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明宵  作者: 水嶋
逢魔時

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95/162

此方もモヤモヤと

「成る程…そうだったんだ」


9月の最初の金曜日に照陽の元を訪れ質問に答えていた


担任の榎本眞也に関してはまあ静風にも説明してあるので、仲の良い照陽はいずれ耳にするであろうから変に隠し立てする必要も無かろう


「詳しい経緯はマユ原作の漫画でも参照してくれ。まあ18禁だが…」


「じゃあまだ私は見れないね」


「まあ…お前の場合は榎本と同じ事を散々カイとヤって来たから問題ねえんじゃねえか?多分…」


「そうなんだ…そうそう、カイがね!」


そこから櫂の変化や突然の定期訪問中止を言い渡された事などを報告された


正直櫂の話題はどうでも良いし心境の変化など興味も無かった


まあ嫌いな事には変わりない

あのサイコパス野郎の事だからどうせ下らない理由が原因だろう


「ふうん。ロボトミー手術でも受けたんじゃねえか?マコトから。今でも一応合法らしいし」


「正にそんな感じだった!おばあちゃんの家で何か有ったのかなあ?」


「まああの妖怪屋敷で…妖怪ババアに一服盛られたのかも知れんな。なんせお前の血筋だしな」


「それを言ったらセイヤも同じ血筋じゃん!」


「俺は八神家の人間と認められて無い落ちこぼれと部外者マユとのハーフだからな。人体実験もしないしヤバい薬物を何食わぬ顔をして混入させて飲ませたりと言った非人道的な事はしないな」


「根に持ってるね」


「当たり前だ。定期的に釘を刺して置かないとまたお前ならまたやりかねんからな」


「むう!」


コイツは絶対悪い事をしたとは微塵も思って無いな

その証拠に韻の口真似なぞしやがって…少しは反省しろ

それに、もうやらないとハッキリ言わない辺りがそれを物語っていて恐ろしいんだが



「そうそう!後夏休みダイチと2人で遊んだの?」


「遊んだ?あー…まあ一回会ったが…」


キタコレ…


大地と観に行った舞台の件だな

照陽に話すとどうせまた麻由に筒抜けとなり更に追求が面倒なんで照陽にも言わないでいた


以前参観日のお知らせを黙っていた事でその後バレた時に長い間グズって面倒だったのも有り、今後は隠蔽には抜かりない様にと思い知った


勿論大地にも照陽や静風には言わないようにと告げてある

まあチケットが2枚しか無かったのがそもそもの原因だが


キララはやはり俺には友達が殆ど居ないと見抜いていたのかも知れない

流石アカデミー賞女優だな

人を見抜く目も観察力も高いのだろう



そしてこう言う局面の場合は…



「何で知ってんの?」


質問に質問で返すに限る


「ダイチから聞いた」


「まあ…大した事はしなかったな。クラスも違うしゆっくり近況報告やあとシズカの事とか?お悩み相談?」


まあ概ね間違いでは無い

ただそこに舞台鑑賞と言う内容を入れていないだけで嘘はついてない

万が一露呈してもそれで乗り切る算段だ


「ふうん。ダイチもおんなじ様な事言ってたけど…何か隠してる感じがしたんだよなあ」


お前はやはり韻に似て無駄に鼻が効くな…


「お前に隠す事が俺とダイチの間で何か有るか?てか相変わらず仲良いんだなダイチと」


「別に…ただダイチが榎本先生とシズカが仲良く話してる所見かけて不安がってたから。その事について話してる内に流れで?安心させてあげたかったから昔インくんと榎本先生も仲良かったって事とか?マユさんからインくんは当時担任の先生とも関係が有ったって聞いたとか?」


「お前そんな事学校で話たのかよ…誰が聞いてるかも分からんのに」


「それは分かってるし学校では話さないよ。だから家に呼んで…」


「えっ?ここで2人で?」


「そうだよ?学校でダイチと仲良くしてると色々周りが煩いだろうしシズカにも誤解されたく無いし」


「あのなあ…確か昔言ったよな?ホイホイ男を部屋にあげるなって…」


またあの時の様に何だかモヤモヤとした気持ちになって来ていた


「ダイチは別にそう言う相手じゃないし、友達だし、ダイチはシズカの事が好きなんだし」


「好きな相手が居ようがセックスは出来るぞ?男は特にな。インが良い例だろうが」


「成る程…でもダイチはそんな事は好きな人以外にしない気もするけど…」


その言葉に何故かイライラとして来た


「逆に好きとか愛してるとか無くてもセックス出来るだろ?お前や俺みたいにな…」


そう言ってこれ以上無駄口を叩かせない様に舌を入れて口を塞いだ



こちらが話したく無い話題を反らせるには相手の都合の悪くなる話題を振り口を塞ぐ…


まあこれが有効では有るが多分それだけの理由では無い物も湧き起こっていたのだろう





○○○○○○○○○○





「すまんな八神…」


「いえ」


俺は相変わらず都合よく担任から荷物運び等こき使われていた

それは3年となり担任が変わろうとも変わらなかった


そして今正に最中で資料室に色々運ばされて漸く終わった所だった


まあ反抗するのも時間も気力も無駄だし言い返して揉めてる時間が有ったらサクッと大人しく言う事を聞いておいた方がまだ手っ取り早い


あとは変に反抗的で目立つ事もしたく無かったのと、多少は内申点も上がるだろうと言う打算も無きにしも非ず


しかし、もしや教師の間でコイツは大人しくて黙って言う事を聞き都合よく使える人間だとピックアップしたブラックリストでも出回ってるのだろうかと言う疑惑も浮上していた


「この間の参観日ではインがご迷惑をお掛けしました」


「あはは、インは相変わらずだったけど…しかしお前がインの子とは思えないな…同じ歳の頃のインとは全然違うな…」


まあこの機会に韻の話題を出して眞也と静風の不適切な関係疑惑について探ってみる事にした

丁度密室で誰にも聞かれず密談が出来る絶好の機会だろう


これも大地の為

決してこれ以上大地と照陽を近づけさせない為では無い…多分


「まあ俺はインにもマユにも似ずに人生二周目だの爺さんだの言われてますが」


「まあ…爺さんはともかく…お前はどちらかと言えば顔は麻由に似てるな」


「それもよく言われますね、インに似なくて良かった」


「あはは、でも杉田は…ソックリだな。俺最初に見た時ビビったもんな」


「まあ…アレはアンの遺伝子そのまんま引き継いでますからね」


「だなあ…友晴には似てないなあ」


まあな…アイツにはトモハルの遺伝子は1ミリも含まれてないからな…


「ですね。やっぱりあの顔…インには思う所は有りますか?」


「まあ…なあ…付き合い長かったからなあ」


「今もニチカさんと仲良くしてますか?」


「まあ…てか知ってるんだな…」


「まあ…あのインだから家族には隠し事はしないですね」


「あはは、そっか」


日風(ニチカ)とは元を辿れば…

日風の母親の蘇我志帆は未婚の母で、志帆の兄である蘇我晃とマコトは学生の頃からの親友だった


日風の母親は看護師でその兄もマコトや照陽の祖母の宮乃も皆同じ病院で働いている


韻が研修をその病院でしていた時に日風の母親に日風を紹介されてそのまま友達と言う名のセフレとなっていた


同時にまだ関係が続いていた眞也と日風は引き合わされ紆余曲折の末に眞也と日風は付き合いだし無事韻とも手を切れて今に至ると言う訳だった


何故ここまで詳しいのかは麻由原作の漫画のネタになっていた所為だが


「まあインがご迷惑を昔からかけてましたので…それを聞いて安心しました」


「何か…お前とインは親子逆転してるな…」


「まあそれも良く言われます」


「お前はしっかりしてるから…疑う訳じゃないけどこの事は…」


「はい、他言はしません。が…すみません、シズカには話してしまいました…と言うのも少々理由が有りまして」


静風に漏らしてしまったお詫びの引き換えにと言う訳でも無いが同じ韻の被害者友の会会員であろう、現在進行形の静風の叔父の眞司の件をザックリ説明した


「成る程な…インは相変わらずみたいだなあ」


眞也は呆れた顔をしていた


「ですね、まあその叔父はゲイな訳じゃ無いらしいですが」


「俺が…その…まあ結婚してる本当の理由とか?何で都築が知ってるのかと色々勘ぐってたけどそっか…まあそれでかな?都築が俺に相談して来たのは」


「相談?」


何とか上手く誘導出来た様で眞也と静風の仲良いらしい疑惑の理由が聞き出せそうだ


「まあ…相談と言うか質問と言うか…ぶっちゃければ…男同士の付き合いと言うか恋愛観…とか?」


「へえ…」


静風も麻由と同類の腐の側の人間なんだろうか?


「だから…まあ…男の俺よりも妻の…玲奈から聞いた方が良いかなって…紹介してやったり…かな」


「奥さんから?」


「まあ…このご時世あまり男の教師と女子生徒が…仲良すぎるのも色々疑われるし…その事で問題になると面倒だし…だな」


「まあ…そうかもですね」


なんだか奥歯に物が挟まった様な言い方をしていた


「それに俺は今もニチカと同棲してるし、ニチカに変な疑いや心配かけたりしたく無いしな」


「成る程…」


なんだか意外な結末と言うか、何か他に隠してる事が有りそうなと言うか…


どこかスッキリしない様なモヤモヤした気持ちにはなっていた


しかしまあ、眞也は別に静風の事は恋愛対象とは見ておらず、今でも恋人の男と仲良くしてると言う事は分かったので、大地には心配無用とは伝えられそうだ




眞也の言葉を100%信じるのならば…だが


星夜も何だか色々モヤモヤしてる様ですね


眞也は日風と仲良くしてる様です


静風ともまあ韻絡みの相談…なのかな?

多分…


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