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第12話 今後の目的



ダンジョンから脱出でき、これから街に向かうつもりだけど、そこで生活をするには当たり前だが、金が必要。一文無しでは、とても暮らしていくことは出来し、飯も魔物の生焼け肉になってしまう。そんなことは、断じて許容出来ない……出来ないが、今の俺はその一文無しだ。


「さすがに町に行けたもしても、金がないじゃ話にならないしな。」


だけど俺は金がないだけでなく、無職である。ステータス欄には農民とか書いてあったけど、実際は只の穀潰し。

無職のままでは稼ぎ口ない上、外聞的にも聞こえが悪い。美味い飯にありつく為にも、何かしら仕事に就くべき。


(しかし、仕事に就くと言いはしたが、何の仕事が俺には向いている?)


【選ばれし者】や【鑑定眼】があるから戦闘職が向いていると思う。でも、戦闘をする職業といえば、盗賊…はまずあり得ないとして、冒険者辺りが妥当だろう。







冒険者…それは、人族に害をもたらす魔物等を討伐する職業だと基本的に思われている。確かに魔物を討伐するのもそうだが、実際には貴族や商人の護衛、薬草などの採取、それ以外にも幾つかあるが、複数の仕事を請け負っている。言うならば何でも屋。それが冒険者だ。


冒険者は、強さや仕事効率で順位付けをされている。細かい採点は、どのような方法で付けているか解らないが、これは分不相応な仕事を与え、死者を出してしまうのを防ぐ為の処置らしい。


順位付けをすれば、下位冒険者が高難易度クエストを受けることもなくなるので、死者の数が減るとの事。昔はこの制度がなく、新人冒険者がよく亡くなっていたと聞く。


順位付けは、ランクと言われるもので表す。ランクは全部で八つあり、上から順にS、A、B、C、D、E、F、Gで構成されている。ランクの基準でもある強さは、戦闘経験が少ない俺にはうまく説明できないので、ステータス欄を参考にするが、ゴブリンはランクFで、死霊騎士はランクCだった。これを参考に自分のステータスを見てみる。



ーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー

フェルト 男 年齢:15 種族:ヒューマン

職業:農民Lv27/30

Lv21

HP470/470

MP4/91

筋力 89

耐久 26

敏捷 103

魔力 31


パッシブスキル

【根性Lv1】【危険感知Lv1】


耐性スキル

【恐怖耐性Lv2】


魔法スキル

【水属性魔法Lv2】


ノーマルスキル

【格闘術Lv2】【剣術Lv1】【槍術Lv3】

【言語理解Lv5】【思考加速Lv2】

【身体操作Lv2】【歩法Lv1】

【限界突破Lv1】【魔闘気Lv1】

【魔力撃Lv1】


ユニークスキル

【鑑定眼Lv‐‐】【アイテムボックスLv‐‐】


称号

【選ばれし者】【ゴブリンキラー】【逆境】

【願い】



ーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー



ステータスを見た感じ、転移魔術で魔力を消費したのと、【思考加速】を多用しててLvアップしたこと以外変わりないな。そして今の俺は、能力値やスキルの練度から見るに、冒険者ランクで表すなら、ランクDといったところ。


ランクDは、最も冒険者の数が多いランク帯。一人前になるには、ランクDになることだと言われるくらい数が集中している。そのランクDに、俺は成れるだけの実力が現時点である。なら当然、早く冒険者になって金を稼ぎたいと思うものだろう。


尽きかけていた魔力も回復し始め、今後の目的も決まった。目的が決まれば次は、行動に移す。善は急げだ。


「そうと決まれば、ここで休憩してないで、早く町を見つける必要があるな。」


街を見つけたいが、現在地が解らない。転移してきたから当たり前なのだが、どちらの方向が正しいのか解らない状況で無闇に進んだら、森の奥に行く可能性があるので適当に歩くことも出来ない。


まぁ、一直線に歩いていれば、その内どこかに出られるけど。色々と考察をしてみたが、ここに居続ける訳にもいかないから、結局歩くことにした。








時間にすれば、一時間程森の中を移動した。最初の頃は、体力温存のためにも歩いていたが、それでは時間が掛かりすぎる為、現在は【歩法】を使って、消費を押さえつつ走っている。


走るスピードは、百メートルを20秒ペースで維持。本当はもっと速く走れるが、ここが森とのこともあり、木々を避けながら移動しなければならない。その為、ペースを落とした、今の速度が保たれている。



走行中、突如、木枝が折れる音がした。



ここは、先程も言ったが森である。基本的に人族の生活範囲外で、いたとしてもエルフや獣人。だが、エルフや獣人にしても、生活するときは集落を作るので、中々出会えるものではない。なら、森の中で暮らしていて大勢いるのは、消去法で考えて、野生動物や魔物の類いになる。


魔物だった場合すぐに対応できるよう、【アイテムボックス】から槍を取り出し、周囲に意識を向ける。気配、音、一つ足りとも情報を見逃さない為に、五感を研ぎ澄ます。


(魔物だったら、第壱の型[制空権]の練習相手になってもらうか。)


魔物だとしても、レベルアップやラグナ流の練習が出来るので、問題ないと考える。しかし、死霊騎士クラスの敵が出てきた時は、命を第一優先にして、悪いが逃げさせてもらうつもりだが…




瞬間――――狼らしき魔物が10センチはある牙で、俺の胴体を食い千切ろうと、草むらの中から飛び出してきた。


五感を研ぎ澄ましてたこともあり、突然来たその攻撃に【危険感知】より早く反応することが出来た。片足を軸にして、最小限の動きで噛みつきを回避。


本来ならここで反撃をしようとするが、他にも複数の気配があったので、攻撃に備え感覚を集中させる。



【気配感知を取得しました】



数日ぶりのスキル取得。

気配感知…スキル名からして、役に立つ効果がありそうなので、早速使う。すると、相手の気配が手に取るように解る。気配の数は九つ。さっき噛みつこうとした魔物を含めれば、全部で十。想像以上の数。


俺が気配を察知したのに気づいたのか、草むらに隠れていた魔物すべてが、此方を見据えながら出てきた。姿を現した魔物は、そのどれもが最初に襲い掛かってきた、狼系の魔物と同じ姿形。


(どうやらこいつらは、集団で群れて獲物を狩るみたいだな。)


【気配感知】で探っても、これ以上気配が見つからないので、槍を構え直し、情報分析を始める。




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