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白竜に選ばれた僕は、不運少女を守るため“負けない力”を手に入れた  作者: Mです。


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27/50

【出口】

────


 そのあとの人生など──最悪だった。


 顔も知らない──元、父親の親戚の家を押し付け合うように転々とさせられ──

 最後はどこかの施設へと送られた。


 その施設に送られている補助金で──ぼくは望まない学校に通うことだけは許された。



────



 『たすけて──トウカくん』


 電話口で悪夢の能力者の女が倒れる。



 「もう──やめろ、やめてくれ──」

 選択──を迷うたびに──

 目の前で──


 倒れていく。

 仲間が次々と──



───


 「あはははっあはははははっ」

 「どうだ、どうだ──どうした──出し抜いてみろよぼくを──」


 「もう──もうやめてくれ──」


 「あははは、あははははは──無理だよ、誰も助けになんて来ない──その選択の中で誰も居ないその部屋で君は永遠に迷い続けるんだ──」


 「もう──もうやめてよ、ねぇ、お母さんッ、お母さん──ッ」


 「え──?」

 真っ白な部屋──

 結代くんがその選択を迫られていた部屋。


 ぼくはその能力で彼を閉じ込めていた部屋の中に一人居る“ぼく”を見ている。


 「どうして──どうしてッ」

 “いつからぼくは自分の作った悪夢を見ていた?”


 気が付くと視点は結代くんの視点。

 ぼくはへやの中に居る。


 スマホを手に持っている。


 『ねぇ──あなたはお母さんとお父さんどっちについてくる?』

 『お母さんについてくるなら右に──お父さんについていくなら左に』

 『どちらも嫌ならこの部屋を火あぶりにするけど──』

 悪夢を見せる女の声。


 「どうして、どうしてお前が──お前は火あぶりの中で──」


 『あら──第四問目からゲームは進行などしていませんけど──』


 「第四問?確か──お前がトイレの鏡で結代くんに──彼の悪夢をぼくが見ている?」


 『いいえ──それは“あなたが自分で怖いと思った悪夢”、そうでしょ?それはあなたが怖いと思った悪夢のはずですから?』

 『どこで、何を見ているのかは──残念ながらまだわかりませんが』


 「なんで──どうして──お前の能力は他人の瞳を通して──」


 『だから、確認したんですよ──トウカくんに“私は見えている”って、あなたの視線を通して“私を見ていた”トウカくんに』


 「そんな──お前、あの時から──」


 『他人の悪夢を別の誰かに見せるにはその対象の場所の把握が必要ですが──私の瞳を見ている者なら──それが“私自身”にすら見えるの──当然、私には認識できないあなたにもその悪夢は見える──そうトウカくんに敗戦の中で教わったんです』


 「そんなことが──こんなことが──」


 『さぁ、選択してください──悪夢を見続けますか?それとも“わたしたちの前に姿を現しますか”?』


 「おまえが──おまえが──」


 「リクゥーーー」


 「リクーーー」

 黒い影──母、父、顔も知らなかった親戚、母の再婚相手。

 黒い影の姿で──自ら炎に身を焼かれながらこちらに近づいてくる。


 「来るな──来るな──」


 「ドウスル?」


 「ドッチガイイ?」


 「スキナモノヲ エラビナサイ?」

 選択を迫ってくる。



 「いやめろーーーーッ!!」



────



 「はぁ──はぁ──」


 「助かったよ、ユイ」

 目の前では──悪夢から覚めた迷早リクが息切れを起こしている。


 「さぁ──どうします?」


 俺は黙って拳に結界のオーラを纏うと、軽くその頬を殴る。

 瞳に宿っていたものが消える。



 「はは、ははははっ──あははははッ」


 「戻ったはずなのに──」


 「あの女性の時と同じのようですね」

 すべての拒絶を望んだ女性。


 「なぁ──勝負はついた、能力を解いてくれ」


 「あは、あははは、嫌だ──解かないよ──ぼくを殺さないとこの能力は解けない──選択、選択しろよ、結代くん、ぼくを殺せば皆助かる──」


 「く──いい加減に──」


 「どうした──それとも他の誰かに殺させるかい?」


 「──こんなことして何の意味があるって言うんだ」


 「ない──そう何も──ぼくの人生のようにね──」


 「どうするんですか──トウカくん」



 「──もしもし」

 しつこく鳴っていたスマホを取る。


 『生きてるならさっさと出ろ、クソガキが──』


 「それどころじゃなかったんです──」


 『で──何処に居るッ、お前がらみの事件だと聞いて来て見りゃ、何処にもいねーじゃねーか、結代トウカ──』


 「3階の女子トイレ──」


 『はっ?女子トイレだ?──女子トイレの便所でクソしてクソガキからエロガキにでもなるつもりかてめぇは』


 「こんな時にちょっと面白い事言うのやめてもらえます?それと実際にそこに行っても無駄ですよ」


 『きゃーーーーーーッ』

 電話口に女性の悲鳴が聞こえる。


 『おい、何処にもいねーじゃねーか……ふざけるなよクソガキ』


 「ふざけてはいないですよ──多分そういう能力なんだと思います」


 『くっそが──さっさと出てけてめーら、犯されてーかッ』

 『おい、今──俺は真ん中の個室の中に居るがそっちではどうなっている?』


 「空いている──誰もいませんよ」


 『正せ──神代トウカ、俺はその空間を否定するッ──』


 ダンッ──

 空いていた真ん中の個室のドアが急に誰かに蹴破られる。


 「なんだ、ほんとに居るじゃねーか、クソガキが」

 ドアを蹴破り──白い長いコートを着た男が現れる。 


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