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あとは頼んだぜ


池袋東口付近にて、

龍太郎と時季誠、そしてカミラは目の前のおそらく兄妹であろうアダマスエスパー2人を睨んでいた。


ガンホ、ジュンと呼び合う2人はまだ10代のように見える。

仲がいいのか悪いのか、ひたすら言い合いばかりをしているが滾り出すオーラは初めからとてつもなく大きく凶暴だ。

しかも、喧嘩をする度にどこかの建物が崩れたり窓が勢いよく割れたりという現象まで起こっている。



「いっけぇえーーっ!ガンホ!」


「おまっ!命令してねぇでお前もやれよな!!俺にばっか毎回頼るんじゃねえ!」


ガンホが杖のようなものをヒョイヒョイと動かすと、突風と共にたくさんの破片や瓦礫がこちらに向かってきた。


ピタッー!


しかしそれは、時季誠の時間操作スキルによって一瞬止まり、その隙にカミラも龍太郎も避けることができた。



「あ〜あ!ガンホしっぱぁ〜い!あはははは」


「うるせえ!!次はお前の番だジュン!」


ジュンという少女も、杖を大きく一振した。

すると今度はたちまち雨雲が出て雨が降り、雷が落ち始めた。



「しっ、信じられないっ!こんなことってあるのか!」


カミナリを避けながら、時季は驚愕する。

いくらアダマスだからといって、ここまでとは思わなかった……!

こんな見たことも聞いたこともないスキルがさぞ当たり前のように存在していたとは!



「つっ!ダメだ、速すぎて私の時間もなかなか操作が効かないっ」


「アタイのスキルと龍太郎のスキルは、アイツらの前ではかなり分が悪いよ……どうしよう」


「くそ!!このままじゃ全員やられちまうぞ!」



龍太郎は自分の龍を出し、アダマス2人を少しでも足止めするために向かわせた。

その隙に、カミラが「5000カロリー!」と叫んで宙に上がり、ドッカーン!と地上を壊した。


「タイム」と唱えた時季が、一瞬でガンホとジュンを攻撃が当たる位置に組み替えた。


ドカドカドカ!!!

ドゴゴゴーーーン!!



「はぁっ……やったか?!……な?!」



埃と煙の中から現れた2人は、なんと何事も無かったかのようにまた口喧嘩をしていた。



「もお!だから言ったじゃん!ガンホのバカ!」


「なんだとこのノロマ!お前が俺のケツ押したからだろ!」


「私の腰骨に触れたからでしょこの変態シスコン!」


「ああん?!誰がシスコンだあ?!この勘違いボケ!」


言い合いが止まらない2人の元に、割って入るように龍が飛んできた。


しかし……


シュパッー……!!



2人が同時に振った杖により、なんと一瞬で消されてしまった。


龍太郎は唖然とする。



「もう!こーなったら!私とガンホのどっちが早く殺れるか勝負ね!」


「おお!受けて立つぜ!よぉぉおいドンッ!」



ズザザザザザ!!

ゴゴゴゴゴゴゴ!!



時季もカミラも龍太郎も、自分のスキルが間に合わなかった。

まるで大きな竜巻に飲み込まれるようにして全ての下敷きになった。



「あれっ?終わっちゃったじゃん!

ねえ今のは私の勝ちだよねっ?」


「はぁ?!俺だよ今のはっ!ばーか!」



言い合いをしながら遠ざかっていく2人。

それを、龍太郎は瓦礫の隙間から虚ろな目で見ていた。


最後の力を振り絞れ……!

ただで死ぬなよ俺っ……!


龍太郎が出したのは、ほんの小さな龍だった。

そこに自分の記憶を持たせ、最期の力で飛ばした。



虎太郎……

あとは頼んだぜ……

悪いな……







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