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明宵  作者: 水嶋
深更

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162/165

真似っこ癖

「わあ!やっぱり!こんなイケメン顔中々居ないもんな〜!」


「女の私が言われて嬉しい言葉では無いですが…どーも」


「岩見が女装したらこんな感じだろうなー」


「まあ昔から顔は良く似てると言われてましたね。性格はあんなドクズじゃないですが」


「まあ昔はね〜でも落ち着いたんでしょ?先生から聞いた感じでは」


「まあ…亘君と付き合いだしてからは…ですかね」


「ねえねえ、岩見はまだ荒木と続いてるの?」


「まあ…そうみたいですよ。相変わらず同じマンションで一緒に住んでますね」


「わあ!そうなんだあ!」


今日は三者面談…の筈なんだが

『インだとどうせ駄弁って終わるのは目に見えてるから私が行くわ!』


そう鼻息荒く麻由が乗り込んで来た訳だったのだが…


「僕もね〜高校の時からずっと今もイノッチ一筋〜テヘッ」


「なんか航平の話だと塾の先生と二股だったとか何とか…」


「何ソレ!誰情報!?」


「亘君から…だったかな?」


「もうっ!高校の時は荒木きゅんと岩見をくっつけるのにすっごい協力してあげたのにっ!プンッ」


どうやら難波と叔父でもある麻由の弟が高校の同級生だった…

と言う事が何となく聞いていて分かった


「確か井上先生は…学校辞められたんですよね?」


「うん!僕だけのイノッチになってもらう為に色々手を尽くしてねっ!先生でいられなくしちゃった!ウフッ」


「…」


どうやら難波は昔からロクでもない野郎だった様だ


「じゃあ荒木と岩見は籍入れたのかなあ?」


「それは…まだ様子見みたいですよ?」


「へえ、やっぱり養子縁組はって奴?」


「そうですね。将来婚姻が認められた時に親子関係だと難しいだろうってなって…」


「あー、それウチと同じー。まあ僕はイノッチの子供でも良いんだけどー。イノッチは対等な関係で居たいからって」


「ですね。まあ今はまだ健康ですが…ある程度歳をとって病院のお世話になるかも知れなくなったら入れようかって言ってますね」


「そうだよねー。手術とかしなきゃいけなくなるとねー。イノッチの健康には気をつけなくちゃ!」


これは一体何の話し合いの場なんだ?

俺は蚊帳の外で話半分に聞き流していた


俺の進路相談はどうなってるんだ?


進路…





○○○○○○○○○○





「でもよ…シズカってセックス出来る身体な訳?」


照陽の部屋で散々ヤり尽くした後、ベッドでダラダラ過ごしながら話していた


「何かね、今治療してるみたいよ」


「治療?」


「穴が…って言ってたから多分膣の事だと思うけど、深さが普通の人より無いって言ってた…今は医療器具で拡張してるって」


「成る程な…まあアレだな。初体験は異物挿入…って奴」


「違うよ!治療だから!セックスした訳じゃないし!」


「まあそう言う事にしておくか」


「初めてはダイチとなんだから!」


「でもまだ付き合ってもないだろ?」


「付き合う事になるから!」


「へえ…」


まあそれは俺も願う所でも有るが

静風は俺と縁切りした後は告白されたら付き合うだのと言ってはいたが、俺の見た感じだとまだ照陽の事を思ってそうなんだが

そして照陽のこの自信はどこから来るのか…



「ねえねえ!ダイチのアレってどれくらいの大きさ?」


「知るか!知っててたまるか!寧ろ知ってる方がこえーだろ」


そして照陽は相変わらず予測不能な急カーブした質問をしていた


「えー?トイレとかで見ないの?」


「連れションなんてしねえし第一そんな隣でジロジロ見てたらいよいよヤベー奴だろうが…そんな変態事案で話題の人になる気はねえぞ」


「あとお風呂とか…」


「なんで俺がダイチとキャッキャウフフしながら風呂に入るんだよ…」


「修学旅行とか?皆で入らなかったの?」


「まあ中学の時は…でも多分そんなデカチンじゃねえぞ?そこで目立ってたら話題になってる筈だし目にしてたとしても記憶に残らないデカくも小さくも無い普通サイズだったんだろ」


「そっか!良かった!」


「一体何の心配してんだよ…」


「でもさ、それって平常時だよね?勃起したらめちゃくちゃ大きくなってヘチマ位になるとか有る?」


「んな訳有るか!せいぜい2倍位だろ!それどこ情報だよ…」


「前にマユさんに借りた漫画で…」


「アレはファンタジーで有害指定図書だ。ネットのフェイクニュースよりタチが悪いから二度と参考にするな」


「そっか、じゃあセイヤ位を想定すれば良いんだね」


「お前の心配事は多分マトが外れてるぞ…」


「えー?そうかなあ?大事な事じゃない?身体の相性って。そこで別れるカップルも居るって」


「それどこ情報よ…」


「前にシズカに見せてもらった雑誌!セイヤが出てた次の号の奴」


「次から次へとお前の情報源は有害指定図書ばかりだな…」


「シズカも参考にしてたもん!」


「それはさて置き、まず問題はそこじゃねえ。ダイチとシズカが付き合うかって方だろ」


「それは大丈夫!」


「だからその自信はどこからやって来る訳…」


「私が何とかするから!」


「やっぱりな…またロクでもねえ事考えてるんだろな…」


そう呆れつつもやっぱり何処か心躍る様な…

そんな期待をしていた


今度はどんな脚本演出で俺をワクワクさせるのか…

照陽の筋書きは奇想天外だ


この才能をあんな辺鄙な田舎に押し込めておくのは愚の骨頂だ

そして照陽の演出した舞台を櫂なんぞに独占させるのも馬鹿げてる


その価値も分からない楽しみ方も分からないただ上から押さえつけてこの才能を潰し殺す様なクズに


照陽の舞台を舞台袖からかぶり付きで見るのは価値を充分理解し楽しみ方を知ってるこの俺だ



「セイヤは志望校は決めたの?」


「俺か?まあな…」


「へえ!?何処?」


お前は昔から俺の後ろをついて来て俺の真似ばかりしていた


だから…




「帝京大学、文学部」





○○○○○○○○○○





「岩見は今どうしてるの?」


「まだ雇われ店長やってますよ」


「へえ!じゃあ演奏とかしてるんだ」


「そうですね。自分の店持つ位の気概が欲しい所ですけどね」


「でもさー、岩見ってモテるでしょ?大丈夫?浮気とか」


「まあ亘君がその道のプロなんで…隠し事は出来ないって諦めてるんじゃ無いですか?」


「そっかあ〜ラブラブなんだね〜!僕と同じ〜♡」


ぼんやり過去を振り返っている間もまだこの下らない世間話は続いていた



「まあ頑張って☆」



難波の俺への進路相談は語尾に星のついたその一言で終わった



「アンタ本気?」


帰り道一緒に帰っていた麻由に呆れられていた


「本気と書いてマジ」


「本当昔からよく分からない子よねえ…」


「家から通える家計に優しい学校を考えた結果だ。単純明快、分かりやすいだろう」


「第一アンタの成績で受かるとも思えないんだけど…浪人とか勘弁してよ?」


「まあそうなったらフリーターにでもなるさ」


「塾とかどうすんの?今から入る?」


「いや、いい。これから1年受験勉強に精を出す」


まあ息抜きに月に一度は照陽に精を出すとは思うが


「あっそ。まあ好きにしなさい」


基本放任主義なので反対される事も無かった

もしかしたら担任の難波が反対するのを期待して鼻息荒く乗り込んでいたのかもしれないが結局ほぼ同窓会的な俺の進路とは関係ない叔父の話で終わっていた

まあ難波はあんなふざけた奴だし諦めたのかも知れない


しかし受験に全く勝算がない訳では無かった


今まで過去のテストは書き損じた(・・・・・)箇所は全問正解だった事は確認している

ネットで拾った模擬試験も試してみたら合格圏内だった


麻由に言われるまでもなく浪人は考えていない



「なんでもテルヒも志望校そこだってアンから聞いたけど…」


「まあ父親も卒業生だし弁護士目指すらしいからそこに決めたんじゃねえか?知らんけど」


「ふうん…」


やっぱりな


照陽なら絶対そうすると思った


俺にとっても照陽にとってもお互いに所有物だと思ってる相手を自分の目の届かない所には置かないだろう


そしてこの大学なら今から頑張った所で静風には到底目指せないだろう

このまま身も心も卒業を機に照陽とはさよならだ


照陽プロデュースで心置きなく大地と結ばれてくれ




俺は麻由に悟られない様に笑みを堪えていた


星夜の志望校は…

中々な所でしたが難波の興味は岩見と荒木だった様ですね

この二人の事が少し明らかに…まあ変わらずみたいですが


難波が自称協力したと言う内容は「変な奴」「マカロン報連相」を参照下さい

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