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チート戦線、異常あり。 作者:いちてる

7章 前編 サマーバケーション

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超悦者 4

超悦者スタイリストの明確な設定の話です。結構重要。

あと前に活動報告で書きましたがこの小説の総合評価が1000を超えました。ブックマークに登録してくださった、また評価をしてくださった読者の皆様のおかげです。そろそろ夏休みが終わりますので二週間に一度のペースに戻るかもしれませんがこれからも応援よろしくお願いします。
「うっ……ここは?」
「やっと起きたか。10カウントはもうとってるから、父さんの負けだぞ」

 500から先は数えていない。

「一樹は父さんが気絶している間にそんなことしてたのか」
「いいじゃないか。むしろ看病してやったんだぞ。感謝しろよな」

 床に埋まったあんたを掘り起こすのはとっても大変だったんだからな。

「それにしてもまさか2日……3時間ちょいでモノにするとは……分かっていたとはいえ恐ろしい」
「そう? 比べる相手がいないからあんまり凄さが分かんないけど」
「ああ。俺の知る限りお前が最速だよ。しかもそこそこの悪条件で」

 別に会得する速度を競っているわけじゃない。問題なのはそれをどう使うかどう対処するかだ。

「今日の鍛錬はこれで御終いだが……これから一樹には超悦者スタイリストの戦闘処理について教えようと思う」
「超パワー超ガード超スピードだろ?」
「その超の限界値のことを知っておかないといけない。超悦者スタイリストの最高速度は999……999と延々に9が続いていく。ただし無限ではない」

 限界はないが無限ではない。

 正確には違うが『∞-1』がイメージ的に一番近いはずだ。

「……だからこそ光速の何倍何十倍速く動けるが、時間停止には決して届かない」

 なぜなら使用時間0で動いたら、速度が∞になってしまうから。

「その通りだ。理解が早くて助かるよ」
「同時に『運命』によって決められた死はどう頑張っても防御できないし、『世界』を破壊することはできない」

 父さんは再び肯定する。

「イメージとしては超悦者スタイリストは『論外』の上、『時間』の下ってところか」
「ただし耐性がかかるのは『時間』からということか」
「そうだ。もう『論外』がなぜ『論外』なんて言われるのは分かっただろ?」

 まったくだ。

 超悦者スタイリストがあれば何とでもなるから。

 ギフトなんて使うまでも無い、敵ですらない。

 どちらが強いか論ずるに値しない。

 まさに『論外』

 そして同時にとある懸念が俺を襲う。

「俺のギフト半分以上産廃になったんだが」

 超悦者スタイリストが相手というだけで使えるのがかなり限られた。

「それについては大丈夫。一樹が思っているよりかは産廃にならない。そこについてはこの後説明するとして、超悦者スタイリストはギフトでもシンボルでもない。あくまでこれは体術、体さばきだ。異能力じゃない故、柳動体フローイングで吸収できない」

 正直下手なギフトより摩訶不思議な気がするが、まあいいだろう。

「そうだな、あと超悦者スタイリストにスタミナという概念は存在しない。精々は息を荒げるくらいだ」
「そうか。で、結局なんで『論外』のギフトが産廃にならないんだ?」
「それは超悦者スタイリストの仕様に関わってくるからだ」
「仕様?」
「知っていると思うが、超悦者スタイリストは攻撃と防御そして速度を同時に演ずることはできない。攻撃している時はあくまで攻撃。防御したいときは防御。素早さをみせたいときは速度」
「ん? 待った。それっておかしくないか?」
「どこがだ?」
「先のテニスの時、父さんブラックホールぶった切ったじゃん?」

 あれはかなり驚いて今でも印象に残っている。

「その時は攻撃型の超悦者スタイリストだったわけだろ? その理屈だったら攻撃する前にダメージ受けても…………」

 言ってて途中で気づいた。

「そういうことか。だから『論外』持ってるんだ」
「察しの通り。あの時オレはギフトを使って自分をガードしていた。その上で超悦者スタイリストで攻撃したというわけだ」

 一種の保険というわけか。

「そしてこれらは勿論その演じたいものだけ。速く動いても衝撃波で攻撃できるわけではないし、逆にその動きに耐えられる防御力があるわけでもない。ただそれだけだ。そしてこれが超悦者スタイリストの弱点でもある」
「弱点?」
超悦者スタイリストは耐えようと思えばブラックホールだってビッグバンだって耐えることが出来る。だがそのつもりで無ければただの銃弾で死んでしまうもろさがある」
「格ゲー風に言えば、コマンド入力してない時は無敵だけど移動したり攻撃したりしている時は普通に紙装甲ということか」
「そうだ」

 攻撃は最小の防御。
 防御が最大の攻撃。

「じゃあさ、超悦者スタイリスト超悦者スタイリストを攻撃したらどうなるの?」

 説明を聞くに超悦者スタイリストはステータスがカンストでフラットにすることだ。

「それはそうだな……ジャンケンだ」
「ジャンケン?」
「攻撃型は速度型は倒せない。当たらないから。
速度型は防御型を倒せない。届かないから。
 防御型は攻撃型は倒せない。削られるから」

 確かにきれいに三すくみになっている。

「ただし、防御がグーだ」
「グー?」
「お互いに対する矢印が攻撃から防御が小さい」
「どういうことだ?」

 これは聞いただけではわからない。

「さっき言った通り攻撃最中に相手の攻撃を受けたら超悦者スタイリストは死にかねない」

 速度から攻撃の矢印はとっても大きい。

「ダメージが通らなければどうあっても倒せない。完全な詰み相性。引き分け以下が確定している」

 防御から速度の矢印は極めて大きい。

「だが防御は攻撃されても猶予が生まれる。超悦者スタイリストだけならかなりきついのに変わりはないが、オレ達はそうじゃないだろ? ギフトだって使える」

 超悦者スタイリストの防御とギフトによる攻撃。

「つまりあれだ。ペッ○ショップみたいにガードしながら氷柱を使えるわけだ」

 そりゃ強い。

 格ゲーだったら禁止だ。

「むしろ下手をすればガード外して自爆特攻しているといっても過言じゃなくなる。故に防御優位」

 防御が最強グーになる由縁はそういうわけか。

「その削りどのくらいはいるの? 例えばだけど鬼神化オーガニゼーション使いながら超悦者スタイリストでぶん殴れば一気にダメージが通るわけ?」
「いいや。それはない。超悦者スタイリストは『論外』との足し算が出来ない。使っても使わなくても出力の限界は変わらない。ただし超悦者スタイリストで動きながら攻撃したりや超悦者スタイリストで防御しながら鬼神化オーガニゼーションで攻撃することは可能」
「結局削りについては?」
「お互い何もしない状態で殴り合ったと思えばいい」

 確かにそれだとなかなか致命傷にはならないか。

「もちろんこれは老若男女全て使うことが許されている。むしろ大男よりも若い少女の方が身に着けやすい」
「ぷにぷにの二の腕で男を投げ飛ばしたりするのはよく見るよ」

 超悦者スタイリストに筋力は関係ない。

「ここまで説明すれば超悦者スタイリストで何が一番重要なのかは分かるだろう?」
「防御力」
「そう、防御力こそがこの超悦者スタイリストの神髄というわけだ」

 防御力か。うーん。

「なんかあれだよな。少年漫画っぽくないよな」
「確かにそういうのは攻撃力や機動力を優先させる。そっちの方が面白いから。でも一樹、お前は面白いかどうかで自分の命を賭けれるか?」

 まさか。

「あり得ない。防御一択というのはこちらとしても異存はない。そもそも防御力が至高というのは歴史を紐解けば簡単にわかることだ。籠城されれば通常の三倍の兵が必要なのは有名な話だし、守備特化の野球チームが打撃最下位でも優勝したのはよく聞くよ。逆に4番クラスを集めてもBクラスだった球団もあったくらいだしな」

 力の中で一番重要なのは防御力だ。

 だがそのかわり問題がある。

「その分一番得難いのもそれだよな。労力と習得が割に合わない」
「だが、超悦者スタイリストなら話は別だ」

 力の均一化。そうなれば防御力が最も強くなる。

「しかし、あれだな。ひょっとして神薙さんって思ったより強くないんじゃないか?」
「    は?」
「いや、今んところあの人がやったことって日本刀を素手でぶった切ったり、光速で動いたり、それと通り抜けたくらいじゃんン。そのくらい超悦者スタイリストなら出来るんだろ?」
「そうだが…………」

 悲報。神薙信一。インフレに呑み込まれる。

「実は超悦者スタイリストにはその先があるんだが」
「はあ? まだ習得してないのに先があるって言い出すわけ? 何なの? 主人公に優しくないなんておかしいだろ!!」

 もう少し俺に甘くたっていいじゃないか。

「オレはそこまでの境地に辿り着いて無いからどうやればなれるかは知らない」
「つっかえねえ・・・・・・言うだけ言って肝心なことは何も言わない奴じゃん。恥ずかしくないの?」
「ごめんなさい。これについては本当に知らないんです」

 いつも以上に下手に出る父さん。

 許してやる気がしないでもある。

 つまり許さん。

 ま、これ以上聞いても無駄そうだから何も言わないが。

「他にはないのか?」
「戦闘処理についてはこのくらいか。説明してないのは……こんなのとか」

 すでに元に戻った屋上で空中散歩を始めた。

「それは?」
「環境による影響を受けない」
「?」
「極寒だろうが灼熱だろうが深海だろうが真空だろうが問題なく過ごすことが出来る」

 ほげー。それは強い。

「でも待った。さっきはブラックホールを防ぐのにギフト使ったよな? それとこれとはどう違うんだ?」
「とある一か所の違い。それによって防がないといけないか防がなくてもいいかが変わる」

 その一か所を考えて見る。

「俺か?」
「そう。あれはお前がオレを倒すつもりで創ったモノだ。明確な意思があり意義がある。その差だよ」

 考えるに超悦者スタイリストはPvsPが前提である。

 それ以外の要素をできるだけ排除する…………という理念を感じた。

「自分から溶岩で岩盤浴するのは大丈夫だが、他人に落とされたら防がないといけないのか」
「その説明、グッドだ。後は……言語を理解できなくても意思疎通ができるってことくらいか」
「ああー。よくある異国の言葉を平然と喋るやつね。はいはい、これは納得」

 むしろこれが一番重要な効果じゃなかろうかと

「父さんも使えるが仕組みはよく分かってない。だからこれで全部説明しきれたとはいえないが、大方これで説明しないといけないのは全部したつもりだ」

 相変わらず使えないことに定評がある。

 生きてて恥ずかしくないの?

 まあロリコンだから生き恥くらい日常茶飯事か。

「これで超悦者スタイリストの講座は終了。明日からレッスン3は……明日になってのお楽しみだ。次もこの時間で大丈夫か?」

 聞きなおしたいときは歴史認識のギフトを使えばいいというのは最近学んだ。

「ああ。大丈夫、また明日」

 今度は先に俺から早苗の家に帰った。

 しかし、本当に今日は疲れた。

 帰って風呂入ったら寝る。

色々言いたいことがあると思いますが、私ももう一つ言わせていただきます。

異能バトルに肉弾戦なんか持ち込んでんじゃねえと。
たまに殴り合うくらいなら許容できますが、異能バトルと銘打って最後の最後で殴り合いで決着をつけたら本末転倒じゃないですか。
互いに能力を無効化してるとか大きすぎて効かないとかそれっぽい事言ってますが、読者側からすれば漫画のキャラに『こんなの読んでるくらいなら参考書を読んだ方が為になるよ』なんて言われるようなものだと思っています。
求めているものが違うんです。異能バトルと銘打った以上読者が求めているのは非日常なはずです。
殴り合いなんてボクシングかなんかで十分ですし、極端な話そこら辺の誰かをいきなり殴りかかったら自ら体験できます。

かといってじゃあ身体能力を一般人並みにすればどうしても弱くなってしまいます。
無い頭をフル活用し考えた結果がこれです。
この超悦者スタイリストは全キャラ(一部例外を除く)のスペックを均一化することで極力無駄な肉弾戦を避けることが目的です。
かなりあれな話ですが、ここまでついてきてくださった読者の皆様なら私の主張に少しだけでも納得してくれると信じています。
+注意+
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