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どうやら私は破滅の悪女らしい  作者: りらこ


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143/165

143話

 その夜、仕事を終えて部屋で寛いでいるとき。ノックの音に戸を開ければ、焦がれた相手が、現れた。


(っ……リュウ)


 玲奈を見下ろす瞳の色を見て、玲奈は悟った。


(駄目だ)


「呼んでるっていうから来たけど」

「……」

「なんもねえなら帰っていいか」

「っ、待って」


 声も、低く、冷たかった。それに怯えながらも、このチャンスを逃すわけにいかないと、腕を掴んだ。リュウは玲奈に触れられたところを嫌そうに見る。


「私、何かした……?」

「別に」

「じゃあ、何でそんな怒ってるの。この前会った時と、リュウの態度、全然違う。私たち、付き合ってるんだよね……?」

「……」


 玲奈の縋るような想いは、バッサリと切り捨てられることになる。


「もう冷めた。それは今日限りで終わりだ」


(冷め、た……?)


「ユランと、付き合うの」

「……そうかもな。もうお前の監視は外れたし、振りを続ける必要もない。……行くわ」

「ぁ……」


 風を切るように、玲奈の横を通り過ぎる。溢れんばかりの涙に気づいてる筈なのに、全く、目にもくれずに。


(……これで、終わっちゃうんだ……)


 元々、永遠など望めない恋だった。でも、浮かれきっていた玲奈は、呆気なく地に叩きつけられた。それは強烈で、暫く、浮かび上がることができなさそうだった。




 数日後、持ち場に行くと、ひそひそと囁き声が玲奈に突き刺さった。


(何)


「こっち」

「フミノ!」


 力強く腕を引いてくれる存在に、ホッとする。人の輪から外れた所で、フミノは今朝のざわめきの理由を教えてくれた。


「リュウとユランが、付き合ってるんじゃないかって噂が出てる。昨夜、密会してたのを目撃した奴がいるみたい」

「……」

「レナ……、知ってたの?」

「付き合ってるってのは今知った」

「いや、それは二人が言った訳じゃないみたいだけど」

「でも、時間の問題なんでしょ」


 玲奈は、なるべく平静を装うとして一定のトーンで話す。フミノは痛ましげに見つめた。


「まだ、分かんないよ。あんたが言ってくれたことじゃない」

「……私は、リュウに直接、聞いたから」

「え……もう、別れたの?」

「うん」

「……そっか」


 フミノは彼女にしては珍しい、何を言うか迷うように口をもごつかせたが、結局何も言わずに、ただ、玲奈に寄り添った。


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