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第二十話 聖典の名は

「なーにもみーつからなーーいーーー」


ぐでんと机に突っ伏しながら欠伸をする。

今日もあの後、一日中図書館に篭っていたが何も成果は無いままだった。

この数日古い歴史などかなりの本を読んでいるのにこれだ。進展が無いというのは精神的にくるな…


「お疲れ様です。ユート様」

「ありがとうアンジュさん…」


アンジュさんも俺に付き合ってた筈なのだが、疲れている様子が全くない。今もこうして俺にお茶を出してくれている。


「これだけ探しても無いとなると、もっと違う種類の本も調べた方が良いかもですね」

「そうですね。まだあるとはいえ、歴史に関する書物以外も調べてみましょう」

「うへぇぇ自分の為とはいえ、後何冊あるんだろう?」

「おそらく…全体で10万冊程かと…」

「聞きたくない!!」


ーーーーーーーーーーーー

日も暮れはじめたので、アンジュさんには先に帰って貰う事した。

俺はもう少しだけ残ると言い再び本の山に目を向ける。

アンジュさんはそんな俺を見て静かに席を立つ。


「では、先にお屋敷に戻りますね」

「う、うん。俺もすぐに、帰るから」



……計画通り

完璧な演技だ。

あまりの自然体。

そのまま俺はアンジュさんを見送り、ある一画へと周りに人がいない事を確認しつつ歩いて行く。

実は先程本を探している時図書館の一角にエロ本コーナーらしき所を発見したのだ。

しかもそれらは、スキルか何かで撮ったのか写真集や日本製みたいな絵柄のマンガみたいなやつもあった。

すげえな王立図書館!

置いといて良いんすか!?

とびっくりしたのだがここは異世界。異世界なのだ。細けぇこた良いんだよ!

いやいや喜んでないっすよ?けっして。


「おぉ……」


知らない内に声が漏れていたらしい。

そこはまさしくピンクな空間。

やばいっす、高1には。

ううっドキドキするよぅ……

はい?美少女に囲まれておいて何言ってるんだって?

確かにこの世界に来てレオナのおっぱいに触れたりする機会はありましたよ。ええ最高でしたとも、ありがとうございます。

けどな、その、あれだ、そーいうことの時に知り合いというか身近な人とか思い浮かべると訴訟も辞さないと罪悪感って出てこないか?

俺は出ました。


……だから、ここにあるのは全く心配する必要の無い聖典なのだ。

表紙からして猫耳や犬耳の女性のナイスなボディがたわわんと見受けられる。


……これはそう、俺の能力について調べる為に仕方が無い事なのだよ。

今までアンジュさんと調べていた系統の本にはそれらしい事は書かれてなかったしさ!

そしたら違う系統も見なきゃさ

もうしょうがないなぁ

俺だって本当はイヤなんだぜ?

こんなエロいのなんてさ。


「さあ何から読もうかな!?」


如何せん本が多いな

やはり1番最初は重要だ。

良く吟味して見なければ。


……?

何だろう、あそこの棚が気になるな。

ふらふらと棚に近づいた俺の目には


『ご主人様とラブラブチュッチュッ!』作マリリンたん


と題名が書かれているエロマンガが写った。

なんだ!このエロマンガは!?

表紙の絵柄に惹かれて手にとってみたのだが、絵がすげー上手い。

この日本みたいなクオリティなんなの。

早速読んでみようか。


『はあはあ!ご、ご主人様っ大好きですっ』


おお!オッドアイの美少女がベッドで男と抱き合っている!


『ありがとうございます!この卑しい雌にご主人様の…あぁん!』


え、エロいな!

ドキドキしながらもページをめくるのをやめられない!


『ああ!スキルを!ゴッド・スキルを!お使いになられるのですね!?』


ん?


『ゴッド・スキルである七つの大罪をそんな使い方をされるなんて…あん!』


読み進めていくと『七つの大罪(セブンス・ギルティ)』という名のスキルを駆使したエロ行為が沢山書かれていたよ。俺と同じ様な能力だね。


ははっ

……見つけたね。文献。

うん。びっくりだね。

なんて皆に説明しようかな。


「キミ、いい匂いがするね」


!?

突然後ろから声をかけられ振り向くと、顔が触れ合ってしまいそうな距離にニコニコとした笑顔を浮かべているイケメンが立っていた。


「暇だからブラブラと歩いていたら、何だかいい匂いがしたんだよね〜」

「えっと。あなたもここの利用者ですか?」

「それでこの国に来てみたらキミがいたんだよ」

「そ、そうですか。じゃあ僕はこの辺で…」


なんかやばいなこの人……

『ご主ラブ』を持ち席をたとうとすると、俺の肩に手を掛け顔をさらに近づけてきた。


「とても、美味しそうだ」


おええええ!

何言っちゃてるの!?


「もう我慢できないよ。いいよね?」


さっきから何なの!?

急いで逃げようとした俺の目にイケメンの手に剣が握られているのが見えた。


「いただきます」


そう言いながらイケメンは剣を振り上げる。


勝利は我が手に(デュランダル)


轟音と共に王立図書館は真っ二つになった。





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