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どうやら私は破滅の悪女らしい  作者: りらこ


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124/164

124話

「貴類のことで、他に分かったことは」

「血がこんなに色濃く出ている者を見たことがありません。その血ならば、龍神の加護を強く受けることは間違いないでしょう」

「……あの、一つ聞きたいんですけど」

「はい」

「迷宮で、魔石から小さな猫が出てきたんです。しかも翼が生えていて。いつの間にか、姿を消しちゃったんですけど」

「……」

「あの子は、貴類だったんでしょうか」

「その可能性は高いです。これほどの血があれば、龍神が惹き寄せられても不思議ではありません」

「僕もリュウから聞いてたけど、間違いなく貴類の一種だと見ているよ。魔石は導士が星の魔力を元にして作るが、貴類も星の魔力を体内に取り入れて使っている。出入りできたとして、納得がいく」


(やっぱり、そうなんだ……)

 

「猫に翼が生えた貴類というのは、文献では確認されているしね」

「えっ!」


 九垓は席を立ち、棚から書物を引っ張り出してみせた。


「これだ」

「かみなりに似てる……」

「確かに」


 黙っていたリュウも、後ろから覗き込んだ。そこに描かれていたのは、かみなりの特徴とよく似た獣だった。


「私の血に引かれて、助けてくれたってこと?」

「ええ。その加護は、きっとこの先もあなたを救うでしょう」

「……はい」


 姿は見えないけれど、近くにいるのかもしれないと思うと、心が軽くなった。かみなりは唯一、逆廻の秘密を共有している仲でもある。


「じゃあレナ、ここからはきみの質問に答えようか。聞きたいことがあるだろう」

「え、いいんですか?」


 今日はあくまで九垓の用事で呼ばれたのであり、こちらから聞きたいことは、別日にリュウに取り持ってもらおうと思っていたのだ。九垓がウインクしてみせたので、玲奈は直角に腰を折った。


「ありがとうございます!」

 

 リンファは部屋の後方に下がり、玲奈は九垓と向き合う。


「私が帰るには、聖蹟の日に、天界魔術を使って元の世界へ転移する。それには、導士十人が必要だと言われました。これは、胡王国ではできないのでしょうか」


 サディが話してくれた帰る手段が嘘だとは思わないが、違う方法を、九垓ならば知っているかもしれない。玲奈にとって、一番重要なことだ。

 

「まず始めに、異間転移には、櫃星値(きせいち)が必要」

「それって?」

「転移される人物の場所を示す、座標のようなもの。これがないと、レナを元のところに帰せない。で、これを知ってるのはスラジの神殿だけだ」

「座標……、それがないと帰れない」

「逆に言えば、櫃星値を手に入れたら、転移場所はスラジの神殿である必要はない。そして、導士十人はうちでも用意できる」

「えっ! じゃあ胡王国からでも、元の世界に帰れるんですか!?」

「帰るだけならね」

「……?」


 希望の光が射したことに喜ぶも、九垓の含んだ言い方に首を傾げる。

 

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