第16話 アイギスの街②
俺は走りながら【魔闘気】を発動しつつ、槍の攻撃力を高めるために【魔力撃】も同時に使用。スキルに必要な魔力は昨日1日休んだお陰で、回復仕切っているから、すぐに尽きる心配もない。そして、今から戦闘をするため、相手の特徴を調べる。まずは体格や動作、武器など、視覚から取り入れられる情報を分析。
(見るからに物理に強そうだが、一応ステータスも確認しておくか。)
【鑑定眼】を発動させ、オークのステータス欄を見ていく。
ーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー
種族:オーク
Lv23
HP427/760
MP39/39
筋力 114
耐久 128
敏捷 21
魔力 13
ランクD
耐性スキル
【物理耐性Lv2】【衝撃耐性Lv2】
ノーマルスキル
【剣術Lv1】【斧術Lv1】【怪力Lv3】
【繁殖Lv6】【衝撃吸収Lv2】
ーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー
(本当に見た目通りのステータスだな。)
スキル、能力値、そのどれもが見て予想できるような構成。スピードは遅く、物理には強い。特に物理の中でも衝撃に対する耐性が非常に高くなっている。格闘主体の戦闘方法だったら、苦戦は免れない。だが俺の主力武器は槍。衝撃耐性の対処法を考える必要もない。
オークは物理耐性が高いだけでなく、その巨体から繰り出される攻撃は木をへし折る程のパワーだ。無闇に近づき攻撃を食らうと、まともに身動きがとれないくらい、ダメージを受けてしまう。だからオークと戦闘の際は、前衛が攻撃を無理に行わず、後衛が隙を見て攻撃するのが基本。
(先ずは投擲で数を減らして、そこから接近するか。)
槍で遠距離攻撃と言ったら投擲しかないため、武器を消費するがやむを得ずその攻撃手段をとる。
【魔闘気】で全身から放出してる魔力を、利き手である右腕に集中させる。そして集中させた魔力を更に槍に纏わせ、【魔力撃】で内側から、【魔闘気】で外側から槍を強化。これらは、今から行う投擲の威力を上げるための準備でしかない。
何故ここまでするのか?
オークの防御力は高く、投擲の威力が弱いと、ダメージを録に与えることが出来ないまま戦闘することになってしまう。そうなることを防ぐためにも、今の行動をしていることになる。
(距離的にもそろそろ頃合いだろ。)
目視になるが、オークとの距離はあと百メートル。戦闘中と言えど、これ以上近づくと音で気付かれる可能性がある。なので、この辺りで投擲をやる。
最後に【身体操作】を使い、数秒だけ身体のリミッターを外し、走る勢いも使いながら槍を全力で投擲。
「ハアアァァァッ!!」
投擲に使用させた槍は、物凄いスピードで飛んでいき、百メートル離れたオークに2秒とかからず直撃する。その後も威力は衰えず、直線上に居たもう一体のオークを貫き、やっと地面へと落ちていった。自分でも予想以上の威力。リミッターを外したのが原因だろう。
(死霊騎士のときは必死で気づかなかったが、リミッターを外した攻撃はこんなにもエグいのか…)
【身体操作】でリミッターを外した反動で、身体が痛いのも忘れてしまうくらい、とんでもない攻撃だった。途中で当たってしまった木は、部分的に抉り取られ、今にも折れそうになっている。余りの凄さに気を取られ、次の行動にすぐ移れなかった。
【経験値を360獲得しました】
【経験値を385獲得しました】
しかし、それも一瞬のことで、経験値獲得の声で直ぐに我に戻る。
槍を投擲し終えた後の状況を確認しながら、走ってオークの元まで近づいていく。その途中、再び【アイテムボックス】から槍を取り出し、戦闘体勢に入る。そして、護衛たちの近くに来てから、声をかけた。
「手助けに来た!今から援護させてもらうぞ。」
「お、おう、それは有難い。」
槍の投擲のこともあり、若干戸惑ってはいたが、援護の許可は貰うことができた。今、返事をしてくれたタンク以外の面子を見ても、助っ人に入ること自体は問題ないらしく、肯定の意思を示している。
現状はこちらが5人で、敵であるオークは投擲で2体減って、残り6体となっている。今のオークが減った状態なら、わざわざ援護しなくても倒せると思うが、手助けに来たと言ったからには、最後までやりきるつもりだ。
「見たところお前は槍使いみたいだから、俺が攻撃を防いでいる内にダメージを与えてくれ!」
戸惑っていたタンクの奴も、直ぐに気を引き締め直し、簡単な戦闘の指示を出してきた。
「了解っ!守りは任せるぞ!」
「フッ、任せておけ!」
短い会話の中で大まかな役割を決め、迫り来るオークを倒すべく、戦闘に集中。タンクの奴は有言実行の如く、直ぐ様スキル【誘導】を使い、オークの攻撃を集め始める。
(任せておけと言うくらいには、練度がある。)
オークの攻撃を集め、複数の方向から斧や剣が来るにも関わらず、そのどれもが盾で受け流される。その上、他の仲間の状態も見つつ、体勢が崩れかけている所にはカバー。見ていて流石の一言に尽きる。
(俺も、そろそろ攻撃し始めないと。)
仲間の連携具合やオークの動きを見ていたが、その様子見も終わらせ、攻撃を開始。
タンクが作った隙を付き、オークの脳天目掛けて、【魔力撃】を発動させた突きを放つ。貫通力を高められた矛先は、オークの頭を貫き、赤黒く染まった肉片が周りに飛び散る。
【経験値を370獲得しました】
【レベルアップしました】
身体が暖まり調子が良くなってきたので、次のオークを標的に定め、一気に凪ぎ払おうとしたが、最早残っているオークは1体だけになっていた。他のオークは既に斬り殺されていたり、火属性魔法によって焼死させられたあと。周りを見渡せば、オーク死体がそこら辺に転がっている。
(これはもう、俺の出番はなしか。)
想像以上に自分の仕事が早く終わり、呆気ないと感じたが、早く終わる分にはいいのだろう。そして、その最後に残っている1体にしても、魔法使いが足を封じる為に放った風属性魔法が直撃していた。
「ブギャャャァァッ!!」
オークはふくらはぎ部分を半分ほど切断され、余りの激痛で泣き叫ぶ。だが、オークの悲痛な叫びが聞こえたところで、情けを掛ける筈もなく、剣士の見事な一刀によって首を切り落とされる。
ーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー
フェルト 男 年齢:15 種族:ヒューマン
職業:槍術士Lv8/50
Lv25
HP583/658
MP91/150
筋力 117 (+23)
耐久 34
敏捷 142 (+28)
魔力 50
パッシブスキル
【根性Lv1】【危険感知Lv1】
【気配感知Lv1】
耐性スキル
【恐怖耐性Lv2】【物理耐性Lv1】
【斬撃耐性Lv1】
魔法スキル
【水属性魔法Lv2】
ノーマルスキル
【格闘術Lv2】【剣術Lv1】【槍術Lv4】
【言語理解Lv5】【思考加速Lv2】
【身体操作Lv3】【歩法Lv2】
【限界突破Lv1】【魔闘気Lv1】
【魔力撃Lv1】
ユニークスキル
【鑑定眼Lv‐‐】【アイテムボックスLv‐‐】
称号
【選ばれし者】【ゴブリンキラー】【逆境】
【願い】
ーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー




