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第87話 北河内紀行 楠木氏の史跡

☆ 楠木正儀と榎並城 ☆


楠木の痕跡を求め北河内へ。ここは榎並城跡(今の野江水神社と榎並小学校)。北朝に帰順して東条を追われた楠木正儀が最初に拠った渡辺氏の支城です。後に一族を含む南軍に攻められた正儀は榎並城で幕府加勢を待つが、正儀に反発する幕府諸将は、淀川の対岸まで進軍するも助けようとせず傍観しました。(2025/06/02)


北朝に転じた楠木正儀は河内北部を掌握し、榎並城→瓜破城→平尾城と徐々に拠点を南へと移し、南軍を圧迫したものと思われる。しかし康暦の政変の後、南朝へ復帰しようとしていることを幕府に悟られ、差し向けられた山名軍に平尾合戦で大敗。平尾城を放棄して東条(赤坂城?)に戻ったものと思われる。(2025/06/04)


☆ 楠木正澄と一休さん ☆


写真は一休さんの母のものと伝わる墓。家紋は菊水です。ここ三ツ島(倉満荘?)は南北朝合一後に楠木正儀の子(弟?甥?)正澄(伊予守楠木正顕?正顕の子?)が移り住んだとされる。南朝側の官女だった正澄の三女(伊予局?)が京の内裏に出仕し、後小松天皇に見初められて生んだのが一休という話。(2025/06/03)


私見だが、正澄は楠木河内守正儀の子ではなく、楠木伊予守正顕の子で、後を継いで伊予守だったのではないか。伊予守(正顕)は一次資料にある実在の人物だが、後世に伝わらなかった為、その実績が正儀のこととして伝承されたのか。和田賢秀が正成の甥というだけで正季の子として伝承されたのと同じでは…(2025/06/03)


☆ 浄瑠璃演目 楠葉道心 ☆


浄瑠璃の演目、楠葉道心ゆかりの久親恩寺です。楠木党の篠崎六郎が幼い姉弟を残し行方を眩ます。楠木正儀が憐れんで姉弟を引き取るが、姉は尼になりここに庵を結んだというのが寺の縁起に纏わる因話。正儀の没年が載った過去帳があったが十年前の火事で焼失。寺紋は流れ菊水。水の部分が異なります。(2025/06/05)


☆ 楠木正儀の猶子と忠臣 ☆


津田サイエンスヒルズから南を見上げた写真。この向こうが津田城跡。津田監物の祖先で、楠木正儀の猶子という津田正信が築いたと伝わるが、築城は孫の世代か。元々、楠木正成に味方した十市範高(中原氏)が近くの国見城(津田古城)に入って津田を名乗り、湊川合戦後に幼い正儀を匿って養育したという(2025/06/06)


この山田池公園の辺りが津熊氏の館跡。津熊三郎は楠木正儀に従った忠臣です。他にも北河内・摂津には先の津田範高を始め、笹田五郎、交野秀則、渡辺左衛門尉など楠木氏に味方する武士がいて、東条を出奔して北朝に転じた正儀を支えました。小説 正儀伝は彼らもそれぞれ重要な役割で登場させています。(2025/06/08)


☆ 楠木兄弟の従兄弟 和田賢秀 ☆


四条畷にある和田賢秀の墓。楠木正行・正時・正儀兄弟の従兄弟だが、楠木正季の息子とされるのは正成の兄弟の中で正季の名が有名だったからか。一般的に楠木正成の甥だから、この和田は河内和田氏であり、読みは「わだ」と解釈されるが明確ではない。昔から物語などでは「みぎた」と伝承されていた。(2025/06/11)


諸説あるが私の理解は、和田賢秀は熊野国造/橘氏流の和田(わだ)ではなく、大中臣氏流の和田(みぎた)氏の分家筋。楠木正成と姻戚を結んで味方し、その功で和泉国の「岸」を所領とし「岸和田(きしわだ)氏」を名乗るようになる。しかし四條畷合戦前に「岸」を失い、再び和田(みぎた)を名乗ったというもの(2025/06/12)


誤解生じる書き方だったので捕捉します。楠木正成と姻戚関係を結び、岸の地を与えられたのは和田賢秀の祖父や親くらいの世代。私の小説では岸和田治氏の兄弟が和田正氏で、楠木家の猶子となり正成の兄弟になったとしてます。その正氏の子が賢秀という設定。(2025/06/12)


☆ 小楠公 楠木正行 ☆


四條畷神社です。主祭神はもちろん楠木正行。正時も奉られてます。この日は七五三に詣でる子をペコちゃんがお出迎え。今時は誕生日に詣でる家族も多いそう。社務所に楠木三兄弟物語が貼られてました。ただし、正儀は奉られてないので、愛知の三法神社の摂社、楠公神社へ。正儀を奉る唯一の神社だとか。(2025/06/13)

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