し開ける。
すると扉の奥から黄色い仮面を付けた者が現れた。
……。
………。
「あの、俺は帰りますからね。
後はお願いしますよ」
白はそう言い扉に入った。
すると扉はスッと消えた、居るのは黄色い仮面を付けた者とミツルのみ。
「……」
「……」
(この気配……やはりチヨか?)
「久しぶりね……ミツル……ようやく私は強くなり……あんたに復讐できる」
そうして仮面を取るチヨ。
!
その顔には半分が焼けていた状態。
「チヨ」
「久しぶりの再会にさ……やろうか……刃をぶつけるの」
「復讐とは……まだ過去の事を」
「過去?私はあの事件で全てを失ったの!!!あんたの性で!!!」
「くっ………もうあの頃のチヨでは無いんだよな?」
「あの頃?あ~、あの忌々しい腑抜けの記憶なんて入りません……捨てました」
「やるしかないか」
「私は元々あんたを殺る気しかないの……あんたを殺し……私は復讐を成し遂げる!!!
そして私も死ぬ!!」
!?
「何!?なぜお前が死ぬ必要がある!!」
「あの世でも貴方を苦しめてあげたいから……あの世でゆっくり出来るとでも?
生きている世界でもあの世でも何処でも貴方を苦しめたいのよ!!!」
ガキン!!!
素早い斬り込み、2人の刃がぶつかる。
ガチガチガチ。
「それだけ俺を恨んでいるのか!!!チヨ!!!」
「当たり前でしょ!!!私はあんたを殺る!!!今!!ここで!!!」
ガキン。
ガキン。
ガキン。
刃がぶつかりあいそれは凄まじい光景。
もしも素人が入ろうとするものんなら、全身細切れになるのは火を見るよりも明らかだろう。
(クソ!チヨとこうして剣を交えたのはかなり前だ!……動きが読めん!!)
(私だから手を抜いているわね!ふふ!ここでおとす!!!)
「はあ!!」
「くっ!!!」
チヨの剣がミツルの横腹に少し掠る。
(クソ!このままでは!……)
「ここが勝機!!!終わりよ!!ミツル!!!」
!
(クソ!!終わるのか……チヨが俺を恨んでいるのなら俺がやるべき事は……)
ザシュ!!!
ボトリ。
ミツルの首が地面に転がった。
「は……はは……やった……やったー!!!奴を……奴を遂に倒した!!!へは?あは?あは?あはははは!!!」
「……」
「…………うっ……クソが……」
チヨは膝から崩れ落ち、
「あの野郎……最後に私にやられるのを覚悟して手を緩めた!!許せない……最後の最後まで!!!」
コツコツ。
「あの世に私も行ってやる!!!」
チヨは自分の剣の刃を自分の腹に向け
覚悟を決め突き刺そうとした時!!
「やめろ」
一言後ろから声がした。
そこに居たのは、ビオラだった。
「ビオラ……止めないでよ……私は奴を追うの!
地の底まで!いや、あの世まで!!」
「そこまで追って何になる?……私としては貴方には生きて欲しいのだけど?
使えない駒よりかは貴方は使えるでしょ?
ここで死んでもらったら迷惑なのよ、分かる?」
「でも!!ミツルが居ない世界なんて私には興味がない!!
私の狙いはミツルだけ!」
「そう……なら死ぬしかないわね……」
「私をどうにかできるとでも?」
「………もう……死ぬんじゃない?」
「え?」
がはぁ!!!ザシュ!!!バシュッ!!
突然、チヨの顔が斬れ、腹から内臓が溢れ出し死んだ。
「……使えない駒だったのね……貴方も……さよならね……落ちこぼれの剣士…チヨ」
そうして静かに去っていくビオラ。
………。
…………。
そこには2人の遺体が野ざらしとなった。
……。
……。
(……こ、ここは?)
目を開けるチヨ。
そこは先程居た場所だった。
(死んだの?……私は?)
チヨは自分の体を見る、そこには透明の自分の姿があった。
そして目の前に無残な姿の自分の死体を目にした。
(うっ……うぇ…………び……ビオラ……許さない……許さない……)
(……チヨ)
!
突然声をかけてくる者、それはミツルだった。
(ミツル!!!)
チヨはミツルの方に浮きながら近づく。
(……お前も殺されたんだな……)
(あんたは!!なぜ手を緩めた!!私に殺される程ではないはずなのに!!)
(……チヨが望んだんだろ?)
(望んだ?私は、あんたに復讐を!!)
(そう……復讐出来たじゃねぇか……殺れたんだろ俺を)
(違う!!!こんなの……こんなの復讐じゃ……ない……私のあの頃の絶望はもっと苦しかったのに!!こんな簡単に終わるなんて……)
(復讐なんて意味無いんだ……何も生まないし、虚無だけが広がる……やって良かったと思うか?)
(……思わない……なぜか……孤独……)
(俺を恨んでいるのはあの頃のあの事件だろ?
俺が剣士の称号を手にする対決の時、相手はお前だったな……そして俺が勝ち……お前は負けた。
そして、両親はお前を馬鹿にして……村人から迫害され……命を終わらせた……それの原因が俺だから……お前は復讐をしたんだろ?)
(……そうよ、ママもパパも私が学校から帰ってきたら……死んでいたのよ!!!
私は……許せなかった……何でパパとママは死んだのか……なぜ死ななければならないのか………そして私は確信した……あんたがあの対決に勝たなければって……そして私は貴方を恨み、憎しみ…憎悪を抱き……そして復讐を考えた)
(そうか…俺が負けてればお前は苦しい思いはしなかったんだな……ごめんな……チヨ)
(うるさい!!!今更謝ってももうパパとママは帰ってこない!!
それに私ももう死んだの……あんたと同じようにね)
(……そうか、これから俺は天に向かう……お前はどうする?地上に残り…怨霊になるか…それとも俺とついてきてまた剣をぶつけ合うか)
(ふふ……付いてくるに決まってるでしょ……あんたは私のライバルなんだから……)
(……そうか………それと心残りがあるとするなら……この世界は終わるのか…と…)
(知らないわ、ビオラ達はこのまま目的を達成させるために動くはず……私が知ったことじゃない)
(…………やはり…チヨ、俺は残る……この地上に)
(!……なら!私も!!)
(お前が残っても意味はない……なぜ残る?)
(あんたがここに残るから)
(はぁ……分かったよ……その代わり俺の邪魔はするなよ?……)
(分かったわよ)
…………………………………………………………………………………………………………………………………………………………………………………。
先を進む俺達。
次の町は、海沿いの町……シーサイド町。
ここもひどい有様で……元の町がどんなだったのか……想像が出来ない。
ギギギ。
!
「魔物か!」
「ここは私に任せて!」
ミリアが俺達に向かって言う。
「分かった」
(ごめんね……)
「ファイアボール!!」
ギギギー!!
人型魔物はのたうち周り死んだ。
……。
「……ミリア」
「何?」
「やるな……流石だよ……魔法使い」
「う、うん」
ミリアはぎこちなく返事する。
そうして俺は一人、他の3人で同じように町中を捜索していると
「ねぇ……貴方……誰?」
!?
突然声をかけられる俺。
その方を向くと、片目はピンク色、もう片方は青い瞳をした小柄な女の子が立っていた。
「!……び、びっくりした……生存者か……俺は瑠璃……お前は?」
「……私は、マール・パレス。
この町に住んでいるの……」
「他の大人は?」
「みんな死んでいったよ……空から何か来て……そしてみんなやられていったの」
「……くっ……白め……」
「何か知っているの?」
「まぁな……それよりも俺達は天界に向かっているんだ……つまり大都、お前はどうする?」
「……付いていきたい……けど……私は弱い……きっと迷惑をかけちゃうから」
「迷惑……か……ククク……あははは!!!」
俺は笑い出す。
「な、何がおかしいの?」
マールは言う。
「子供が大人に迷惑をかけるくらい当たり前だと思ってる。
まぁ、勿論悪いことをしたら怒るし…危険な事をしても怒る。
でも、失敗を恐れて何もしなくなるよりかは迷惑をかけるくらいが丁度いい。
俺も子供の頃はやんちゃをしてて親に迷惑をかけてたからな。
それに、学校とかにもな」
「学校……行ったこと無い」
「お前学校に行ってないのか??」
「うん……私のお家はお金が無いから……」
「そうか……悪いな……なら俺がお前の先生になってやるよ。
他にも仲間が居るからそいつらにも色々と教えてもらえる。
人生なんて楽しんだもんがちだろ?」
「……うん!」
「よし!!行くか、マール」
「うん!連れて行って」
「おう」
その時
コツコツ。
「その子供をこちらに渡しては貰えないですか?転移者さん」
!?
俺とマールの前に現れたのは……青い仮面を付けた者だった。
「お前は!!!仮面の者!!白と同じグループだな!!」
「あ~……そうですよ、それで先程の返事は?」
「答えはNOだ……お前らは悪だ!マールを渡すわけにはいかない!!」
「そうですか……なら、死んでもらいますよ……転移者さん」
すると青仮面の男はハンマーを手に取った。
(こいつ!ハンマーが武器か…、)
その頃、ミリア・アイリ、ババンはと言うと
「魔法使いと巫女…それとジジイ…貴方達には死んでもらいます……」
目の前にはピンクの仮面を付けた者が。
「誰よ貴方!!」
ピンク仮面の女は仮面を地面に投げ捨てた。
「お久しぶりですね〜……先輩……それとお姉ちゃん」
!?
それはミリアにとって後輩の受付嬢、そしてアイリにとっては妹だ。
「ミニカ!!どうして……」
「どうしてって……お姉ちゃんはうざいし、先輩は私以外と仲良くするからです」
「は?何を言って」
「お姉ちゃんさ……私がダメダメって事……ママによく言ってたでしょ?
だから嫌い、そして先輩は……私という後輩がいながらも他の後輩ちゃんにあまくしている……だから私は仮面の一人になったの……そして、私は先輩とお姉ちゃんをここで殺る」
!
「やめてミニカ!!そんな事をしたら、貴方は……人として間違った事をする!
お姉ちゃんが許しません」
「何お姉ちゃんぶってるの?力もあんまり無い雑魚のくせに……それにお姉ちゃん……さっき居た人型魔物……お姉ちゃんと同じ人だった者だよ?
ふふふ、先輩〜お姉ちゃんの同僚……殺しちゃったんだよ〜」
!
「そ、そんな、わ、私は!!!」
「み、ミリア!大丈夫!私は怒らないから」
「隙あり!!」
ガキン!!!
2人が油断した隙に攻撃するミニカだがババンが攻撃を防ぐ。
「ちっ……ジジイ……邪魔しないでよね」
「悪いな、お嬢さん……2人は仲間だから殺されるわけには行かないんじゃよ」
「リュウセイは死んだんですか〜?」
!
「ああ、ワシとその仲間で看取ったわ……」
「へぇ~…死んじゃったのか〜リュウセイの奴……まぁアイツは下っ端の端くれだし、組織としては問題ないんだよね〜。
ねぇ、貴方……私達の仲間にならない?」
「何を言う?」
「私達のボス……つまりあの方って呼ばれているだけど、その人には貴方達じゃ勝てないから。
だから、仲間になったら死なずに済むよ?悪くないでしょ?」
「くだらん……そんな奴の配下になるくらいなら死を選ぶわい」
「へぇ~ジジイのくせに長生きしないんだ……残念だねぇー!!!」
くっ!!
(こいつ!!腹立つ奴じゃのぅ……いちいち感に障るような言い方をする……)
「ほら〜お姉ちゃんもかかってきなよ?それとも怖気付いた?
妹が相手だと手を出せない?ふふふ」
「だ、出せるに決まってるでしょ。
ライトボール」
「よっと!」
アイリの攻撃はミニカに簡単に避けられる。
(……)
「バーカ、当たらないよ〜だ」
「クソ!!野郎が!!!ファイアノヴァ!!!」
!
ババンは高温の炎の玉をぶつける。
「そんな無駄!!クリスタルバースト!!!」
ミニカが手から放った大きな氷の結晶。
それはババンの放った炎の玉とぶつかり相殺する。
(何!?アヤツもかなりの魔力を秘めて居るのか!?)
「チッチッチッ〜そんなんじゃ私には勝てないよ〜。
それよりも先輩〜何考えているんですか〜二人が戦っているのに何しているです〜?」
「あんたを潰す事よ…………あのさ一つ聞きたいんだけど…レイラも殺ったの?」
「レイラ?あ~先輩の同僚さん?確かクリーム色のロングヘアの人でしょ?
殺ったよ?私が一番最初にね」
!
「どうして……どうしてよ!!!」
「あんな価値の無い人間が生きていても意味なくない?新たな世界の人間として無価値」
(価値がない?……価値?)
「それにステータスも冒険者以下……まぁ受付嬢ってのもあるけど…この世界に残すだけの価値がない……だから魔物に変えたのよ。
苦しみながら魔物になっていったわ……。
どうして!!!どうして!!ミリア助けてってね?
あはは!!面白いね、人の終わりって。
バカみたいな顔をするんだから」
「……」
「ねぇだんまりじゃ面白くないよ、先輩〜」
「許さない」
「へ?なんて?もう一回言ってね?」
「許さない!!!!」
ミリアは憎しみの顔をミニカに向けた。
「こっわ、バケモノ見たいな顔、いや魔物見たいな顔かな?」
「アイリ、ババン……私がコイツを一撃で潰す……ごめんねアイリ……後で私を恨んでいいから、処すなら処してもいいし」
「ミリア、私はもうこの妹を放っておくと何をするか分かりませんから気にしなくていいですよ。
巫女と人々達を殺した罪、贖ってもらいますから……その命で」
「ミリア、ワシも怒り心頭じゃ。
ワシらの怒りも込めて倒してくれ」
「うん!」
「ちょっとちょっと〜何勝った気でいるの?それに先輩……人を殺れます?
怖いですよね〜、魔物ですら震えて倒せないのに〜」
「言いたいことはそれだけ?……もう……貴方だけは絶対に許さないから!!!」
(コイツ!!顔がガチ!?マジで私を一撃で倒す気でいるの!?笑えるんですけど〜!!)
「はあああ!!!」
ミリアは杖に魔力を込める。
(ふ~ん……魔力を溜めて一撃で倒すつもりってことね。
でも、残念……私を倒せるくらいの魔力も無い……それに)
ガキン!!!
(何!?)
「溜めている間に隙が出来るとでも思ったか?残念じゃが……それは無理じゃ」
「邪魔しないでよ!!!はああ!!!」
「ぐわああ!!!」
(ふっ!先輩まであと少し!!!)
「ライトシールド!!!」
!
ミリアを包む光のシールド。
それを使ったのはアイリだ。
「お姉ちゃん……そんな程度のシールドでどうにか出来るとでも思ってるの?
それにミリア先輩が私を倒せるとでも思ってる?期待するのも大概だと思うよ。
私はお姉ちゃんになんか負けない……」
「ミニカ……もう信じなくてもいいけど私は一度も貴方の悪口は言ってない。
それは母さんが勝手に言ったこと……」
「何?母さんに罪をなすりつけるとか巫女としてそして……フリール家として恥だわ!」
「貴方が恥なのよ!!!そんな悪に染まって!!それが神の声を聞く者……巫女の末路なんて私はもううんざりだわ!!!」
「なに~?神、神、神ってうざいんだよ!!!死んじまいなー!!!
デッドオブバースト!!!!」
!!!
「きゃあああ!!!!」
パリン!!!
それは特大の魔力の爆発、それはアイリとミリアを包むシールドごと破壊する。
……。
「あは?あは?あははは!!!!何が神よ?あんたには神なんかつかない……結局強さが正義なのよ!!!
そんな存在すらあり得ないものに信じる馬鹿は死ぬんだよ!!!!ザマァないね!!お姉ちゃん」
ミニカは大笑いしながら叫ぶ。
………。
………。
(アイリ……ミリア……そんな……生きていてくれ……)
「……笑うとか……しょうもないね」
!?
ビュン!!
煙が突然の突風によって吹き飛び、そこには無傷の姿のアイリとミリアが居た。
!?
(あ、あり得ない……私の攻撃が通用したはず!?お姉ちゃんも悲鳴をあげたし)
ミニカは動揺する。
「そう……なら、少しだけ神の力を見せてあげる……これで信じると思うから」
アイリは静かに言う。
!
「我が声に耳を傾けてください……雨の神よ……私達にそして命を奪われし者達に恵みの雨を」
アイリは膝を付き祈りを込める。
(バカじゃないの!そんなアホな祈りで雨が降るわけないでしょ!アホすぎる)
するとどうでしょう……
空がだんだんと暗くなっていき
(嘘でしょ?!)
ポツ、ポツ、ポツ
雨が降ってきた。
「あ、あり得ない……神が……存在するはずが!!!……あ、あ……あ、あ」
「ふふふありがとうございます神様………………ミニカ、私が助かったのも神のお陰でもある……」
「ふ、ふざけないで!!!なら!私にだって!!!」
するとミニカもアイリと同じように膝を付き祈る。
「我が声に耳を傾けたまえ、神の雷よ…アイツラを滅ぼせ!!!」
……。
しかし、何も起きずひたすらに恵みの雨が降り注ぐ。
「な、なんで!!なんで!!何で私の祈りが通じないの!?」
「そんな祈りで神に届くと思ってるの?」
「何?!」
「私は、神の為なら命も投げ捨てる覚悟で呼んだの、私は巫女……神に少し近い存在。
神は私たちよりも上の存在……そんな悪の心が染まった者に手を貸さないわ!!」
「ふざけるな!!!!!お姉ちゃんなんか死んじゃぇー!!!ゴッドオブフレア!!!!」
!
それは大きな炎の塊、それはアイリ達に向かっていく。
(なんだあれは!!!ワシでも見たことない……アイリ!!ミリア!避けろ!!!こんなのぶつかったら!!)
「………」
(何?!なぜ避けない?……ふふバカじゃないの!!!気でも狂ったのかしら、さすがにこれは神の力も合わさった炎の魔法攻撃、受け止めれるわけない!!それに神の加護がそう簡単にまた使えるはずが無い!!つまり死……ふふふふ)
「……アイリ」
アイリは静かにミリアの方を向き
「大丈夫……魔力を溜めてて……そして一撃でミニカを………お願い」
「うん…」
そうして元の向きに戻り
「……神よ……我が声に耳を傾けてください……光のシールドよ!!!何も通さない私達を守る盾になれ!!………ライトシールド!!!」
!
バシュ!!!
!?
「な……な……何で!!!何で私の攻撃が防がれているのよ!!!あんな……あんな!!!あんな!!シールド如きに!!!!」
「私は神の声を聞く者……そんな悪に染まった攻撃なんかに負けはしない!!!」
「あ、あり得ない!!!こんな事が!!あるはずが!!!私も巫女のはずなのに!!!
神の声を聞く者のはずなのに!!!」
「トドメよ!!!」
!
「ミリアやっちゃって!!」
!
(そんな攻撃避けてやる!!!避けた後にトドメで殺してやる!!!)
「神の圧!!!」
!
「きゃあ!!!な、何!?上から押さえつける圧!?立ち上がれない!なんなのこれ!!!」
「神の圧力……これで立ち上がることなんて無駄だから、まぁ立ち上がったら余程の強さだと思うけど?」
「か、神……そんな……そんな!!!」
「ミニカ……ごめんね……ダメな先輩で。
でも……悪に染まった以上……消えてもらう!!」
「嫌だ!!!死にたくない!!死にたくない!!」
「マジックバースト!!!最大出力!!!いっけ~!!!!!」
!
「嫌だ……いや……いやー!!!!!!」
ドカーン!!!!
それは特大の魔法攻撃、それは街を超え近くの山を貫通した。
「はぁ……はぁ……がはっ……」
ミリアは吐血し膝をつく。
「ミリア!光の加護を」
アイリは優しい光をミリアに当てる。
「……ふぅ……はぁ……うん……ありがとアイリもう大丈夫」
同時刻
「!」
(今のは!?)
青い仮面の男が言う。
「あっちはミリアとアイリ、それにババンさんの方!何かあったのか!?」
「この感じ……おい!転移者……さらばだ!!」
!
(は?)
青い仮面の男は何処かに消えた。
(奴は消えたのか?………ミリア達が心配だ!向かわなくちゃ)
「マール」
俺はマールを抱きかかえ、ミリア達がいるであろう場所に向かった。
(ミリア達にも敵が居たのか?だとしてもあの3人だ……無事だといいが)
数分後
俺が駆けつけると、退屈そうに待っている3人が居た。
「え?……あれ?3人とも……無事?さっき、そっちでとんでもない魔力と圧を感じたよ?
それに突然雨が降ってきたし」
「ふふ、こっちでも仮面の者が居たの」
「え!?それで倒せたの?」
「倒せたよ……。
そっちはどうだった?」
「こっちも青い仮面の者が居たんだけどなぜか逃げ出したんだよ。
それと生存者も居たよ」
「それって瑠璃が抱っこしている子?」
「うん、マールっていう子だよ」
!
「その者をよく見せてくれんか?」
ババンが言う。
「いいよ」
俺はババンに近づく。
「ほぉ……両目とも違う色か……」
ババンは言う。
「違うと何があるのか?」
俺は言う。
「そう言う子らはあまり言いたくはないが……よく高値で売られている子が多かった」
!
「それって誘拐されてとか?」
「ああ、この町ではそんな事は無かったか?」
ババンはマールに向かって聞く。
「ううん、あんまり無いよ。
たまに私と同じ瞳の子が居なくなっちゃう事はあるけど」
「悲しいもんじゃな………マールよ、お主はワシらについていくんじゃな?」
「うん!」
「それなら、剣技や魔法は出来るかのぅ?」
「えっとね」
マールは手のひらをババンに向ける。
「ファイアボール」
!
「アイスボール」
バシュ。
マールの放った弱々しい魔法はババンの魔法に簡単にかき消された。
「むぅ〜……」
マールは頬を膨らませる。
「今ので少し分かった、魔力が極端に弱い……剣技の方が得意かもしれん。
少し広い場所でやってみるか?」
「うん!」
そうして俺達は一旦町から出て少し広い場所に付き、マールに剣を渡した。
「やぁ!」
マールは剣を無邪気に振る。
(あはは、まだ子供だから剣技とかあんまりわかんないか)
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