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白竜に選ばれた僕は、不運少女を守るため“負けない力”を手に入れた  作者: Mです。


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【迷子の足跡】

──近くの病院。


 「迷早リクさん?いえ──そのような方は──」


 「どうなっている──」

 灰色の髪──白いロングコートの男。


 言日岐カリンから聞いた病院。

 真解ユズルは、迷早リクが入院しているはずの空の病室をただ眺めている。


 「なんだ──」

 ベッドの下に落ちていた金色の何かの部品。


 「学生服の裏ボタン──」

 ただ、その真実むじゅんへの矛盾しんじつを探す。



── 一か月前。


 「せーんぱいっ──何してるんですかー?」

 茶髪の短い髪──少し可愛らしい外見ながらも活発な性格。


 「また、来てたのか──引乃キズナ」


 「そりゃ、私は先輩の立派な助手ですからねー」


 「俺は助手を取る気はねーと言ってるだろうが──」


 「えーーー、またそれ、先輩はみたいな人には私みたいのが必要なんです──」


 「うるせー、黙って無いとブチ犯すぞ、引乃キズナ」


 「そういうのころだぞー、真解ユズルー、依頼人は怖がっちゃうし、犯人を半殺しにしちゃうし──先輩の本業は探偵、悪事を裁くのであって、悪人を裁くんじゃありませんよ」

 「それに──いいですよ──?」


 「なんだ──その目は、引乃キズナ」


 「私はいつでも、先輩の子供ならウェルカムなのです」

 少し恥ずかしそうに引乃キズナが笑いながら言う。



─ ─ ─ ─ ─



 「先輩──私──どうしよ……」


 「キズナ──違う、お前は悪くない……大丈夫だ……お前は──」


 「私……先輩……私……人をころ──」


 「ちがうっ──お前は俺を守るために──悪くない、お前は──」

 「よこせっ──それをよこせっ」

 彼女が手にしていた拳銃を真解ユズルが奪い取る。


 ダンッダンッと銃声が響く。


 その身体に銃弾を撃ち込む。


 「いいか──キズナ、これは俺がやった──俺の罪だ──」





─────



 「あのクソアマの言った通りじゃねー……全くあの日と同じだ──俺の罪は何処へいった──引乃キズナ──」


 

 「げへっげへっ──」

 奇妙な笑い声──

 後ろを振り向く。


 今までの壊れかけた能力者──

 それとは比べ物にならないくらいに──


 感情そのものが崩壊している男。


 「何もんだ──てめぇ」


 「げへっげへへっ」


 「悪いが──俺は結代トウカ、あいつみたいに優しくねーぞ」


 「壊す──壊す、ここに居た男のようにこいつも壊してもいいよなぁ」


 「手に包帯──血か?お前が──まさか殺したのか?」

 壊れた男の両手の手のひらが見えないほどにぐるぐる巻きになった白い包帯。


 能力は能力者以外には見えない。

 それでも──ここで拳銃を取り出すわけにもいかない。


 「だが──てめぇには聞きたいことが山ほどある──逃げれると思うなよ」


 「壊す──殺す──オマエモ──グボォッ」

 一瞬──素早く間合いに入った真解ユズルが振り上げた裏拳が壊れた男の鼻っ柱を潰すように入る。

 

 「アガ──アガ──ツヨ──コイツ──」

 ボタボタと鼻の中と口の中を血だらけにしながら──


 「ヒヒッヒヒヒヒッ」

 男は不気味に笑う。





────


 「トウカ──僕様はお腹が空いたぞっ」


 「はいはい──今作ってるよッ」


 自宅──母さんは帰ってきていない。

 今日はいつものコンビニ弁当ではなく、たまには俺が何かを作ろうって事でオムライスを作っている。


 というか──俺が作れる料理ってのがそのあたりしかない。



 「あ、トウカ──卵の表面にはきちんとケチャップで絵を描いておくれよ」


 「何を描けっていうんだよっ」


 「ほら、あれ──未来のネコ型ロボット──」


 「ミリス──あの漫画好きだよな──」


 「彼は凄いね──この僕が全力でも彼に勝てるかどうか危ういところだよ」

 リビングのテーブル──母親の使っている椅子に座り、足をパタパタの前後に震わせながら──両手に箸を一本ずつ持ち、その辺に並んで居る食器を叩き始める。


 「どうだ、聞き給えよ、トウカ──僕の演奏を」

 どうやら、そのアニメの主題歌を奏でているつもりらしい。



 「凄い、凄い──ミリスは何をさせても天才だよ」


 取りあえず、言われた通りにケチャップでその絵を描いてみるが──とてもブサイクなそれができあがる。

 それでも──懸命に描いた。

 その努力は評価されるべきだ。


 ご飯とオムライスと──インスタントの味噌汁。


 「いただきまーす」

 嬉しそうにミリスが言う。


 「うん──旨い、トウカッ」


 「あぁ、よかった──って、おまっ俺の力作、秒でグチャってんじゃねーよッ」

 俺の描いたドラ〇もんがミリスのスプーンで秒殺でぐちゃぐちゃにされている。


 「だって──そうしないと食えないじゃないか」


 「でも、そうにしてもあるだろ──感想とかさ?」


 「ウマイッ!!」


 「はいはい──そのウマイは味の方ね──ってほら、口周り、ケチャップ塗れだって」

 俺はティッシュを取るとその口周りを拭いてやる。


 「ん──ありがと──」

 「なぁトウカ──、一緒に食べると美味しいなっ」


 「あぁ──また作ってやるよ」

 

 「うん──」

 本当に嬉しそうに頷くれたミリス──ただそれが単純に嬉しかったんだ。

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