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【摂関家の野望、武蔵九条家戦記】〜九条家の五男坊が勅命を拝命して東国を制覇するぞ!〜摂関家の領地を奪還して皇室御料を確保せよ!  作者: 近衛政宗


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序章…初詣からの戦国時代に逆行転生!1530年(享禄3年)1月5日誕生!ご先祖様の為に天命を尽くすぞ!

20歳の大学生の九条義通は元日に大國魂神社へ初詣に向かいます。

しかし、突然に先祖の九条兼実の願いを叶える為、時空を超えて戦国時代に逆行転生を果たします。


筆者は3年前から【立花家三代戦記】を執筆していた時に九条家が関わっていた船木田荘の存在を知り、以前から執筆したい題材として温めていました。

【立花家三代戦記】を執筆しながら、同時に【武蔵九条家戦記】を愛情を持って執筆いたします。


両方の作品を読んでいただけたら…

筆者冥利に尽きます。


―2026年(令和8年)元日早朝―


俺は九条義通20歳の大学生、早起きして初詣に向かった先は東京都府中市の大國魂神社。

府中駅から拝殿まで3時間かったが昨年の感謝と今年の抱負を唱えていた時だった…

眩しい光に包まれて周囲から参拝客が見えなくなり、心と胸に響く声が聞こえた。


「我は其方の先祖、九条家初代、九条兼実(くじょうかねざね)なり!大國魂神社の大神様にお願いしてようやく其方(そなた)を見つけた!

其方にはやらねばならぬ事があるのだ!

九条家の先祖が築き上げた船木田荘(ふなきだそう)の存在を後世に残す事である!

今直ぐに船木田荘に行くが良い!」

目の前に貴族の衣装のご先祖様?

九条兼実様の隣には大國魂神社の大神様かな?

眩しい光の中で二人が微笑んでるけど…


「あの、まさか?親父と、お爺から船木田荘ってご先祖様の荘園だったと聞いてたけど、日野市から八王子にかけて広大な領地だった筈…あれ?昔お爺につれられてピクニックに行った時に丘の上から見た事があったぞ!ご先祖様!大神様!

船木田荘に行け?ってまさか?

逆行転生するって事ですか??」


「ぶははは!理解したようだな?

大國魂神社の大神様は幼い頃から其方を見守り、年に何度も参拝してくれるのを喜ばれてな、九条家の先祖達の嘆きを聞いて其方を紹介して頂いたのじゃ!

我が九条家の先祖の願いを託す!

時代を遡り、天命を達成して参れ!」


「ははっ!ご先祖様!大國魂神社の大神様!

畏まりました!天命とあらばこの命を捧げます!」


もう現世の家族や大学の事は諦めた…

先祖に選ばれ、大神様に見込まれた…

ならば行くしか無いだろう!

眩しい光に包まれたら眠くなって来たぞ…


どれだけ眠ったのか分からないが…

眩しい光に目が覚めたが少し息が苦しいぞ、狭いぞ!

ぐはぐは、息が苦しいぞ…

暫くするとズルーっと滑ったらスッキリ!


眠ろうとしたらお尻を誰かに叩かれた!

いててっ!痛いじゃん!

これは赤子が生まれた瞬間じゃん!

理解したぞ!泣くのがお約束だな?

「オギャー!オギャー!プギャー!」


「生まれたー!ち⚫こあるぞー!」

「男児誕生おめでとうございまーす!」

「おめでとうございます!」

次々にお祝いの言葉が聞こえる…

戦国時代に来たんだな…

あぁ、眠い、誰だ?くすぐるなよ!

ち⚫こさわるなよ!


「おぉ!生まれたか!

男児か?おっ?かわいいのがついてるな?」

ツンツンするな!

タマタマくすぐったいじゃんか!

やっぱし疲れた…時空を超えるとすげー眠いぞ…


「名前は決めてあるからな、菊松丸だ!」


五男坊の誕生に父の九条尚経(くじょうなおつね)が菊松丸の誕生を喜びました。


1530年(享禄3年)1月5日、九条尚経(くじょうひさつね)の五男坊、幼名菊松丸が誕生。



―主な登場人物―


―主人公、九条義通、幼名菊松丸―


―父、九条尚経17代当主(61歳)元関白太政大臣―


―長兄、九条稙通(くじょうたねみち)(25歳)正二位権大納言―


―次兄、花山院家輔、従三位権中納言―


―三兄、尋円(じんえん)興福寺大乗院門跡―


―四兄、如水(じょすい)東福寺門跡、智謀抜群―

 

五男坊の菊松丸の誕生は正月の九条家に明るい話題を与え、賑やかな日々が続きました。

父の九条尚経は61歳、菊松丸の誕生を喜びましたが梅雨時の6月から体調を崩して7月には寝たきりになり、帝から名医を遣わされましたが、診療の甲斐もなく残念ながら8月に亡くなった。


菊松丸は父の記憶が刻まれる前に大きな保護者を失いましたが、25歳年上の長兄の九条稙通に溺愛されて育てられ、勉学は好かぬ!と言いながら書道、和歌に故事成語、絵画、歌留多、百人一首、蹴鞠に才能を示し、14歳になる頃には弓と馬術、打毬(だきゅう)(西洋のポロ、馬の乗ったホッケーの様な競技)、流鏑馬、剣術、槍、弓、短距離走には抜群の才能を発揮する事になりました。


―1544年(天文13年)菊松丸14歳―


父親代わりの九条稙通は25歳も離れた弟の将来を見据えて最善の道へ進ませたいと考えていました。


「なぁ、菊松丸、其方は記憶力と武芸が抜群だ!

学問の道へ進むのか?

政治向きの仕事か?

行政に携わる仕事か?

目指す物は武芸の道か?

何かやりたい事があるのか?」


「兄上、ありますよ!

皇室や摂関家を始め貴族の荘園が全国の大名家に奪われて年貢が途絶えて苦しんでいる方々が大勢おられます。上流階級だけで無く、都に流通する銭が滞り、物流が停滞して最終的には都の町の民が生活に困窮しています。本来は年貢を都の発展に使われる物が届かず、都の道路や橋も充分な補修も出来ませぬ!

従って庶民の仕事が減り続け、収入の道を断たれた人々が苦しんでおります!

私は東国に出征して皇室や摂関家、貴族達の荘園を取り戻して、都の賑わいを取り戻したいと願っています!」


「ぶははは!無理だな?

皇室も摂関家も貴族達も武力は持たぬ故、夢の話しだ…桃太郎の鬼退治みたいなおとぎ話だ!」


「兄上、菊松丸が桃太郎に成ります!

私に考えがございます!

摂関家が中心になり、幕府と寺院の後押しに加えて最後に帝の叡慮を頂けるなら実現する策がございます!」


「ほぉ、随分と自信があるようだな?

其方の策を話してみよ!」


来年、私は15歳で元服を迎えます。

将軍足利義晴様に烏帽子親になって頂き、諱(いみな)の義を頂いて九条義通を名乗ります!」


「無理だ!知ってるだろう?俺は足利義晴が大嫌いだ!犬猿の仲だぞ!絶対に無理だ!

俺の弟に将軍が諱を授ける訳がないだろう?


「だから好都合にございます。

それで、将軍足利義晴様に私の烏帽子親を仲介するのが将軍と仲良しの近衛稙家叔父様に依頼いたします!」


「更に無理だ!近衛稙家と俺が対立しているのは誰もが知っているだろう?絶対に無理だ!」


「それを全て世間の皆様が知っているから最高に条件が揃いました!

兄上の出番にございます!

兄上が懇意になされてる賢き辺り…

後奈良天皇陛下に奏上をお願いいたします!

私の烏帽子親を将軍足利義晴様に依頼する仲介人を帝から近衛稙家叔父様に下命して頂きます!

下命は絶対!拒否は出来ぬ故に将軍足利義晴様が烏帽子親に決まります!」


「ぶははは!恐れ入ったぞ!その手があったな…

帝のお出ましを頼むか…見事だが、それで何が始まるのだ?どうやって桃太郎になるんだ?」


「菊松丸が元服して烏帽子親に将軍足利義晴様、諱を授かり、官位を頂くのが通例にございます。

九条家の男子なら従五位下の職務が与えられ、朝廷に出仕して見習いの身分から修行が始まります」


「そうだ。見習いから職務を学ぶが、それで?」


「はい!兄上に奏上して頂きたい事が更に2つございます!」


「ぶははは!欲張りな奴だな?申して見よ!」


「はい!勅命により、東国に存在する摂関家と貴族達の荘園の奪還と皇室の御料の確保を下命なさる事、もうひとつは従四位下、左兵衛督(さひょうえのかみ)と武蔵権守(むさしごんのかみ)の官位を授かる様に働き掛けをお願いいたします!」


「ぶははは!あり得ぬ!いくら何でも…

その従四位下、左兵衛督とは皇室警備の最高責任者を示す!、武蔵権守は武蔵国の司法、立法、行政から徴税、軍事における最高権力者、武蔵国の最高権力者を表すじゃないか?

そうか!最大の敵になりそうな北条氏康の官位が従五位上、左京大夫だ!

前橋の関東管領、上杉憲政が従五位下、兵部少輔!

両者よりも官位が高く、勅命と官位を盾に命令を下せる立場になる為だな?」


「流石(さすが)兄上!ご明察にございます!」


「しかし、無理があるぞ!

勅命は摂関家(近衛家、九条家、二条家、一条家、鷹司家)の合意で纏めて帝に奏上するのが慣わしだ!

摂関家の筆頭の近衛稙家を無視していきなり儂が単独で奏上など出来ぬ!前例が無いぞ!」


「ならば兄上、奥の手を使います。

万里小路頼房殿に近衛稙家叔父様の説得を依頼いたします。万里小路頼房殿は近衛稙家叔父様のお気に入りにございます。

さらに頼房殿なら叔母様が帝の妻になり、お顔が広く、その叔母様は近衛稙家叔父様の幼馴染…

ふふふ、搦手から近衛稙家叔父様の説得が出来ます。

如何でしょう?」


「ぶははは!搦手からか!?

万里小路頼房なら俺とは幼馴染!

奴なら全てを承知で纏めてくれるだろう!

奴ならお前が赤ん坊の頃からずっと可愛がっているから任せて安心だが…

奏上が出来たとして、東国に率いていく兵力は如何にして集めるつもりだ?」


「兄上、桃太郎は家来を集めました。

犬、猿、キジを家来にして鬼退治に向かいます。

私も桃太郎の如く家来を集めます!

世の中には次男や三男、四男、私みたいに五男まで無役(無職)の者が才能を持ちながら起用される機会を得ておりませぬ。

来年の元服までに摂関家や貴族や武家、寺院からも人材を募り、東国遠征に向かう勇者を集めます!」


「それで、東国遠征の最初の目的地はどこだ?」


「ははっ、武蔵国の船木田荘にございます!」


「九条家の東国における最大の荘園!

名義は100年前に東福寺に変えたが、九条家が東福寺を創建したから実質的に九条家の所有だ!

さては、如水に何か吹き込まれたな?」


「はい!皇室や摂関家の苦境の原因を如水兄上から教えられ、いつかは武蔵国の船木田荘に行きたいと思うようになりました!

最近は小田原の北条家が船木田荘の一部を奪っております。早く東国に遠征しないとやがて全てを奪われてしまいます!」


「如水に学んだな?」


「はい、東福寺に遊びに行く度に如水兄上から私の知り得ぬ事を学びました。

船木田荘園は九条家と東福寺から数人の管理人だけで、護衛の兵力は僅かで、地域の領主達に委託せねば広すぎて管理出来ぬとか、最近は帳簿に不正があるが、現地に行けずにどうにもならぬ…と嘆いておられました」


「ぶははは!如水の仕掛けだったか…

お前が東国遠征に行きたくなったのは奴の仕込みだな?」


「はい!兄上、お見事にございます!

如水兄上から東国遠征を持ち掛けられました!」


「それで、如水から兵力を集める算段を聞いているのか?」


「はい、如水兄上から聞いた話しでは、花山院家輔兄上と尋円兄上が東国遠征の為なら武家と僧兵を合わせて募れば500名ほど出せると…さらに他の有力者から募れば1000名を超えると申されていますが、余り期待はしていません!」


「軍資金を心配しているのか?」


「もちろんそれもありますが、統率が取れる程度で充分、200から最大500までにいたします。

兄上、さらに決め手がございますが…」


「何だ?申して見よ!」


「ははっ、来年の元服に伴い、帝に武蔵九条家の創設と、さらに武蔵九条家の家紋と軍旗に菊の御紋の使用を奏上してくだされ!」


「ぶははは!決め手はそれか!

恐れ入ったぞ!…

帝は赤ん坊の頃から其方を可愛がっているからな…

わかった!

現地で菊の御紋、勅命、大義名分は揃う!

兵力も集まるだろう…

ふふふ、忙しくなるぞ!」


「はい、それ故に1年前にお願いしております。

兄上!お手数をお掛けしますがよろしくお願い申し上げます!」


「承知したぞ!後は軍資金だな?…」


「それなら先手を取りました。

兄上には、後日お披露目致します!」


「なんと!14歳の其方が?

ぶははは!楽しみに、しておるぞ!」


25歳離れた兄上が、優しく笑ってくれた。

兄上は俺が令和の時代から転生してる事を知らぬ。

九条家の初代の爺様に頼まれて、大國魂神社の大神様に選ばれたのだから、兄上の為にも東国に遠征して摂関家の領地を奪還して、皇室の御料を確保するぞ!

取り敢えず、戦国時代好きで良かった!

これから起こる出来事は、ある程度記憶しているからな…関東では北条家と古河公方家と関東管領家が戦っている筈、記憶を整理して備えてやるぞ!


まぁ、それ故にまだ兄上に伝えて無い秘策が有るんだが、まだ秘密にして突然に驚かすのも良いだろうな。


武蔵国の船木田荘園は東京都日野市の西部と八王子市内の広い地域に実在していました。

主人公は武蔵国の船木田荘を起点に北条家と対決する事になります。

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