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白竜に選ばれた僕は、不運少女を守るため“負けない力”を手に入れた  作者: Mです。


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【評価という呪い】

 「あの透明な刃で斬られたモノがアイツに言った通りみたいに動くってのはわかったけどさ──ねぇ、あの刃で斬られたら私やトウカも跳んでったり、浮いたりさせられちゃうの?」


 「跳ばされるだけならいいけどな──さっき単純に斬るって言葉でドアが真っ二つになってただろ──本来の刀としての機能もその一言で可能なのかもしれないな」


 「でも──トウカの結界、平気だったみたいだけど」


 「たぶん──魔力依存みたいなところはあるんだろう、だから魔力が耐えられれば上半身と下半身がおさらばってことは免れても、相当痛いだろうな」



 「そうだな──さすがにまだ人に試したことは無いが──試されてみるか?」


 「お断りしまーす」

 「預かってて──トウカ」

 俺に眼鏡とスマホを押し付ける。


 その場で片足のつま先を立てぴょんぴょんと飛び跳ねる。


 「ちょっナギサ──どうするつもりだ?」


 「止めないでよ、トウカ──怯える側ってのあんま好きじゃないんだよね、サイコパス数値なら、私もそこそこ高めだしね」


 「あ──あぁ、自覚あったんだな」


 「──納得すんなよ、否定するとこなんだよそこは」

 

 「跳べッ」

 椅子が駆け出し思いっきり飛び上った無防備なナギサを狙う。


 「形どれ──水蛇ッ」

 水をぶちまけ、水蛇を形どると──自分の真下にある椅子の脚に絡みつけ、飛び上った身体を器用に旋回させると、その遠心力で水蛇の絡みついた椅子が浮かび上がる。


 ガシャーンッ

 椅子同士をぶつけるナギサ。


 「ほんと──一般人とは思えない戦闘センスしてるよな、おまえ」


 「トウカ、もっと褒めていいぞ──許す」


 「くっ」

 そのまま、上空で右足を伸ばすと落下した先に居る言日岐へと叩き込む。


 「跳べッ」


 「水蛇ッ」


 一撃を与え、すぐに間合いを取るナギサ。

 すぐに近くの机を斬る言日岐。


 ナギサがその斬った机の足に水蛇を巻き付ける。


 多めに水を利用し長めの水蛇が鎖のように机の脚に繋がっている。

 その言日岐の言葉通りに机はナギサの方へと飛んでいくが──


 「ほんと──すげぇよお前」


 そう素で感心させられる。

 ぐいっと水蛇を強く引っ張り、身体をその場で回転させ、砲丸投げでもするように、机を砲丸のようにぐるんと教室の中で回転させ──


 「くっ──斬り裂けっ」

 水蛇に振り回されるように机は言日岐の立っている場所へと返る。

 それを、言葉通りに机は真っ二つに引き裂かれるが──


 実体化させた刃で斬りさいた衝撃か──言日岐の身体が少し後ずさる。



 「水無瀬ナギサ──だったか?」


 「ん?──うん」


 「あんたは──周りからどう評価されている?どんな言葉を送られた?」


 「え──なにそれ、興味──無いけど」


 「興味が──ないか、それはさすがに初めての否定のされかただな」




────



 「お母さん──今日のテストの結果」


 「あら、カリン──また100点、さすがね」

 母が私をいつものように《《そう褒める》》


 「あ──お姉ちゃん、ずるいよ先に見せるなんて──ぼくだって頑張ったのに、お姉ちゃんの後じゃ見せられなくなるじゃないか」


 それは私が10歳の時──8歳の弟との記憶だ。


 「あら──コウタ、70点じゃない、身体が弱くてお休みばっかりだったのに──頑張ったのね、えらいえらい──」


 「うん、お母さん、ぼくね──熱が無くて元気だった時にいっぱい勉強頑張ったんだ──」


 「そうえらいわっ──コウタ」


 「あのね──お母さん、私もね─がん……ば……」


 「偉い、コウタ、何か食べたいものある?お母さんがんばってコウタの好きな物、作ってあげる」


 「ほんと─?ぼくね──」


 「───」

 お母さんあのね──わたしも──いっぱい、いっぱい──頑張ったよ。

 お母さん──私ね──お母さんの作ったオムライスが──




────



 「──おまえたちもそんな私がくだらないと笑うのか──健全な私の頑張りが不等に生きたにんげんの頑張りに劣っていたと──その評価ことばを求める私を笑うのか──ッ!!」

 「砕けろッ──飛び散れッ」


 机を斬る。


 机はばらばらに分解されるように──そしてその部品が一つ一つナギサに向かい飛んでいく。


 「危ないッ」


 「うわっ──まぢ、あっぶなぁ、トウカありがと──」

 透明な板に遮られ──それらが落下する。


 「破壊──は今の私の実力では無理か」

 ゆっくりと俺の結界の前に言日岐が立つ。


 透明な刃を結界に向ける。


 「幽体化しろっ」

 先ほどのように俺の結界を斬る。


 「砕けろ──飛び散れッ」

 再び机を斬り部品を飛ばす。


 「あっ、いってぇ──トウカどうなってる?」


 「俺が聞きたい──くそ、大丈夫かナギサ」

 俺の結界をすり抜けるように机のパーツがナギサにぶつかり、地面へと落下する。


 「く──すまない、ナギサ」

 守ってやれなかった──

 それに、ナギサなら回避できたのに、俺の結界があるから安心してそうしなかっただろう。


 「不等に評価される──そう評価されたものはどうなると思う、トウカくん」

 俺の結界を指すように──


 「次から次へとチートみたいな能力使いやがって──」


 「君の能力も大概だと──私はそう評価するけどな、だが──どうだ?そう評価きのうしない能力は──意味があると思うか、トウカくん」


 「跳べッ」

 近くの椅子を斬り、ナギサが構えるが──


 「やばっ──トウカッ!」

 狙いは俺──


 「くっ」

 結界を解除し両手に魔力を送る。


 跳んできた椅子を右腕の防御結界を巡らせた腕で弾く。


 「だったら──違う価値を見つけ出せばいいだろ──」


 「ほう──なるほど、一理ある──だが、全ては無意味なのだよ──」

 「一度くだされた、評価など──そして、その評価を覆すということがどういう結果を産み出すのか──世界ってのは残酷なまでに表裏一体なんだよ、トウカくん」

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