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No.097 ゴーレム闘技大会、決勝戦・決勝

ゴーレム競技大会の決勝が始まる。


対戦相手は、前大会の優勝者のニクラウス選手である。


ゴーレムは、グラビティゴーレム。


このゴーレムは重力を操るゴーレムでマルドーナ王国軍でも50体以上採用され、ヴィスターク王国との国境警備に使われている。


つまりカルルは、順決勝と決勝でマルドーナ王国軍に正式採用されたゴーレムと戦うことになる訳だが、どちらも魔術師が命令を行わないと動かない非自立型のゴーレムである。


対してカルルのゴーレムであるヴァイオレットは、知能の魔石を用いているため自立行動が可能である。


さらにカルルが装備している中継コアを埋め込んだ腕輪から飛空艇のダンジョンコアを介してゴーレムを周囲50kmの範囲で遠隔操作が可能となっている。


ゴーレムは知能の魔石により自立行動を行っているため、カルルはゴーレムに頻繁に命令をする必要はなく、殆どゴーレムまかせの状態でゴーレム闘技大会の決勝戦へと駒を進めている。


ゴーレムギルドにとっては、自立型ゴーレムという存在自体が他のゴーレムを無価値にするものと考えており、カルルのゴーレムの存在そのものを無かったことにたいというのが本音である。


さて、カルルのゴーレムであるヴァイオレットの指標の値は、ゴーレムギルドの意向により基準値とされた。


カルルのゴーレム(ヴァイオレット)の値(決勝前)

・素材:液体金属

・種別:造形型、魔法型

・攻撃力:5

・防御力:5

・武器:-

・速さ:5

・魔法種別:防壁型攻撃魔法、飛行魔法

・特殊能力:完全自立型ゴーレム、防壁型攻撃魔法、魔法糸による特殊攻撃


対するニクラウス選手のゴーレム(グラビティゴーレム)の値(決勝前)


・素材:液体金属ゴーレム

・種別:魔法型

・攻撃力:10 

・防御力:10

・武器:-

・速さ:10

・魔法種別:爆裂魔法、防壁魔法

・特殊能力:


さらにベッティング(賭け)は中止となり観客は、わざわざ決勝戦を観戦するために高い入場料を払い、ベッティング(賭け)でひと儲けすることを楽しみに来たのに来た意味がないと、ゴーレムギルドの職員を取り囲み暴動寸前の状態にまで陥っていた。


前日のゴーレムギルドとの話し合いで、カルルのゴーレムが勝っても優勝を他の者に譲ると宣言したため、カルルはヴァイオレットに好きなように戦って構わないと告げた。


「カルル様、本当によろしいのですか。対戦相手のゴーレムでは数秒も持たずに勝ってしまいます」


「いいよ。ヴァイオレットの力をゴーレムギルドの連中に見せつけてあげて」


「かしこまりました!」


ヴァイオレットは、口角を上げると満面の笑みで答えた。


「カルル様。これをお渡ししておきます」


そういうと右手を差し出し、カルルに魔石を手渡す。


「これは?」


「爆裂魔法の魔石です。準決勝の戦いで相手ゴーレムのコアを破壊した時に回収しておきました。カルル様は、爆裂魔法の魔石が欲しいと言っておりましたね」


ヴァイオレットから手渡された魔石を見て、嬉しさのあまり思わず小躍りするカルル。


「ヴァイオレット。隠蔽の魔石と遮蔽の魔石は、既に組み込んであるから、使うなら好きなように使っていいよ」


カルルは、手渡された魔石を持ってそそくさと選手席へと入っていく。


そしてヴァイオレットと対戦相手のグラビティゴーレムの2体は闘技場の中央で対峙すると、審判は両者の選手名とゴーレムの名前を呼ぶ。


「これよりゴーレム闘技大会、決勝戦を開始する。ニクラウス選手、ゴーレムはグラビティゴーレム。カルル選手、ゴーレムはヴァイオレット!」


審判が審判席へと入ると試合開始の鐘が鳴らされる。


その瞬間、グラビティゴーレムがヴァイオレットとその周囲の重力に干渉して、通常の10倍の下向き重力を発生させる。


ヴァイオレットの体は、身動きが取れなくなり闘技場の床に倒れ込むと踏んでいたニクラウス選手は、自身の目を疑った。


ヴァイオレットは、笑みを浮かべたままそのまま闘技場の床上に立っている。


「この程度の重力制御で私を倒せるとでも思ったのなら、随分安く見られたものね」


ヴァイオレットはそう言うと右手の人差し指だけを立て、右腕を頭上高くかかげる。


その瞬間、グラビティゴーレムの体が空高く高速で舞い上がっていく。


「なっ、何が起きた!」


思わずそんな言葉を口走ったのはニクラウス選手だ。


「あら、そんなことも分からないなんて、ゴーレムの操者を名乗る資格はないわね」


ヴァイオレットは、ニクラウス選手に向かって軽口を叩きながら何かの数値を口走る。


「2000m、3000m、4000m、5000m、そろそろかしら」


その言葉の意味を理解したニクラウス選手は、空を仰ぐと必死にグラビティゴーレムの姿を探す。


だが、空には薄い雲が広がっていて空高く舞い上がったゴーレムの姿を目視で探すのは困難である。


通常、ゴーレムを操作する魔術師は、目視で確認できる範囲でゴーレムを操るが、魔術師の魔力量や魔力が伝わる距離には個人差があり、複雑な命令を実行できない非自立型ゴーレムは絶えず魔術師が指示を出す必要がある。


魔術師の指示が伝わらない距離にゴーレムが移動した場合、ゴーレムは自動停止する。


もしそれが空の遥か彼方で起きているとすると、ニクラウス選手のグラビティゴーレムは今どうなっているのか。


その答えは皆の前に晒されることになる。


空の彼方から1体のゴーレムが目視では追えない速度で落下してくると闘技場の中央の床上に向かってくる。


そして床上に激突する寸前で停止した。


ニクラウス選手は、闘技場の床上にグラビティゴーレムの姿を見るとすぐに命令を発した。


「グラビティゴーレム。目の前のメイド服姿のゴーレムを超重力で破壊しろ!」


だが、グラビティゴーレムは身動きひとつしない。


周囲を見渡すとヴァイオレットの手から複数の液体金属の糸が伸びていて、それはグラビティゴーレムの体の中へと伸びている。


「重力の魔石を使っているのね。でもレベル"1"魔石でヴァイオレットに勝とうなんて随分なめられたものね。私も重力の魔石を使っているけど、私の魔石はレベルは"5"よ」


そう言い放った瞬間、グラビティゴーレムの体が横方向に飛ぶと闘技場の観客席最前列下に広がる壁に激突するグラビティゴーレム。


ゴーレムの体は、闘技場の壁を破壊しその奥へとめり込み、液体金属で出来た手足の一部は破損して原型をとどめていない。


さらにグラビティゴーレムの体は闘技場の反対側にある観客席最前列下に凄まじいい速さで飛ぶと壁に激突し、液体金属で出来た体と手足と頭の殆どを失っていく。


その悲惨な姿に思わず選手席から立ち上がったニクラウス選手は大声を張り上げる。


「やめろ!やめてくれ。負けを認め・・・」


だが張り上げた声が言葉の最後に到達する前には、闘技場の観客席最前列下の壁10ヵ所以上に穴が空き、そこにグラビティゴーレムの体を形成していた液体金属の一部が残留していた。


ヴァイオレットは、重力の魔石の重力制御によりグラビティゴーレムの体を、何度も闘技場の観客席最前列下の壁に激突させていた。


そして闘技場中央の床上には、グラビティゴーレムの体の中央に配置していたはずのゴーレムコアが転がっており、そのゴーレムコアは大きくふたつに割れた。


「勝者、カルル選書。ヴァイオレット!ゴーレム闘技大会の優勝者は、カルル選書。ゴーレム名はヴァイオレット!」


審判がゴーレム闘技大会の優勝者の名前を宣言する。


その瞬間、闘技場の観客席に集まった観客からは割れんばかりの歓声が沸き上がる。


ゴーレム闘技大会は幕を引き、闘技場の中央で優勝者と準優勝者を称えるセレモニーが催される。


ゴーレムギルドの職員達が準備を行い、最初に呼ばれたのは準優勝者である。


「準優勝者は、ダイロン選手。ゴーレムはエクスプロージョンゴーレム」


そう発表された時、闘技場の観客からはどよめきが沸き上がった。


「おい、準優勝者はニクラウス選手で、ゴーレムはグラビティゴーレムじゃないのか」


「何かの間違いだろ」


観客席に座る観客達からは、どよめきとざわめきが止まらない。


「優勝者は、ニクラウス選手。ゴーレムはグラビティゴーレム」


闘技場の観客からはさらなるどよめきが沸き上がる。


そしてダイロン選手とニクラウス選手には、優勝者と準優勝者を称えるトロフィーと賞金が入った袋が渡された。


その光景を見ていた観客達は、一斉に大声を張り上げる。


「ゴーレム闘技大会の優勝者は、カルル選手とヴァイオレットじゃないのか!」


「そうだ。俺達は目の前でヴァイオレットが勝つのをしっかり見たぞ!」


「ゴーレムギルドは、八百長でもやってるのか!」


そして観客達は立ち上がると、闘技場の中央へ向かって走り出した。


「俺達のヴァイオレットを何処に隠した!」


「優勝者はヴァイオレットだ!」


闘技場内は、なだれ込んだ観客でごったがえし、ゴーレムギルドの職員達は観客に詰め寄られて今にも喧嘩に発展しそうな勢いとなり、ゴーレムギルドは職員を守るために仕方なく警備用のゴーレムを突入させる。


当然、観客達の中にもゴーレムを連れている者もいるため、ゴーレムギルドの警備用ゴーレムに襲いかかり、さらなる混沌と混乱と暴力の世界へと足を踏み入れていく。


さらにそれだけでは観客の怒りは収まらず、暴れ足りない観客達はゴーレム闘技大会の会場を出ると、街のあちこちで暴動騒ぎを引き起こした。


結局、暴動騒ぎを収めるためには王国軍が出て暴動を鎮圧するという非常事態にまで発展することになる。


カルル達はというと、闘技大会が終わった時点で、闘技場をあとにして王都の隣り街へと居場所を移していた。


理由は、カルルが闘技大会に参加する手続きを行ったゴーレムギルドの支部では、カルルの優勝セレモニーをこの小さな街で行うと決めていたからだ。


そのため街の中央広場には小さいながらも舞台が作られ、街のあちこちに露店が設営され準備に追われている。


小さな街で形だけだが優勝セレモニーを行ってくれると聞いた時は、カルルもさすがに耳を疑ったが、街には祭りも無いのでゴーレム闘技大会の名前を借りて、大きく盛り上がろうという話を聞かされ了承したカルルであった。




◆飛空艇の外殻と躯体を作る魔法

・土魔法


◆飛空艇を創るために必要とされる魔法

・強化魔法

・固定魔法


◆飛空艇を飛ばすために必要な魔石など

・浮遊の魔石

・飛空の魔石

・魔力の魔石

・魔道回路


◆カルルが創った飛空艇

 飛空艇:264

 1000艇まで残り736


◆カルルが創った飛空艇の内訳

 ・飛空艇試作一号艇

 ・飛空艇試作二号艇 ※両親が使用

 ・飛空艇試作三号艇 ※カルルが使用


◆北ラルバード大陸


王国向け飛空艇

・アリーア王国向け飛空艇 53艇(通常型20艇、戦闘型30艇、早期警戒飛空艇3艇)

・アリーシュ王国向け飛空艇 30艇

・ハイリシュア王国軍向け飛空艇 80艇(通常型30艇、戦闘型50艇)

・フルーム王国軍向け飛空艇 22艇(通常型10艇、戦闘型10艇、早期警戒飛空艇2艇)

・マレーナ王国沿岸警備隊向け飛空艇 20艇(戦闘型20艇)

・カヌーナ王国沿岸警備隊向け飛空艇 20艇(戦闘型20艇)


錬金術ギルド用飛空艇

・グランドマスター用兼商談用戦闘型飛空艇

・薬草栽培兼治療用飛空艇

・トーデスインゼル(死の島)救助隊用飛空艇 8艇

・トーデスインゼル(死の島)物資補給用飛空艇 2艇

・遊覧用飛空艇 4艇


◆北コルラード大陸


王国向け飛空艇

・ユグドリア王国向け飛空艇 50艇(戦闘型50艇)


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