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チート戦線、異常あり。 作者:いちてる

7章 前編 サマーバケーション

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羽衣会 4

 わざわざ言うべきことでもないかもしれないが、この羽衣会惨殺事件の犯人は俺だ。

 分かった人いる? と聞くより分からなかった人いると聞いた方が適切であろう。

 それくらい当たり前の当然のことだ。

 もしこの小説がミステリーなら、密室の中で夫人が首を絞殺されていたとして、その中で一人の男が倒れていて、そいつ以外の関係者全員にアリバイがあり、しかもそいつだけが殺された婦人を殺す動機を持っていて、さらにさらに争った跡があり、爪にその男の血痕が残り、臀部にはその男の精子が残っていても、どんでん返しが起きるのだろう。

 でもここはファンタジー。そんなこと起きるわけがない。

 動機についてはヤクザだから殺した……という理由では60点だ。

 本当の理由は夏休みの初めに香苗さんからいくつか話を聞いてその中でこういっていた。

『衣川組を私の代で終わらせる。早苗には決して継がせない』

 そのことを今日この場で話をする予定だった。

 冗談じゃない。そんなことしたら余所者が入ってきて俺の平和が無くなってしまう。

 かといってそれを止めるすべはない。

 娘を暴力団に継がせないとするのは当然の事。

 ではどうするかを考え、一つの結論に至った。

 あいつらを潰せば引継ぎが無くなる。

 だから殺した。殺しまくった。

 イタズラをしたのも俺である。

 到着時間を遅らせて、殺戮に鉢合わせないようにしていた。

 運転手がすぐに疲れたのは無限淵アンタッチャブルで到着させないようにしたため。
 吐き気をさせたのは犯された聖少女アイアンメイデンでそういう痛みを与えたため。
 電話がつながらなかったのは証言通り雷電のライジングボールで電波を歪めていたため。

 全て犯人は俺だ。

 ただ殺したのは俺であって俺じゃない。

 明確に俺が手を下したのはさっきまで生きていた男だ。

 爪をオオスズメバチの針にして、何回も刺した。

 躾けられた支配者トレーナーズコントロールで違うと証言した? あんなの信じるなと何度も言っているだろ?

 耳を引き千切ると言ったが、正確にはパンの耳を引き千切るといったんだ。

 ただ『パンの』の所を超音波で発したため、聞こえなかったかもしれないが。

 隠れて小さく食パンの耳を千切った。

 そして分身体では殺しきれないといったのも嘘じゃない。

 本当に『世界』や『法則』持ちの能力者がいたのだ。

 しかも月夜さんの時にいた浄化集会に雇われていた連中、相手より速く動いたり、最高の位置で攻撃してきたあいつら。

 生きてたんだなと感心したがそいつらがいる限り、分身体では分が悪い。

 だから別の手段を使った。

 何で知っていたかは車に乗っている時ずっと八目十目サイトシークで監視していたから。

 何処にあるか聞いて無いから分からないといったが、どこにあるかは自分で調べたから本当は知っている。

 真百合に協力してもらった。

 この後の話だが、警察はこの事件のことをすでに知っていて何やかんやでうやむやにする。

 その後俺が殺人権を仕方なく使い、犯人の消息は不明のまま片付ける。
 残った麻生や綿貫の利権は全て衣川が手にする。

 みんなハッピー。

 かなり強引な手法だと自分でも思うがここはそういう集会。

 勝った者が全てを手にする羽衣会。

 大体向こうもこっちを殺す気でいたんだから、文句を言われる筋合いはない。

 人に銃を向けといて自分は打たれたくないなんて調子がいい連中だ。

 ま、やつらは人と呼ぶには難しいがな。

 ではどうやって殺したかを語ろうか。

 まずは複製体2体を送る。

 その時、感無量ナンセンスで五感に入らないようにする。

 そして人が集まったところで車に乗っていた俺がギフトを発動。


 獄落常奴アンダーランド――亡者


 効果は死者蘇生。

 死んだ人間を一時的に生き返らせる。

 俺が生き返したのは3人。

 まよちゃん
 狩生武
 坂土素子

 上から獄落常奴アンダーランドの元の持ち主、嘘をつけば毒を盛るギフトそして並行世界を移動するシンボルの持ち主、最後に未来を視ることをでき因果関係を削除するシンボルの持ち主。

 楢木魔夜は俺が耐性を利用し上から潰したから、まよちゃんの方で生き返した。

 下二人は因果から消されたが、獄落常奴アンダーランドは『世界』の能力。上位の能力なのでさらに上から塗り潰し一時的に復活させた。

 本当はあの死を決定させる能力を持ったあのタラコ唇バスガイドも召喚しようかと思ったが見た目が美しくないのでパス。

 いい能力に見えるが、この能力は地獄を支配するギフト。

 地獄に逝ったモノしか生き返らせることはできない。

 よって仲良く逝ったイギリス夫婦と文化祭の時にいなくなった八重崎、そして何より我が友、林田稟は生き返らない。

 逆ならばよかったのに。

 無理なものは仕方ないからくよくよしないが。

 それで俺が生き返せる中で最も戦闘力のあるその三人で殺しまくった。

 彼らは亡者なので決して死ぬことは無い。

 斬られ撃たれ爆破されても復活する。

 まよちゃんは手を生やし殺し、狩生は硬かったり命中しない奴を並行世界から【死】を移動させ殺させた。

 素子ちゃんはこの事をばらされたりするのは面倒なんで、逃げたり通報しようとする連中の意思と行動の因果を削除させた。

 分身の1体は聴覚だけを解除し指示、もう1体は門番を暗殺し遺体を門の中に積み上げた。

 流石にこれを使ってもと消費がゼロというわけではなかったので、車の中ですこし横になりたかった。

 後は適当に選んだ奴を殺さないようにして、俺が参加していないと証言させる。

 計所要時間5分13秒。

 死傷者114名、行方不明者15名、生存者0名。

 地獄と形容するにふさわしい大惨事だった。

 今頃麻生組や綿貫組の留守番組の連中は焦っているだろう。

 いや……今現在進行中で殺されているから辞世の句でも読んでいるのか?

 しっかし最近自分が主人公らしいことをしていないって色んな方面から煽られるから、これで文句を言う人はいなくなった。

 だってそうだろ?

 主人公のピンチにかつての敵が駆けつけ手を貸す。

 これ以上ないほど主人公ポイントがたまっていく。

 笑いが止まらない。

 後は衣川組がいろんなものを引き継いで、早苗にばれないようにすれば万事解決。

 しかし、予想外だったのは速攻悪鬼正宗デビルメイクライ

 言われてみればそういう使い方ができるのかと感心する。

 早苗にあるまじき便利なギフトだ。

 その所為で少し動揺してしまい、つまらないミスをしてしまったのは反省しないといけない。

眉間に付いた海苔は俺が世界を止めてつけておいたが、次この技は使えない。

 だがミスらしいミスはこれだけのはず。

 ミスはしていない、したとしてもそれは早苗が気付けるレベルじゃない。

 後から分かる証拠はもみ消せる。

 残りはすべて計画通り。

 とはいえここからが重要。

 衣川にそれとなく両家の利権を引き継いでもらい、かつ衣川に俺がこいつらを殺したことをばれないように立ち回らないといけない。

 まったく、なかなか面倒である。

5章に出てきた連中の能力を使わないのはもったいないですが、かといってそのまま使うと強すぎるため
獄落常奴アンダーランド→指示→発動
の三工程必要で発動ということにしました。
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