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最弱の骸骨兵として異世界ダンジョンに転生した俺は、進化で最強を目指す  作者: Sigil


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第28章:旅の仲間

しばらく地面にうずくまっていた蝶は、ようやく立ち上がった。潰れていた羽はもう元通りで、大きく広げると、紫の花をぼんやりと思わせる美しい模様が浮かび上がる。


犬のように体をぶるぶると震わせて、残った黒い液体を振り払う。あたりを見回すと、そのまま宙に舞い上がった。


待て!お前はまだランクFなんだぞ!こんな上級エリアで飛び回っていたら、確実にどこかのモンスターに捕まるぞ!


心の中で叫んでみるが、声帯がないせいで、その叫びは自分の頭の中でさえ音にならない。おれの声など聞こえていないとばかりに、蝶はあまり遠くへは行かず、頭上をぐるぐると飛び続けている。


まあ、無防備に遠くへ行ってしまわないだけマシか。せっかく手間をかけて生き返らせたんだ、あっさり死なれたらたまらない。


あの体を操っているのがモンスターなのか、それとも人間なのか、正直よくわからない。いろんな種類の魂の粒子を吸収したんだ、いろんなものが混ざり合っているのかもしれない。


記憶があるようにも見えない。動きも振る舞いも、まるで本能のままに動く生まれたての動物みたいだ。


心配しながら蝶を見つめる。離れていきたいわけでもなさそうだが、近づいてもこない。おれを警戒しているんだろうか。


うーん……。


そうだ、[アンデッドメイカー]で生み出したアンデッドには絶対服従の呪いがかかっているはずだ。試しに命令してみよう。


おーい!蝶!ちょっとこっちに戻ってこい!


だが何も起こらない。蝶はただおれのいる場所の周りを飛び回っているだけだ。飛行系モンスターの割には、あまり速くもないようだ。


マジでこの呪いは効いてないのか!?それとも、しゃべれないせいで命令として認識されていないのか?


どちらにせよ、おれの言うことを聞いて近くにいてくれないなら、守ってやることもできない。ランクFなら、このあたりのモンスターに少し息を吹きかけられただけでも死んでしまうくらい弱いはずだ。


難しいところだ。少なくとも、自分の答えを探しに遠くへ行ってしまうわけではなさそうだが。


まあ、言うことを聞かないなら仕方がない。それに、鎖でつないで無理やりついてこさせるなんて、さすがに気が引ける。


かといって、おれもここに立ち止まっているわけにはいかないし、安全を確保するために蝶についていくこともできない。


まあ、あとは自分の道を進むしかない。もちろん、ついてこなくて死んでしまったら気の毒だし、たぶん人間の魂で生き返らせてしまったことにも多少の罪悪感はある。だが、それでも立ち止まってはいられない。おれは自分のルートを進まないといけないんだ。


つまり、来たいなら来ればいいし、来ないなら来ないで、何もできずに死んでしまうだけだ。それはおれのせいじゃない。本当についてきてくれるといいんだが。


おれは向きを変え、鳥を切り倒した場所へと戻り始める。あの羽根が少し気になっていたし、[まほうのほかん]もレベルが上がって収納できる量が増えているはずだ。羽根と肉を少しもらっていこう。


[まほうのほかん]の中では時間が流れないから、肉が傷むこともない。


数歩進んだところで、蝶が突然急降下してきて、何か尖ったものでおれの頭を打った。


なんだ今のは?もしかして、こいつは本当にただおれを殺そうとする理性のないモンスターになってしまったのか?


まあ、痛くもなかったし、おそらくダメージも入っていないだろう。ランクFのモンスターが、おれのようなランクCのモンスターに一ダメージでも与えられるとは思えない。


とにかく脅威ではないんだから、やり返したり身構えたりする必要もない。そのまま歩き続けていると、蝶がまた降りてきて、今度は何か尖ったものでおれの首の後ろを打った。


こいつ、いったい何のつもりだ?敵意があるわけではなさそうだが……そもそも、おれが作り出したアンデッドは、おれに逆らえないだけでなく、おれを殺そうとすることもできないはずだ。


それでもこんなことをしているなら、何か理由があるはずだ。おれに敵意を向けられるわけがないんだから。


三度目に振り向いたときも、また攻撃された。本気で鎖でつなぐことを考え始めている。さすがにイライラしてきたぞ。


蝶を見つめていると、四度目は先ほどよりゆっくりと降りてきて、そのままおれの背中に乗り、頭についた小さな針でつつき始めた。……こいつ、こんなものついてたか?気づかなかったが、いったい何がしたいんだ?


この行動は敵意があるようには見えない。どちらかというと、子供が大人の足を叩いて注意を引こうとしているみたいだ。


そういうことか?構ってほしいのか?


腕を伸ばして、そっと頭を撫でてやると、蝶はようやくつつくのをやめた。その撫で心地が気に入ったのか、六本の脚がぐっと肋骨に食い込むように力を込め、そのまま背中に寄りかかってくる。


ああ、なるほど、そういうことか……。ただの子供が、羽や飛行の腕前を見てもらえなくて拗ねていただけだったのか。


もしかしたら、こいつは本当に子供なのかもしれない。もちろん体はそうじゃないが、魂の話だ。生き返らせたとき、三人分の人間の子供の魂の欠片を見た。


記憶がなくても、感情や本能はまだ残っているはずだ。これで、これからどう接すればいいか、だいたいわかった気がする。


だが、真面目な話、こいつはでかすぎる。ちょっと怖いくらいだ。


こんな蝶は見たことがない。体だけでも60センチ近くあるし、羽を広げれば1メートル半を超える。かなり異様な光景だ。こうやって背中にくっついていると、まるでおれ自身がこの紫の羽を持っているみたいに見える。


まあ、落ち着いたようだし、しばらくは離れていきそうにもない。そろそろ動くとしよう。


少し歩くと、すぐに鳥の死骸のところまで戻ってこられた。運よく、まだそれを食べにくるモンスターは現れていない。時間をかけずに羽根を一掴みと肉の塊をいくつかむしり取り、[まほうのほかん]にしまっていく。だが、最後の一つをしまおうとしたとき、蝶が突然目を覚まし、その肉を奪って近くの木の上へ飛び去ってしまった。


まあ……こいつは厳密に言えば生まれたばかりなんだから、腹が減っていて当然か。


…… …… ……


なんでアンデッドのくせに、こいつはものを食う必要があって、しかも食えるんだよ!!!?おれだってこの世界の肉を味わいたいのに!!不公平だろ!


蝶のほうを見て、小さく笑いかける。食べ終わるまで待ってやるとしよう。


ついでに、そのあいだにステータスでも確認しておくか。


———————————————————————————


種族:ソウルバタフライ

状態:つうじょう

Lv:1/6

HP:5/5

MP:4/4

こうげき:3

ぼうぎょ:2

そくど:8

まほう:5

ランク:F


スキル:

[さいせい:Lv1] [ひこう:Lv2] [とつげき:Lv1] [どくばり:Lv1] [にじのやいば:Lv1] [マナドレイン:Lv1]


魔法:

[そくど:Lv1]


耐性:

[しょうげきたいせい:Lv2] [せいたいせい:Lv1]


称号:

[アンデッド:Lv1] [しょうかんされたげぼく:Lv-] [からだどろぼう:Lv-]


———————————————————————————


なんて言えばいいんだろう。ステータスがめちゃくちゃ可愛い。


こんなに低い数値を見るのは久しぶりだ。逆に心が安らぐくらいだな。


それにしても疑問がある。おれが同じレベルだった頃より、こいつのステータスのほうが高い気がするんだが、なんでだろうな。


とにかく、せめて一度は進化させてやらないといけないだろう。今のままでは、あまりにも脆すぎる。誰かと戦うだけでも、その衝撃だけでうっかり死なせてしまいかねない。


ちょっとした疑問がある。[スケルトン]から経験値を得られなかったのは、おれ自身が作り出した相手だったからだが、他の誰かが倒した場合は、おれの作った相手からでも経験値を得られるんだろうか?


わからないし、試すのも少し怖い。


理由はいつもと同じだ。誰かを、ただ経験値にするためだけに作り出して死なせるのは嫌なんだ。


もちろん、蝶とは違って、おれが作ったあの骸骨は、魔力とマナのかたまりを魂代わりにしただけの存在だ。自我も魂もない、いわば魔法の人形に過ぎない。


だから、少し難しいところだな。


だが、蝶がうっかり死んでしまうのも困る。それが理由なら、多少は目をつぶって、せめて一度進化できる程度までレベルを上げさせてやってもいいだろう。


問題は、どうやってこの意図を伝えるかだ。今作ったばかりの相手を攻撃しろと、どう頼めばいいんだ?


ん?蝶が何かに驚いたのか、食べかけの獲物を放り出して、こっちに向かって飛んでくる。


[きはいかんち]をそちらに向ける。とてつもなく巨大な気配が、そこに潜んでいる!


次の瞬間、木が大きな衝撃とともに弾け飛び、オレンジ色の巨大な影が、まるで雑草でも踏みつけるかのように木の残骸を踏み越えて現れた。


「ギィィィィ!!!」


その巨体は、巨大なハサミを二本、天に向かって振り上げ、力の限り叫んだ。


あれは蟹か?なんでそんなに巨大なんだ?


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