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サイバー・メイジ 〜近未来エンジニアの異世界コード改革〜  作者: 明太パスタ


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村の危機! 簡易防衛コード展開

「そ、そんな……無詠唱で雷魔法を……!? しかもレイジボアを一瞬で麻痺させるなんて……」


倒れた魔物の影から姿を現したのは、銀髪を一つに束ねた美しい少女だった。

胸元に刻まれた紋章の入った軽甲冑を纏い、手には一振りの細剣(レイピア)を握っている。


「君は……?」


「あっ、申し遅れました! 私はこの先にあるコボルト村の警備剣士、シルフィと申します。あなたは……通りすがりの魔導士様でしょうか?」


シルフィと名乗った少女は、驚きに目を見開きながらも礼儀正しく一礼した。

話を聞くと、この近くにある小さな開拓村が今、凶暴化した魔物の群れに襲われかけており、彼女は助けを求めて森を走っていたのだという。


「村に防衛用の結界はあるの?」


「はい……ですが古くから伝わる結界石で、出力が弱くて……今にも破られそうなのです!」


(古くから伝わる結界石……どうせ古い冗長プログラムで動いてるんだろうな)


「よし、案内してくれ。エンジニアとして……いや、旅の通りすがりとして見過ごせない」


「えっ……はい! ありがとうございます!」


シルフィの案内で村へと急行すると、木造の防壁に囲まれた小さな村が、数十頭のレイジボアとゴブリンの群れに包囲されていた。

村の中心に立つ古い石柱(結界石)からうっすらと青い光幕が張られているが、魔物たちの体当たりを受けるたびに激しく明滅し、今にも砕け散りそうだ。


「ひぃっ! もう結界が持たん!」

「誰か……誰か助けてくれ!」


怯える村人たちの声。シルフィが剣を抜いて飛び出そうとするのを、蓮(レン)は手で制した。


「シルフィ、待って。直接戦うより、システムの基幹(コア)を書き換えた方が早い」


「え……? 基達……?」


蓮は結界石へ向けて手をかざし、サイバーブレインのアクセスコードを発信した。


『対象オブジェクト:古代結界システム。ソースコードの取得に成功。……重度のバグおよびメモリリークを検出』


「やっぱりな。コードが長すぎて魔力のロスが9割を超えてる。これじゃ出力が出るわけがない」


蓮の網膜上に、赤いエラー表示が埋め尽くす。

彼は脳内思考をフル回転させ、結界のプログラムをその場でリファクタリング(再構築)した。無駄な処理を削り落とし、大気中のマナを自動吸入して循環させる効率的なアルゴリズムを上書き(オーバーライド)する。


「『自動防衛システム 1.0』、パッチ適用――実行!」


――ズゥゥゥン……!


瞬間、結界石から眩い黄金の光が放たれた。

うっすらとしていた光幕は、一瞬にして透過率ゼロの堅牢な「光の城壁」へと変貌を遂げる。


さらに蓮は、防衛プログラムに『反撃(カウンター)コード』を追加した。


ガキンッ! バチバチバチッ!!


結界に体当たりした魔物たちが、接触した瞬間に強烈な電撃のカウンターを受けて次々と弾き飛んでいく。


「な、なんだこれはーっ!?」

「結界に触れた魔物が勝手に倒れていくぞ!?」


村人たちが口ぐちに叫び、シルフィもまた、目の前の光景に開いた口が塞がらない様子だった。


「これでよし。魔力が自動循環するから、半永久的にメンテナンスフリーだ」


蓮は満足そうに頷くと、呆然と立ち尽くす村人たちに向かって爽やかに微笑んだ。

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