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白竜に選ばれた僕は、不運少女を守るため“負けない力”を手に入れた  作者: Mです。


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【可愛いじゃ駄目なんだ】

 「どうやら、ばらばらにされたらしいな──」


 「というか、トウカ──他の学生や先生は何処行ったんだ?」

 壁を叩きつけられ壁を背に座り込みながらシュウがこちらを見る。


 「みんな、こいつらにやられちまった訳じゃねーよな?」


 「さぁな──だが、案外──元の場所から消されているのは俺たちの方かもしれないぜ」


 「どういうことだ?」


 「貴様らッどうもこうもないだろーっ!さぁ、共に叫べっ──気合、根性──そしてっ!ど根性ッ!!」


 ガンッ──シュウ振り下ろされた拳は俺の出した透明な板の結界に防がれる。


 「くっ──」

 結界がその重い一撃を受け、俺の魔力が消耗するように──軽い疲労のようなものが襲う。


 「なるほど──トウカ、これがキサマの能力、すなわち能力と言うわけだなっ」

 だめだ──なんだかこいつとまともに会話しようとすると脳がバグる。


 「さぁ、勝負だ──トウカ、キサマの根性とあたしの根性──どっちが上だーーーっ」

 別に無視していい俺の結界。

 褐色の金髪の女は、俺たちを無視して俺の結界を壊すのことに固執するように殴りつけている。


 「よくわかんねーが、その余裕──無くしてやるッ」

 こちらを無視している女にシュウが赤黒い瘴気を纏う手甲を右腕に作り出すと褐色の金髪女に殴りかかる。


 「邪魔をするな───馬鹿者がーーーッ!!」

 俺の結界の破壊を完全に目的としていた褐色の女が──

 その鉄拳を受けながらも、二、三歩後退するだけで持ちこたえ──


 「なにもんだっ──この馬鹿力ッ!?」

 両手でシュウの身体を頭上に持ち上げる。

 そのままシュウの身体を壁に叩きつけるように身体を拘束する。


 「ほんと──なにものだ──」

 喧嘩にバトルに置いて余り聞いたこと無いが──ノリと勢いだけですべてを成立させている──


 「だが──シュウ、悪いがもう少しそのまま、拘束されていてくれ──」

 俺は透明な板を自分の魔力へと戻し、両手に巻き付ける。


 翡翠色の魔力で輝く腕を振り上げ、褐色の金髪女の頭を狙う。


 「透明板──トウカーッキサマ──あたしのライバルを何処へ隠したぁーーッ」

 褐色の金髪の女はここでの一番の宿敵が俺の結界──その破壊であり、その達成を奪った俺に怒りを向けるように──


 左手でシュウを壁に拘束するように押し付けたまま、もう片方の手で俺の拳を受け止める。


 「どうしたーーっ男、二人がかりでそんなものか、いいか──キサマらに欠けているものが三つある──わかるか言ってみろッ」

 シュウ同様に首元を締め付けるようにもたれ、壁に叩きつけられていて喋ることはできない。


 「そうかわからぬか──ならばあたしが教えてやる、いいか今のキサマ等にかけているモノ、それは──努力、向上心──そして……努力だぁーーーーッ!!」


 「ぐっ──このくそがっ」

 シュウが左手だけなら──と両手でその腕をなんとか振りほどくと──

 手甲で褐色の金髪女を吹き飛ばす。


 だが──やはり数歩後退しただけで踏みとどまる。


 多分──精神崩壊──彼女からはそれを感じない。

 だから──あの瞳、あの操られるような瘴気のようなものさえ飛ばしてやれば──


 だが──シュウのパワーと協力してさえも、その一撃が届かない。


 「見た目は可愛い顔して──とんでもない力だ、それとも能力か」


 「可愛い?トウカ──キサマ、もしかして私に可愛いと言ったのか?」


 「あぁ──そうだよ、嫌だったか?」


 「馬鹿者が──ッ!!あたしには嫌いな言葉が三つある──言ってみろッ」

 「いいか──あたしが嫌いな言葉はッ」

 「卑怯、怠惰──そしてぇ、無力だッ!!」

 俺の身体を投げ飛ばす。


 「可愛いは嫌いじゃないんじゃないかよっ──」

 俺の床に滑る身体を摩擦が勢いを止める。


 「嫌いなものか──むしろその言葉は好きだッ!!」

 そんな無茶苦茶な女の暴挙は止まらない。



────


 「リヴィアちゃんお誕生日おめでとう──」

 あたしの7回目の誕生日。

 その日だけはあたしが主人公ヒロインだ。

 母があたしのために誕生日会を開いてくれた。


 沢山のお友達が家に遊びに来てくれて──その日はあたしが主人公。

 その日はお姫様のようなドレスを着て──似合わない大きなリボンを頭につけて──あたしだって──そりゃ──そんな人生もあるのかなって──


 「あーーー、ノリコちゃん、そのドレス可愛いーー、ノリコちゃんは元から身体が小さくて可愛いからなんでも似合うね」


 その日はあたしが主人公──

 そんなあたしよりも──身体の小さな女の子は──

 その日もあたしよりもずっと目立っていて──


 別にそれが悲しかった訳じゃない──可愛いと言ってもらいたかった訳じゃない──そんなあたしのために母が用意したこの場所であたしが主人公になれなかったことが──少しだけ不愉快だったことだけは記憶している。



────


 ガンッ──俺の透明な板、結界が褐色の金髪の女の拳を受け止める。



 「トウカ──だが、それでは、その言葉であたしは主役あたしにはなれない──だからあたしは──あたしらしく──そんな可愛いあたしを否定するッ」

 「狂人化バーサクモード──」

 褐色の金髪の女──その女の髪の色が金髪から赤色へと変化していく。

 瞳の色が──水色から濃い赤色に変化する。


 「さぁ──トウカ、もう一度出せ──キサマの結界──あたしがあたしであることを証明するためになぁッ」

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