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03-1
父に明確な拒否の意思を伝えた私は、その後練習に行くとだけ言って家を出た。
怒鳴り散らして、罵倒して、家を飛び出す。そうしたい衝動に駆られたけど、理性がそれが止めた。
家から徒歩で僅か十分、すぐにリンクに着く。
久しぶりに会ったリンクメイトたちが、大会の結果を祝福してくれる。だが、私はそれに満足な対応をすることが出来なかった。もちろん無視したり怒鳴り散らしたりはしない。ただ、晴れやかな笑顔でありがとうというのは不可能だった。
黙々と着替えて練習する準備をする。
コーチは他の選手の面倒を見るためにまだ日本にいるので、今日は自主練習。
私は、何も考えなくてすむように、ひたすらジャンプの練習をすることにした。
今年私が課題にしているトウループの練習。ひたすらそれを繰り返す。
跳んで、調整、また跳ぶ。そんな単純な試行錯誤。
シングル、そしてダブル。そうやって簡単なジャンプで、長時間のフライトによって鈍った体をほぐしていく。
慣れてきたらトリプルに切り替える。
二、三本試して。
そして────




