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明宵  作者: 水嶋
逢魔時

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人を変える考察

「先日麻里奈さんに会いましたよ」


「みたいだね」


秋も終わりに近づき肌寒くなって来てもうすぐ冬になる頃、田所に近況報告をしていた


相変わらず全身真っ黒だったが、今日はサングラスではなく黒い帽子を被っていた


「どうやら…マナの母親から依頼されてたみたいですが?」


「らしいね。麻里奈ちゃんからテルヒちゃんの事を尋ねられたから説明しておいたよ?」


「そうみたいですね。詳しい経緯を話す手間が省けました」


「そりゃ良かった」


そう言って田所はコーヒーを口にしていた


「あれからマナはどうしてるんでしょう?」


「連絡してないのかな?」


「まあ…ああいう結果になってしまった原因は私にも有りますし…これ以上私は関わらない方が良いかなとも思ってますし…だからマナとのやり取りもマナの連絡先も消してしまいましたから」


「ははは、そうなんだね」


田所は何処か楽しそうにそう答えた


「植咫さんはどうしてるか知ってますか?」


「まあね。知りたい?」


「まあ…友達だし一応仲良かったと思ってますので」


「どうやらね、マナって子は脳死判定された様だよ?」


「そうなんですか?」


「恐らくだけどね、多分近い内に臓器ドナーとして困ってる人々に提供されるだろうね」


「そうなんだ」


以前摩那と話してる時に私の母親の話になってお母さんも祖母の宮乃も医者で、ドナーは慢性的に不足していると話した事が有った


摩那の歳ではまだ骨髄のドナーにはなれないが、臓器の場合は遺族…親などが許可出来る様なので自分も親にはもし自分が不慮の事故などで死亡した場合は困ってる人に提供して欲しいと告げていると話した


その話を聞いて摩那も親にそう伝えると言っていたので、ドナーとして提供する意志は伝えていたのだろう


やはり摩那は素直で良い子だ


「まあ…この脳死も些か怪しい所も有るみたいだけどね?」


「怪しい?」


「なんでも…急変したらしいよ?意識が戻るかは分からなかったみたいだけど、身体は回復して来ていたみたいだからね」


「そうなんだ…」


「まあ…あの子の場合は色々露呈したら都合の悪い偉い人も関わってたみたいだしね」


「成る程…」


恐らく口封じに…

何らかの手を使ったのだろう


摩那や椎那が関わった偉い人は怖い人との繋がりある人も居るしこのまま無事で居られるかどうか…とニリが言っていたと星夜から聞いていたので、その事を聞いてもそれ程驚きはしなかった


「回復して身体が使える様になるのを待ってからと言うこのタイミングも中々だけどね。まあこれで良い見せしめになったんじゃないかな?」


「見せしめ?」


「脅しとも言えるかな?自分達を脅かす様な事をすればどうなるかってね」


「成る程…」


「絶望の果てに死んだ後まで身体をバラバラにされて好きなように弄ばれるとはね」


やはり田所は何処か楽しそうに見えた


「でも…マナは幸せだと思いますよ?」


「へえ?」


「目が覚める事なく辛い現実を突きつけられその現実を見なくて良いまま…身体はそれぞれ違う人の中でこの先生きていけますし。その人の人生が幸せならそれに便乗して一緒に生きていけますし。自分が苦労したり努力しなくても」


「ははは、成る程ね。さすが医者の家系の考え方だね」


似たような事を以前宮乃や韻くんも言っていた

私も確かにそうだと思っていた


「私も家族には不慮の事故などで死んだ場合はそうして欲しいと伝えていますよ?」


「そうなんだね、じゃあテルヒちゃんが不審な死に方したら多分身体の隅々まで調べられそうだから僕は手を出せないかな」


「そうですか…」


田所は冗談か本気か分からないような物騒な事を言っていた


「所で…アレは試してみたかな?」


「あっ、ハイ」


「どうだった?」


「凄い効き目でしたよ?」


「へえ」


「引き摺っても全然目が覚めないし…ずっと勃起してましたし…3回イってましたし…」


「そうなんだね。当の本人はどんな感じなんだろうね?」


「何か…夢精してるみたいだったらしいですよ?」


「成る程ね。じゃあ自分がレイプされてる事にも気付かないかも知れないね」


「でしょうね。参考になりましたか?」


「まあね、僕もたまに使うから。相手がどんな風だったか教えて貰う機会が無いからね」


「成る程…」


恐らく相手に気付かれない様に使っているのだろう

まあこの薬はそう言う目的の為だろうが

そして田所は男も相手にしている様だ


以前どんな人が好みか聞いてみた事が有ったが、本人はお相手は老若男女問わずと言っていたが…

その通りなんだろう


薬を使ってる辺りはまともな関係では無さそうだが


「シイナは…どうなるんでしょうね?」


「まあ…OD気味だったみたいだから体内に色々影響してそうだしね。ドナーとしては難しいかもね。まあ偉い人?とやらが何を考えてどうするかは僕には預かり知らない所だね」


「成る程…そうですね」


やはりこのまま目が覚めない方が幸せなのかも知れない



「所で櫂くんは八神家について何か分かったのかな?」


「まだ…夏休みにも長期で行ってましたが漸く家の片付けが終わりそうだと言ってましたが…でも」


「でも?」


「もう定期的に訪問はしなくていいと言われました。卒業や医師免許取得なども有るから忙しくなるからと…来年からは初期臨床研修も始まるし」


「成る程ね」


「あと…」


「?」


「なんだか…夏休みにおばあちゃんの所から帰って来てから人が変わった様になってて」


「へえ?どんな風に?」


「まあ…悪い風にでは無くて…寧ろ逆に。明るくなってて、何か吹っ切れた様なと言うか…」


「ふむ」


「今まではお父さんにも会いたがらなかったのに仲良く話してたり、お父さんとお母さんが仲良くしてる姿を見てもニコニコしてて。以前は私の家にも寄り付かなかったのに…」


「へえ」


「セイヤが言うには…ロボトミー手術でも受けたかおばあちゃんから何か飲まされたりしたのかって」


「ははは、因みにロボトミー手術は日本精神神経学会で廃止が宣言されたけど近年では再評価されてきてるみたいだね。禁止はされてないけどリスクの方が高いと個人的には思うね。櫂くんも医師の勉強してるならその辺の危険度は分かってそうだけどね」


「ふむ」


「確かお婆さんは対人恐怖症気味ではなかったかな?人を変えるようなそんな薬物を手に入れる伝手は有るのかな?」


「確かに…それは無理でしょうね…」


「多分だけど別の原因がありそうだね」


「ふむ…」


「マコト先生が1番近くにいる人だから聞いてみたらどうかな?何か理由が分かるかも知れないね」


「そうですね…今度聞いてみます」


「また八神家の事について何か分かったら教えて欲しいな」


「それは構いませんが…」


「勿論困った時にはささやかながら協力はするよ?」


「有難うございます。一つ気になる事が…」


「何だろう?」


「その…人の性格なんかを変える様な薬って有るんですか?」


「まあ…手っ取り早くはメタンフェタミンみたいな物かな?多幸感で陽気になり多弁になると言われてるね。ただ違法薬物だから入手は難しいし所持してるだけで逮捕されるだろうね」


「ふむ」


「あと依存性が高いし最後は廃人になるだろうからオススメは出来ないね」


「成る程」


「まあ…後は合法の物で言えば…長期服用させて敢えて認知症を引き起こさせる…とか?」


「へえ…」


「認知症になると攻撃的になったり無関心になったりと人格が変わる人もいるからね」


「成る程…そんな物があるんですね」


「まあ薬で人格を変えるのは中々難しいかも知れないね。せいぜい向精神薬などの効果位が限界じゃないかな」


「そうですか…」


「まあその手の薬物が必要な時には協力してあげるよ」


「有難うございます」




結局櫂の変化の理由については具体的には分からなかった


近くに一緒に居る…


マコトに今度聞いてみよう


摩那…


関わってはいけない人々に関わってしまった様ですね

椎那どうなるんだろう



そして櫂についてはよく分からないままでした


マコトは何か知ってるのかな?


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