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明宵  作者: 水嶋
深更

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154/162

愛なんて知ってるよ・夏

今回から本編に戻りました


今年もお盆休みにおばあちゃんの家に星夜と行きますが…


今回は過去編の続きの様な内容となりますかね?

「セイヤ!」


「暑い…疲れた…」


「お疲れ様!ハイこれ」


今年の夏休みも約束通りちゃんと来た星夜に労いの言葉をかけた


今年も去年と同様に私と一緒には来ず時間をずらして来た

先に私が到着して、秘密基地に荷物を置いて食料などを町に買い出しに行ってその足で駅まで星夜を迎えに行った


そして今年も星夜は同い年とは思えない元気の無さで弱音を吐いてグッタリしていた


星夜に私が買って来た食糧などの入ったビニール袋を一つ手渡した


「今年も遠路はるばるやって来て疲れ果ててる俺にこの仕打ちかよ…全くお前はブレない奴だよな…」


「それはお互い様!半分は星夜の分なんだから半分持つのは当たり前でしょ!」


「はい、そうですか」


文句を言いつつもやはり星夜はお願いすると聞いてくれた


「此処に着くまでにちゃんと一生と留代の記録まで読んだよ。大変だったでしょ?有難う」


ゴールデンウィークに見せた一生と玉代の記録を星夜が頑張って夏休みが始まる直前、終業式の日に文字を書き起こしたデータで渡してくれた


夏休みに入ってお盆迄に一気に読んだ


「まあ皇輝の記録に比べたら幾分楽だったがな。何せ皇輝の日記は無駄な内容が多すぎた」


「そうだね、皇輝の記録は…天気や気温や…あと食べた物とか。新聞の内容やニュースも有って…筆マメなんだね。読むのが大変だったよ」


「恐らく八神家の家業だった名残だろうな」


「予言とか占いとかの奴?」


「そう。何せ何百年分の毎日の天気やらめぼしい時事やら書き記して後世に残してたんだからな。代々それも当主の仕事だったらしいから皇輝までは記録する事を言いつけられてたんじゃねえか?」


「そうかも知れないね…皇輝から後は家業を廃業させたから一生にはそう言う記録が無かったって事?」


「そうだな。一生の記録には天気やら時事ネタやらは無かったな。まあこの辺りの時代からの天気や事件や時事ネタの記録なら今ならネットで探せばデータベースは転がってるだろうし今となっては必要無いがな」


「確かにそうだね…」


そんな事を話しながら秘密基地へ到着した




「まあとりあえずお疲れ様」


「あー…疲れた暑かった…」


星夜は今年もベッドに雪崩れ込んでクタッとしていた


「まだ寝ないでよ!てか去年もだったけど何でそんな疲れてるの」


「大掃除…」


「ハイ?」


「家具やらピアノやら…運ばされて…」


「何かマユさんを怒らせて罰でも受けてるの?」


「家中掃除させられて…」


「セイヤは将来便利屋にでもなるの?」


「それはカイだろう…」


「カイは医者になるんだよ!」



セイヤはすでに目を閉じていた


「まだ寝ないでよ!今回のミッションを説明するから!」


「んんー?寝てない寝てない…ただ目を閉じて横になってるだけだ…」


「それを寝るって言うんだよ!もうっ!」


「んー…」


「去年はセイヤずっとここに閉じ込められてたからね、今年は町に出て色々聞き込みしたり調べて貰います!」


「マユに続いてお前まで…俺をそんなにこき使い倒したいのか…」


「セイヤ全然日に焼けてないし!去年は昼夜逆転生活してたし不健康だよ!」


「美白…美肌…潤いとろマンだろ?…太陽の光はお肌の大敵…シワとたるみはタマだけで十分…」


「私はおばあちゃんから聞きたい事が出てきたから!そっちを探るから」


「もう大体皇輝と一生の記録で八神家の使命の謎は出尽くしただろ…もう賢者タイムだ…これ以上ペロチュパしたらチンコから煙が出るぞ…」


やはり星夜はアホみたいな下ネタを言っていた


「おばあちゃんは本当に留代が生きている事は知らないのか…留代が今も生きているかは分からないけどそれはまた別に後日調べるとして…」


「んー」


「カイが言うにはね、一生の記録は閉鎖されてる病院に有ったらしいんだけど留代の記録は別の部屋に有ったって」


「んんー?」


「でも留代の記録には一生の記録の隣に…病院に置いてきたって書いてあったよね?」


「んー」


「後から誰かが持ち出して…移動させたのか隠したのか…でもそれなら何故処分しないのか…それが出来るのはやっぱりおばあちゃんしかいないんだよね。高子はこの時には亡くなってるし」


「んんー」


「それとも云足か宮乃さんが?でもそうなるとやっぱり理由が分からないんだよね」


「んー」


「あとは…以前あの家に居た八神の正しい人間と弾かれて認められて無かった使用人達や…」


「んんー」


「一生からは生まれて無かったみたいだけどそれまでは、皇輝の頃には他の八神の人間も住んでたしそう言った子も居たみたいだけどどうなったのか…外に出てるのか戦争とかで死んじゃってるのか」


「んー?」


「荷物で溢れかえってたのも気になって…まるで急に皆消えていなくなったみたいな感じがして」


「んー」


「その辺りも調べて見ようかと」


ここまで言い終わると星夜は寝息を立て始めた


ちゃんと聞いていたのかどうか…


まあ去年も何だかんだとちゃんと聞いてたし働いてくれたので大丈夫…かな?





○○○○○○○○○○





「おばあちゃん、これは?」


「あぁ、前に宮乃が置いて行ったんだよ」


リビングの片隅に置き型のカメラの様な物が有った


「宮乃さんが?」


「私も随分歳をとったからねえ。見守りカメラって言うらしいよ?」


「へえ…」


「毎日夜寝る前につけてね、朝に消すんだよ。ちゃんと生きてますって証明みたいなものかねえ?後は体調が悪い時にはつける様にって言われてるね」


「成る程…24時間付けてると監視されてるみたいで落ち着かないものね」


「そうだねえ。一生はずっと監視されてるって怯えてたけどやっぱりずっと見張られてるのは嫌だねえ」


確か一生は薬物の影響で幻覚や幻聴が聴こえていた様でそんな事を言っていたんだったな…

八神家で使用していた薬物はどうやって入手していたのだろうか


今はその辺りとかどうなっているのか…

おばあちゃんは健康そうなんで流石に今は使っていないだろうが


この事もまた改めて調べてみないとだが、一生の話題が出たのでこの機会に色々聞いて見よう


「そっか…おばあちゃんは今でも一生の事を思い出したりする?」


「そうだね、肉体はとうに無くなってしまったけどね、いつでも感じるよ」


「おばあちゃんは神の子だもんね…やっぱりそう言う人智を超えた能力みたいな物があるのかなあ?」


「どうだろうね?ただね、たまに未来の事の夢は見るよ」


「へえ?どんな?」


「前の事だと…宮乃の子…御月が自殺する事や…御月の子の眞事もその娘も医者になる事や…また神の子が現れる事や…」


「そうだったんだね」


マコトが言うには御月が自殺した時もおばあちゃんは大して気にもしてなさそうだったと話していたがそれは八神の人間だから感情が無いと言うより事前に知っていたのだろう


「その神の子は外の世界へ行き医者になるけど八神以外の人間と新しい子を作るって事や…」


それは星夜の事を言っているのだろう 


「眞事の娘は新しい神を産むって事や…」


私の事を言っているのだろうか

しかし私には指は6本無いが…


「眞事の娘の杏が作った子の櫂が私の後を受け継いでこの家を守って行く事もね」


「そっか…」


櫂はやはり八神家を継ぐのだろう

自分でそうしたいと言っていたが何か目に見えない力の様な物に導かれているのかも知れない


「櫂は照陽とこの家を守って行くんだよ」


「そうなんだね…」


これは予言なのかおばあちゃんの希望なのか…


私はやはり櫂とこの家を…


今の所そのつもりは無いが見えない力でそうなるのかも知れないと思っていた


「おばあちゃんは一生の事…どう思ってた?」


おばあちゃんはあの一生の記録は読んだのだろうか?

もしそうなら…

留代と同じく…


「そうだね…一生は優しくて色々な事を教えてくれて包み込んでくれて…一生の言う事が私の世界の理であり私の神でもあったね…」


留代と同じ思いを一生に抱いていた

しかし読んでいなければ留代と違って恨みも憎しみも無いのだろう


「留代とおばあちゃんは一生に可愛がられてたんだよね?」


「そうだね、一生は分け隔て無く可愛がってくれたね…」


「おばあちゃんはそれで良かったの?」


「私と留代は元々1人の人間だからね」


「そっか…」


「一緒にいた頃はそれで良かったんだよ。でもね…居なくなった後まで隣に居るのは嫌だったんだよ」


「そう…」


「だからね…ちゃんと引き離してあげたんだよ…」


「…」


おばあちゃんは知っている


あの記録を移動させたのはおばあちゃんだ

私はその言葉で確信した


今は居ない相手に対しても嫉妬する程に

書物ですら近づけたく、隣に並べたく無い位に…


おばあちゃんは…玉代は全て知ってもなお一生をただ一途に愛している

それはまるで清濁全て飲み込み包み込む様な


お母さんの様にも思えた



「留代の事はどう思ってた?」


「留代は…もう居なくなってしまった人だからね…」


「そうだね…」


「死んだ後も一緒に居るのは私なんだよ?」


「そっか…」


玉代にも…


凪の奥底に秘めた焔を隠し持っていた様だ


「でも留代の事は…今でもちゃんと感じてるんだよ」


そう言って微笑んでいた




「そろそろ休もうかね…」


おばあちゃんは立ち上がり見守りカメラをつけた

私はおばあちゃんの横に並んで笑顔で手を振った




まるで未来の八神家の人間に…私に向けたビデオレターの様に



玉代も中々な人物だった様です

留代よりも肝が座ってるかもですね


そしておばあちゃんは予言をしますが…


果たして照陽はこの通りになるのでしょうか?


星夜には成長が見られない様ですね


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