06-12
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決着はまったくわからなくなった。
お互いほぼ完璧な演技だった。
二人ともほとんどミスをしていない。
SPもほぼ差が無いことを考えれると、さらに展開は読めない。おそらく、テクニカルスコア<技術点>に差は無いだろう。
勝敗はプログラムコンポーネンツ<演技構成点>。
観客の、ジャッジの──印象。どっちが上だったか。どっちがより圧倒的だったか。もはや技術ではない。気迫。どちらの気持ちが上だったか。
勝敗を分けるのは、ジャッジの判断──。
普段よりも審議に時間がかかっている。
これはどちらが上なのかジャッジが迷っている場合に良くあることだ それからも勝負が肉薄していることがわかる。
そして、この場合。
その意味は、単にこの試合の決着だけにとどまらない。
スケート界においては、実績が重視される。この勝利が、次の勝利に影響を及ぼす。ジャッジが、一体次にスケート界を担うのはどっちなのか。それに迷っているのだ。
私の得点はSPフリー合わせて189.87。
ユリカがこのFSの得点で125,27より0,1点でも超えればユリカの勝ち。以下なら私の勝ち――。
『ユリカ・ホワイト』
来た。
得点は、
『テクニカルスコア――65,00』
これは僅かに私の勝ち。
だが本当に僅か。
やはり勝敗は、ジャッジの主観、プログラムコンポーネンツ。
『プログラムコンポーネンツスコア――――』
キスアンドクライの女神は、誰に微笑むのか。
私の未来。
ユリカの未来。
二人の未来は────
『トータルスコア――――189,27!! 現在の順位は第二位です』
この点数に表れている。
こんにちは天川太郎です。
ちょっとずつ読者も増えてきてくれて、作者としてはうれしい限りです。
世界選手権終了ということで、第一章の山場を乗り越えました。
さて、当初の予定ではこの後エキシビをやって、二人でがんばっていこうね、第一章完結、という流れを予定し、執筆していました。
が、ちょっと気が変わりまして、ちょっとエピソードを拡充したいと思っています。
そのため、第一章の最終話をゼロから書き直しています。
現状三分の一ほどしか書きあがっていません。
なので、三日間、また休みを取りたいと思います。
ではでは執筆がんばります。
もしよろしかったら、感想などいただけたらと思います。




