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白竜に選ばれた僕は、不運少女を守るため“負けない力”を手に入れた  作者: Mです。


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【出口のない選択】

 「それじゃ──その、迷早リクという男子生徒を探しだし能力を解除させる必要があるということですね」


 「あぁ、確証はないが少なくとも今はそれ以外に方法はない」


 『♪─♪♪─♪─♪』

 俺のスマホが鳴る。


 「着信?──催稀先生から」


 「電波は通っているということですね──」


 『結代──無事だったか、お前たち今度は何に巻き込まれている』


 「詳しくはわかりませんが、他校──その能力者に襲われているってことですかね」

 「ちなみに、今──俺たちはどうなっているんですか?」


 『わからない──』

 『まるで、神隠しにでもあったようにお前たちの姿はここにはない──』


 「俺たちの教室が荒れている様子や、そっちに一人、他校の男子生徒が残っているなんてことはありませんか?」


 『俺が確認できている中では居ないな──よくわからないが、こちらでも何か手掛かりになりそうなものを探してみる──結代、おまえがそんな状況なのに申し訳ないが、俺の方でなんとか大事にならないよう話を取りまとめる、結代…そっちのことは任せる』


 「任せらてもらえるような立場ありませんが──努力してみます」




 「向こうと──ここにある物質はリンクしていないが──電波は通じている」


 「私たちが“持ち込んだもの”は──本当の世界とリンクしているということでしょうか」


 地面から黒い影が立体化する。


 「下がってろ、ユイ──ここは俺が」

 結界魔力を両手に巻き付ける。


 「あら──私はお荷物ですか、トウカくん」


 「人の事は言えないが、ユイ──お前の能力は余り直接的な戦闘向きではないだろ」


 「でも──私の悪夢はあの黒い化け物にも有効みたいですし──それに」

 「トウカくん──あなたの言う探し人を見つけるなら私の能力の方が“適正”があると思いますけど」


 「確かに──痛覚も無さそうなのに、夢を見るのかこいつら?」


 「推測で──で言うのなら、その誰かは“見えている”──という事ではないのですかトウカくん?」


 「いったい──どこから、あの複数現れるどれか一体が本体とでも──」


 「ふふ──やっぱりトウカくん、あなたには私みたいのが一緒に居てあげないと駄目みたいですね」


 「どういう意味だよ──」


 「この学園は、現実の学園とはリンクしていない──ようするにこの学園自体がその誰かの能力──私たちはその能力の中に“迷い込まされた”」


 「迷い──こまされた?」


 「見えている──ということです、この学園に居る私たちを常に向こうは監視している──そんな最悪な状況ということです」


 「──それじゃ、永遠に俺たちから逃れる事ができるということか、それとユイ、お前の能力の方が適正って?」


 「私の能力が黒い化け物に通じている──もちろん、トウカくんの言った通り、化け物にそんな思考があるとは思えない、それが実体化するということは──感の悪いトウカくん、私の目を見て悪夢を見ているのは誰か、もうわかるかしら?」


 「迷早という奴が見ている?」


 


 「あは、あははははっ──おもしろい、おもしろいよ、そこの女ッ」

 黒い影の一人が喋り出す。


 「──あれを通じて話しかけてきているって感じか」

 本体ではない──


 「迷え──迷えよ──怖い、怖いだろ──帰れない還れない──お前らみーーーんな帰れないッ──あひゃっひゃっひゃ」

 「ひっひーーーッ」


 ユイが冷たく黒い影を見つめると──黒いナイフが黒い影の胸へと突き刺さり、消滅する。



 「あひゃ─あひゃひゃ──怖くない、怖くないぞ、ぼくはもう、その程度の悪夢、恐れたりしない──あは、あは、あははは」

 別の黒い影が代わりに喋り出す。


 「そんな能力でぼくが見つけられるか──自惚れるな女がぁ」

 「あは、あははは、悪夢──悪夢を見せるならぼくだ──悪夢、悪夢を見せてやる──迷え、ほら迷い込め──ほら、出口を探せよッ」


 一瞬──黒い光のようなものが身体を吹き抜ける。



 「どう──なってる?」

 「──ユイ?」

 見知らぬ空間──正方形の部屋には目の前の壁に二つの入り口がある。

 周囲には誰も居ない。

 ユイの姿も無い。


 「あひゃっあひゃっあひゃひゃひゃぁ」

 取り付けられた、教室にあるようなスピーカーから声がする。


 「ゆ、結代トウカくん、き、君はぼくと同じ側の人間だと思っていたけどね──人間なんて友達なんて幻想を持たない、そんな人間だと──」


 「よく、知っているな──俺の事」


 「まぁいいよ──君にはがっかりだが、これから君にはいくつかの選択を与えよう──迷え、迷え──」

 「それじゃ、題一問──君の仲間の一人に災いが迫っている、だが──君はそれを身代わりになることができる、助ける?助けない?」

 「助けるなら右へ、助けない選択をするなら左へ──?」


 さらに真っ白な壁にスクリーンで映し出されたような映像が流れる。

 真上からシュウの様子が映されている。

 天井のタイルが一枚抜かれるように、シュウがその下に来るのを待つように大きなタライのようなものを用意した黒い影が映っている。


 「時間制限を超えた場合は自動的に──後の選択が選ばれる」

 俺は──状況を読み込めず黙って映像を見ていると──



 『いってーーーっどうなってんだ、なんでいきなりタライなんて振ってくるんだよッ』


 『馬鹿者──ッ、シュウ、キサマ、何一人で楽しそうなことをしているッ!!』



 「選択──選んだ結果から逃れることはできないよ──」


 「さぁ──次だ」

 映像が切り替わり、ナギサとカリンの居る教室。


 「第二問──今から部屋に高圧の電流を流す──君が右の部屋に入ればその部屋に電流は流れ、左に入れば、彼女たちの居る部屋に電流が流れる──選択による影響は絶対だ、さぁ迷え、結代くん──君はどっちを選ぶ」


 「あひゃひゃ──自己犠牲、実に君らしい選択」

 俺が選び進む先が見えている──


 「あっ──がっぐぅ──がっ」

 右側の入り口を抜ける。

 通った入り口が消滅すると──俺の身体に激しい痛みと痺れが襲う。



 『♪─♪♪─♪─♪』

 スマホが鳴る。


 『あら──出た、よかった、生きてたわね、トウカくん』


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