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どうやら私は破滅の悪女らしい  作者: りらこ


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114/162

114話


「レナ、聞いてる?」

「あ、ごめん」


 考えこんでいたら、志陽に心配そうな顔でのぞき込まれた。


「……ユランのことで何か思うことあったら、俺いつでも話聞くから」

「え……」

「自分はリュウと恋人寸前だったとか、色々言ってたろ。そんなの彼女が聞いたら、不安になるのは当たり前だ」

「……ありがとう」


 志陽は人の良い笑顔で頷いた。その笑顔に、玲奈は何故か、胸がざわついた。






「浮気は楽しかったかよ」

「はい!?」


 不機嫌な顔で人聞きの悪いことを言ってのけるリュウは、見たことのない服装で玲奈の部屋に訪れた。


「志陽だよ。昼に終わらず夜まで一緒に過ごしたらしいじゃねえの」


(情報速……)


 というか、付き合ってるのはフリなのだから、こんな風に詰められる筋合いもないのだが。

 

「お前の行動は逐一報告されてる。気をつけるんだな」

「別に変なことしてないよ!」


 リュウは舌打ちを鳴らした。


「あのな! 俺の恋人だ、つってんのに他の男とベタベタしてたら不審がられるだろうが!」

「ベタベタなんてしてないって。向こうから誘われて」


 リュウは舌打ちをした。

 

「断ればいいだろ」

「えー、だってリュウの幼馴染っていうし、リュウを心配してたんだよ。無下にしちゃ悪いじゃん」

「心配ィ?」

「うん。リュウの恋人が気になるって言って。変な奴じゃないか確認したかったんだよ」

「変な奴だったな」

「いやまあ、そうだけど、そういうことじゃなくて」


 リュウは眉を寄せ、暫し考え込む。


「……アイツは俺の心配をするような奴じゃない。お前に接近したのには、理由があるはずだ」

「幼馴染なんでしょ? そんな言い方しなくても」

「付き合いが長くても親しいとは限んねえよ」


 それはそうかもしれないが、玲奈からすれば、志陽に含む所など見えなかった。


「爽やかで良い人そうだったけどな」

「見た目に騙されんな。国に背くような度胸はなかったと思うが……三年もありゃ人も変わる。とにかく、もう近づくな」

「……分かったよ」



* * *


  

「リュウ、久しぶりだな」


 明くる日。リュウを廊下で呼びとめたのは、志陽だった。


「この前会っただろ」

「あの時はユランが暴走して殆ど喋れなかったじゃん。元気だったか」

「普通」

「いやそれじゃ分かんねえから。んだよ、愛想悪くなってんな」

「……理由、心当たりあんじゃねえの」

「あー……レナのこと?」


 リュウはひくりと眉を上げた。


「何が目的であいつに近づいた」

「人聞き悪いな……お前が彼女作るなんて思わなかったから、どんな子か気になっただけだよ」

「なら、目的はもう果たしたな。今後は声かけんな」

「まだ全然話せてないって。何だよ、もしかして嫉妬?」



 志陽の言い振りは、リュウを挑発するかのようだった。



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