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どうやら私は破滅の悪女らしい  作者: りらこ


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112/166

112話

 フミノは顔面をずいっと玲奈に突き付けた。


「ちょっとレナ!! どういうこと!?」

「えっ何が」

「さっき! なんで志陽と二人でご飯食べてたの!?」

「そうよどういうつもり!?」

「あんたリュウと付き合ってるんでしょ!? 志陽とはなんでもないのよね! そうよね! そうだと言って!!!」

「え、え」


 フミノだけでなく、わらわらと女子たちが集ってきて玲奈を攻め立てる。どうやら、志陽との昼食を咎められているらしい。


「さっきお昼に誘われて行ったんだけど……駄目だった?」

「志陽から!? 何であなたを誘ったの!」

「っと、リュウの幼馴染として気になるって……」

「幼馴染……そういえばそうか」

「二人そんな仲良かったっけ? あんまイメージないけど」

「ユランに気遣ってリュウのことは話に出さなかったんじゃない?」

「うわー、志陽っぽい……」

「やっぱり気遣いの男だよね」

「ほんとはリュウのこと心配してたんだー」


 トーンを下げて納得しだした女子たちは、いからせていた目を下げ、キラキラした顔になる。


(これは……! 憧れの男子にときめき、集団で褒め称える女子の図! 学校で何度か遭遇したことあるけど、ここでもあるんだ……)


 玲奈は志陽がそういう男であることを悟った。


「つまり、何にもないのよね」


 念押しとばかりに、フミノが品定めをするように玲奈を見据えた。


「な、ないです! 誓って!」

「よろしい。解散」

「あー良かったー」

「志陽に限ってないって分かってたけどねー」

「一応聞いとかないとね。安心したわ」


 女子たちはわらわらと去っていく。通常運転に戻り、「仕事するわよ」というフミノに逆に詰め寄った。


「いやいやめちゃめちゃ怖かったんですけど! 説明とかないの?」

「志陽に手を出してたらここに居られなくなってたわよ。命拾いしたわね」


 どちらかというと、ナンパされた側なんですけど、とは言うまい。三倍返しで口撃されそうだ。


「そんなにモテるんだ、彼」

「ここで働いてる子たちの八割は、一度は志陽に落ちてる」

「うわっ」


(少女漫画じゃん……)


「何でそんなモテるの?」

「まず優しいし、人当たりがいい。地味な子だろうが、大人しい子だろうが、関係なく笑顔で話しかけて、当たり前みたいに手助けする。そして格好いい。顔は勿論だけど、体格もすらっとしてるでしょ」

「背ならリュウのが高いよ」

「うわっ、惚気」

「あ、いや」

「あんた、いつの間にかリュウとはフリじゃなくなったの?」


 素直にリュウの方がスタイル良くないか、と思って言っただけだが、フミノはそうは捉えなかったようだ。


「ていうか……フミノも好きなんだ」

「そうよ」

「おお、潔い!」

「別に、隠しても意味ないし。大抵の子は志陽が好きなんだから」

「へー、そっかあ。告白しようとは思わないの?」

「思わない」

「そうなの?」

「しても叶わないから」

「……そんなの、分からないじゃん」


 フミノは返答しなかった。


 

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